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駆け出し記者の一期一会

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2007年10月06日
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カテゴリ:展覧会
この秋は、明治の巨人達を取り上げた企画が多いような気がする。
江戸東京博物館では夏目漱石、東京藝大美術館では岡倉天心、
そして、ワタリウム美術館で明日から南方熊楠の展覧会が始まる。

南方熊楠(みなかたくまぐす)は、植物学、民俗学、博物学、
そしてエコロジーの考え方の先駆者でもある。
1867年、和歌山に生まれ、東京大学予備門で夏目漱石や正岡子規と同期だが、
てんかん発作のため授業に出られなくなって退学。突然アメリカに旅立つ。
以来33歳まで14年間、南米、ヨーロッパなど世界各地を放浪。
ロンドンでは、大英博物館に出入りを許され、
3年ほど日参して朝から晩まで筆写を続けた。
その52冊のノートがその後の学問の基礎になっている。

とにかく、何でも書いた人である。
8歳で『和漢三才図会』(105巻)の筆写を始めた超神童。
生涯つけていた日記は、一日平均、原稿用紙5枚ぐらいの字数でびっしり。
愛用していたすずりがえぐれている!

ワタリウム美術館はふだん現代アートを展示しており、こういう博物館的な企画は珍しい。
また、南方熊楠展もこれまでに何度か開催されているが、
これだけまとまった形で、しかも美術館で行なわれるのは初めてだと言う。

森羅万象を自分の目で確かめて、生物、森、自然、人間について精密に記録する。
決して1つの狭い分野にしばられることなく、総合的に物事をとらえていた熊楠の姿勢は、
現代人への大きなメッセージとなるのではないか……ということで、
ワタリウム美術館でやろう、という話がまとまったそうだ。

ロンドンから帰国してからは、67歳で生涯を閉じるまで、
故郷の和歌山で生物研究に打ち込み、膨大な数の標本を残した。

中でも有名なのはキノコと粘菌の研究。
3,500点もの手描きのキノコの彩色画のうち、
今回400点が出品され、4回の展示替えで毎月100点ずつ展示される。
山で採ってきた様々なキノコたちの姿が、正確に極彩色でイキイキと描かれている。美しい!

松居竜五氏のオープニング・トークが行なわれた。
龍谷大学准教授で熊楠の研究者だ。
「南方熊楠って名前は聞いたことあるけど、どんな人なの?」
という一般人の感覚に答えるわかりやすい解説だった。
さほど広くないワタリウム美術館の4階展示スペースは100人ぐらいの参加者が
立って話を聴く状況。熊楠への関心の高さがうかがえる。
会期中も、「熊楠の森を知る」というシリーズ講演会があり、
脳科学者の茂木健一郎、作家の池澤夏樹など、錚々たる面々の講師陣だ。

時間がなくて、オープニング・パーティはパスしたが、
豆腐アーティストによるキノコ料理が用意され、
館内にいいにおいがたちこめていた。食べたかった…残念!

美術館のショップでキノコの絵葉書と
水木しげるの「猫楠NEKO-GUSU 南方熊楠の生涯」(角川ソフィア文庫)を買った。
この博物学者がいかに自由奔放で偉大な人物であったかを
「我輩は猫である」みたいな飼い猫の視点から語るマンガである。
いやー奇人変人ぶりがハンパじゃない。ロンドンでの生活もムチャクチャだ。
帰りの電車で夢中で読む。これはもう一度ワタリウムに行くしかない。

「クマグスの森 ― 南方熊楠の見た夢」10月7日よりワタリウム美術館にて。







猫楠





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最終更新日  2007年10月21日 13時53分17秒
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