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テーマ:今日の出来事(292567)
カテゴリ:雑感
預貯金残高1,700万円以上の通帳を拾った男性が、落とし主に255万円を求める訴訟が昨日提起されたようですね。
現金なら分かりやすいのですが、通帳なんで判決はどうなるのでしょうか? 通帳自体は「残高」を示しているものにすぎず、落とし主が措置をとれば預金を引き出される可能性はないわけで、危険度は現金よりかなり低いものとなります。 裁判所の判断が気になりますね。 ところで、数年前に家内が郵便局のATMで数百万円の現金置き忘れがあったのを局に届けたことがあるんですが、もちろん何のお礼もなく善意の行為で済んじゃっています。 これを改正遺失物法で見直しますと、 第4条2項 「施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。 」 妻の行為は適法ですね。次に、 第13条 「第4条第2項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。・・・」 おそらくこれもなされたんでしょう。そして、 第14条 「第4条第2項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。 一 物件の種類及び特徴 二 物件の交付を受けた日時 三 施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)」 拾ってその施設に「落し物ですよ」というと同時に「遺失物法の14条書面の交付をしてください」という必要がありますね。なぜなら、落とし物を受け取った人がネコババないとも限らないので。 もう少し読み進めると、 第28条 「物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第9条第1項若しくは第2項又は第20条第1項若しくは第2項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。 2 前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。」 なななんと、現行法下でなら少なくとも落し物の額の2.5%~10%が報労金として受け取れるんですねえ。 しかも遺失物法には、「・・・報労金を支払わなければならない。」と落とし主の義務になっているじゃあないですか。お礼=心付けを法的義務とするのはあまりなじまないような気もしますが、トラブルを防止するために規定しているんでしょうね。 まあ、落とした人はとても困って血の気が引いたでしょうから、いいことをしたので神様が見てくれていると今日のところは納得しておきましょう。 京都の相続ならアルク行政書士総合事務所 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年10月20日 17時26分27秒
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