カテゴリ:オリジナル小説
コロンブス級補給艦『キタカゼ』は空母的な運用が行われている。両舷に設けられた巨大なカーゴベイが特徴で、双胴船のような艦形となっていて、船体の大部分を積載スペースとしているため、搭載機数は最大でMS8機が限度と考えられている。
「駄目です!これ以上は・・・とても振り切れません!」 『キタカゼ』パイロットがモスク・ハン博士に泣き言をいった。護衛をかねて搭載された宇宙戦闘機セイバーフィッシュは既に撃墜され、泣き言の1つも言いたくなる。 「参ったねどうも・・・よりによってこんな貴重品ばかり運んでる時に・・・」 (いや、だからこそ狙われたのか?) 「博士、自分が新型で出ます。敵の足を止めますので、その隙に・・・」 「いやそれはそれでマズいな准尉」 こんな輸送機撃墜するのは、簡単なはず・・・それをこのタイミングまでしないのは無傷で手に入れたいはず・・・」 「前方より機影2、友軍機です!」 『キタカゼ』パイロットの声に安堵感が漂う。 「間に合ったか」 モスクも同じ気持ちだった。 「少尉、2時の方向『スカート付き』3機です!」 ヘッドセットから、アービスの声が飛び込んでくる。シフォンはモニターを2時方向に切り替えると、ザク用のマシンガンを持ったリックドムが1機。ジャイアント・バズーカ持ち2機を視認した。 シフォンの声が響く。 「キャノン砲だ、撃て」 ジムキャノンの右肩に装備された240mmキャノン砲が発射される。 次の瞬間、ドッグファイトが開始された。 最初の接触で更に一撃で敵機を落とすのが、最良の選択だ。脳裏にかすかな不安がよぎるが、気持ちを押し殺し機体の右腕に持ったビームガンを構えた。ビームスプレーガンの改良型で一撃離脱の戦法に対応し易い様に連射性能が強化されている。銃の外見も軽量・コンパクトな物に換装されている。照準機をヘッドレストの脇から取り出し、ターゲットに敵機を捉える。トリガーを引き絞り、銃口から無音の宙に閃光が走る。 閃光に貫かれた『スカート付き』が炎を上げて倒れていく。ジェネレータは作動しなかったらしく、核爆発の光はなかった。 引き続き、近くにいた『スカート付き』に照準を合わせ、トリガーを絞り、これも撃破した。 最後の『スカート付き』はヒートサーベルを抜き、シフォンのジムに迫る。シフォンは巧みにスラスターを操り、ヒートサーベルを避けビームサーベルを2本抜いた。リックドムとジムがすれ違う。ジムが反転した時、リックドムは炎の球に包まれた。 「はぁ、一気に三機撃墜ですか・・・」 アービス准尉がため息とともにつぶやいた。 「全機健在、損害輸送機に若干の被弾あり、しかし、航行には問題無い。」 シフォンはサブモニターで『ナツカゼ』ブリッチを呼び出した。 「こちら『ナツカゼ』了解しました。帰投してください」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 7, 2008 01:16:30 PM
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