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駆け出し記者の一期一会

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2007年11月04日
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カテゴリ:展覧会
   筑前国芦屋津で作られた茶の湯の釜「芦屋釜」。
   釜肌を彩る華麗な文様表現は、
   中世の鋳物師の情熱が生み出した
   鉄の芸術である。

…こういうチラシを見て、すぐ紙面で紹介しようと思うのは、
よくよくキャッチフレーズに弱いお客というものだが、
ニッポンの茶の湯Tea Ceremonyに関心のあるガイジンは多いし、
普通の茶道具展と違って、茶釜だけ集めてくる展覧会は珍しいと思ったのだ。

東急沿線、上野毛駅から歩いて5分ほどの五島美術館は、
東急電鉄の創始者・五島慶太が半生をかけて収集した
日本と東洋の古美術品をもとに、昭和35年に開館した美術館。
国宝「源氏物語絵巻」を所蔵する美術館として知られる。

土曜日の昼下がり。
「文化の日」は例年晴れることが多いというジンクス通り、爽やかな好天である。

いつも思うのだが、世の中、あらゆる分野にコアなファンがいるものだ。
この前日にあった朗読とジャズピアノのコラボのコンサートが満席だったのも
私にとっては意外なことだったが、
今日、五島美術館で催された「芦屋釜について」という講演会が満席だったのも
新鮮な驚きだった。
「講演会は午後2時より、当日入館者聴講無料、椅子席100名先着順。
午後1時より聴講整理券を発行します」と書いてあるものに、
午前中、子どものサッカーの試合の応援に行った後、直行して12時40分に着いた。
少し早かったかなと思ったが、もう20人ぐらい人が並んでいる。
こういう講演会にも結構、人が入るんだー、へええ…
私なんか、仕事でもなけりゃ、ぜったい来なかっただろうけどね。

ちょうど「文化の日」だからか、美術館ではお茶会も催されており、
渋かったり麗しかったりの着物姿が庭内をそぞろ歩く。
お茶会と講演会の掛け持ちの人もいるようだ。ご熱心。。
聴講者の大部分はシニアのおばさま方。「あら、おひさしぶり」なんて声を掛け合う。
茶道業界のお師匠さんか、長年お稽古に励んできた奥様達といったところだろうか。
いやあ、縁遠い世界だなあ…

恥をさらすようだが、私には日本文化の素養がない。
そのことに気づいたのも外国に行ってからだった。
夫がドイツ大使館に出向中、館員の配偶者達は、
いわば日本文化の広報の一翼を担う感じがあったのだが、
いやあ向いてないのなんのって。私なんにもできません。すみません。みたいな。
大使公邸の生け花を手伝いに行くのは楽しかったが、自宅ではテキトーに生けたいし、
着物の着付けも教わったが、すっかり忘れてしまった。普段着ないからね。
お茶にいたっては、正座がダメだし、あの細かい所作のルールが肌に合わなくて、
全然やる気が起こらないまま終わったのだった。
「日本女性はそういったことを身につけているのでしょう?」
みたいな、ガイジン達の期待のまなざしに対しては、
にっこり笑ってゴメンナサイと言うしかない。

紹介文を書くからと思って参加した講演会だったが、
情けないことに、5分と経たないうちに睡魔に襲われた。日頃の寝不足のせい? 
でも、昨夜のコンサートではちっとも眠くならなかった。やっぱり興味の問題だろう。
講師の東京国立博物館上席研究員の先生の声の波動に
どうしてもチャンネルを合わせることができない。
時折ふと目が覚めて、ほかの人もさぞや眠かろうと周囲を見回すと、さにあらず!
和服姿のきりっとしたお師匠さん(きっとそうだ!)が熱心にメモをとっている。
私の隣のオジサンは、茶道具を扱う骨董屋の主人だろうか?(勝手にそう思ったのだが)
講師の話にいちいちうなずきながら、レジュメをめくっている。
うわ~やっぱり興味のある人には眠くないんだ、この話が。
よっぽど、途中退席しようかと思ったが、講堂にぎっしり並んだ100席の椅子の列の
中ほどにいた私は抜けるに抜けられず、予想以上に長い2時間の講演を耐え忍ぶばかりだった。

最後に講師が
「今日お話したことはこの図録にもだいたい書いてありますので、よろしければお求め下さい」
と言った。
話をほとんど聞き逃してがっかりしていたので、ほっと安堵して図録を買い求めた。
これがなかなか面白いではないか。「芦屋釜とは何か?」から順々に説き起こしている。
なーんだ。最初からこれを買って帰ればよかったじゃん。先生すみません。

茶釜が50点も並んでいるのは壮観である。
かの利休が愛用していたという茶釜もあった。
茶釜といえば「ぶんぶくちゃがま」を連想してしまう私には
そのうちタヌキのしっぽが伸びてきそうに思えてしまうのだが。。

こんな不届き者が茶釜の展覧会について何か書くのは、まさにおこがましいことだが、
英文情報の乏しいジャンルだから記事の希少性はあると言える。
このよくできた図録でにわか勉強して、この日いちばん素敵だと思った
鹿の文様が描いてある重要文化財の茶釜の写真つきで紹介することにしよう。

今日、整理券をもらうために並んでいる間と、2時まで時間をつぶした喫茶店で、
多和田葉子が93年に芥川賞を受賞した『犬婿入り』を読んだ。

犬婿入り


同じ文庫本に『ペルソナ』という作品も収録されている。
ドイツに留学している日本女性が、「文化的差異の中における差別と、
自国の文化・言葉からも拒絶される宙吊りにされた身体が描出される」
という解説のなんと見事な要約。つまり、彼女は、ドイツ人からも理解されず、
バイト先の日本人駐在員夫人達との会話でも違和感を感じるというシチュエーション。
わかるなーー、こういう感じ。
『犬婿入り』の方は、浮世離れした主人公の女性が、犬と化した?男と交わる不思議な物語で、
犬男に逃げられたキツネのような女房も出てきてギョッとした。

茶釜の講演会で感じた場違い感と、会場で見たタヌキのような茶釜たちと
しくんだようにフィットする小説2作品。
茶釜を見るたびに思い出しそう。。。

「芦屋釜の名品  ~筑前 釜の里が生んだ鉄の芸術」
五島美術館にて 10月27日から12月2日まで









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最終更新日  2007年11月08日 00時31分15秒
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