カテゴリ:時評
米大統領選は、「もしトラ」がやがて「かくトラ」になり、バイデンではもう勝てないとみた民主党が、カマラ・ハリスを担ぎ出し、大接戦が報じられたが、結果はトランプ圧勝。
トランプに確たる政治思想があるとは思えないが、経済は明らかに保護主義。といっても、単純に赤字はイヤだから関税を高くというくらいの考えしかない。共和党だから、新自由主義的な方向にアメリカは向かうはずだが、そうなると国内の格差は拡大することになる。そうすると、不法移民に厳しいトランプを支持したプアホワイトは、それこそ移民並みの所得しか得られなくなり、ますます貧困化する。 以前も書いたが、日本でも新自由主義安倍政権を支持したのは、格差の下層部分の人たちである。その政治が、下流社会を作り出し、「アンダーグランド」という最下層を生んだにも拘わらず、彼らが熱狂的に新自由主義を支持するというのは道理に合わないことだ。 が、そういうことは、ヒトラーのドイツ大衆党が、当時最も民主的なワイマール憲法の下で行われた選挙で、圧勝した例でも分かるが、政治思想の問題ではない。むしろ、トランプで言えば「移民のせいでアメリカ人が貧しくなるのだから、壁を作って、移民の流入を防ぐ」という明快な、そして単純すぎる論理が、本来は民主党の基盤であった黒人、白人、ヒスパニックなどの労働者層から熱狂的に支持されたということだ。 しかし、不法移民がいるからこそ、低賃金の労働者を確保できていたアメリカ社会で、彼らの穴を埋めるのは、トランプを支持した人たちになるだろう。 などということは、まあ、自分にはどうでもいいことであり、日本で同じことが起こるかもしれないが、もはやセミリタイアの身の上には大きな影響はない。例えば、年金が不払いになったり、ハイパーインフレが起こることはないだろう。しかし、保護主義的な政策は円安を加速化させる。輸入物価の上昇は、とりもなおさずエネルギー価格の上昇に直結する。日本経済を支えてきた自動車などの産業は、円安は本来有利なのだが、関税を引き上げられ、北米市場での競争力を次第に失うことになる。すると、それを国内価格に転嫁することで、価格は上昇していくだろう。それが、全体の商品価格に起こる。 どちらにしても、国民生活の質は下がらざるを得ない。だから、資産を円からドルに移す動き(新型NISAなどによる資産防衛)が高齢者を中心に広がり、能力のある若者は、就職を海外に求め、国内の生活格差は拡大し、二極化(中流の喪失)がはっきりと分かってくる。 我が家は、何とか中流の端っこに引っかかっているようなものだが、ハリス当選を見込んでいったん利確したNISAを、時期をみて再開することになりそうだ。1年足らずで、10%ほどの利益が積立で上がったのだから、文句はないが、トランプ当選と見込んでいれば、15%ほどにはなったかもしれない。が、それでもたいしたことではない。それよりも、11月の臨時ボーナスの支払い前日の為替が、さらに円安になれば、恩恵は大きい。エリーゼに行くくらいの資金は十分出る。 非常勤講師のわずかな給与収入も、あるに越したことはなく、自分自身、仕事は趣味みたいに楽しいことなのだから、来年度も続けたい。 車は車検を通し、あと2年は少なくとも乗り続け、その後は軽自動車で十分と思うので、それも大きな負担にはならない。 弓の遠征は、年一回くらいになるから、その分を旅行とかいろいろなことに使える。 というわけで、健康でさえあれば、まだまだ人生を楽しむことはできるのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.11.07 07:18:41
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