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SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

15野辺山ウルトラマラソン完走記~第2章~

50キロ 6時間04分40秒 38分08秒
50km.jpg(写真は2014年のものを使用しています)
目標の6時間15分以内には到着できた。また転倒のことを考えると実際は6時間を切って到着できた可能性が高い。そうはいってもこの時間が実際のタイムだ。本当ならば蕎麦を食べようと決めていたのに、右手で箸を持つこともままならないので、到着後すぐにエイドのプールに右腕を浸けて5分ほど冷やした。後続から知り合いのランナーが到着すると『転倒しまして!腕振れないです(笑)』と報告。冷やせば痛みも和らぐ。蕎麦を美味しそうに食べる相澤さんと一緒になったのが、毎年のサロマ湖や小江戸大江戸のボランティアでお会いする理絵さん!50キロの出発の際に一緒にスタート。こちらは補給ができていなかったので、ショッツを流し込んでから追い掛けた。
出発は6時間12分を経過してからとなった。歩いている2人に追い付き、ゆっくりと走っていく。2人は僕よりも走力は上だ。キロ6分半くらいで走っているが、おしゃべりをしながらのランニング。とても楽しい時間だった。しかし右手の痛みは引くことはない。グッと痛みを我慢しながら腕をしっかり引いた。この先のエイドは54キロ過ぎ。熱くなるカラダと痛みを和らげるのに水分が欲しくなるがエイドは遠い。
53キロくらいでようやく私設エイドがあり、腕を冷やし喉を潤した。次は北相木の折り返しから戻ってきて滝見の湯へ向かう分岐点にエイドがあるはずだ。思ったよりも早くエイドに到着。救護の方に冷却スプレーなどはないか伺うが、基本AED担当のようなので応急処置も難しい。状態を見て指先が動くこと、腫れているがしっかり冷やしていることを伝え次の北相木村に氷があることを望んだ。エイドを出発すると59キロまで4キロ強の距離がある。

55キロ 6時間50分31秒 46分09秒

ラップのボタンを押す時に思わず『痛~っ!』と声を上げた!押し込むと手首に尋常じゃないビビッと痛みが走る。苦痛に耐えながらもラップだけは押していかなければ!
50キロエイドで8分の休憩を含むラップとしては問題ない。走るペースはキロ7分台で刻めている。風が背中を押すように吹いている。登り坂が続くがスムーズに走ることができている。理絵さんと相澤さんは僕の少し先を走る。背中を追い掛けるように頑張るが、ジンジンと痛みが続く。折り返してくるランナーに声を掛けながらも右手を挙げて応えることができないので、左手で応える。中にはハイタッチを求める方もいたが、事情を説明してお断りした。ごめんなさい。腕が痛過ぎるので脚はまったく気にならない。違和感自体もでていないので、走れる時に走っておこう!
折り返して60キロのポイントを通り過ぎまもなく北相木村の折り返し。今年はこちらのドロップバックはない。長居はしないがいつもプールがあるのでそこでしっかりと冷やそう。
7時間18分に北相木村の折り返しに到着した。まずはプールに一直線!なによりも手首を冷やしたい。3分ほど浸かって、タイツも濡らす。頭や顔もこすって洗いたいが片手ではうまくできない。とりあえず水をもらってZENと塩熱サプリを飲んでからエネルギー補給をする。ポーチから山よりだんごを取り出して、片手で抑えて口でくわえて3粒食べる。お腹が空いてはこの後が心配だ。そしてショッツとスポーツオキシーショットを流し込む。時間あるので焦る必要はない。このペースで行けばいいのだ。
北相木村を後にしたのは7時間23分。折り返しに向かって来るランナーの顔が『あそこがリミットライン?速くない?』という風に見えるのは気のせいか?(笑)

60キロ 7時間34分01秒 43分30秒

エイドでの5分くらいの休憩を含めて45分は掛かっていない。71キロまであと11キロ。時間としては120分は残っていないがキロ9分で刻めていれば、予定の9時間30分には間に合うはずだ。
折り返しから下り坂になっているが、右手の痛みがますます酷くなり走り続けると振動がズキズキ痛む。走っては歩き、歩いては走りの電柱走りをするが、長い時間は走れない。応援のサロマンブルーメンバー松村さんの姿もあり、ゴールドスプレーを貸していただき患部を冷やす。この時、炭やの女将さんに抜かれてしまった!詳しく話す暇もなく追い付くこともできず姿が見えなくなった。分岐点では浜戸さんと鉄人マーボの皆さんが応援してくれていた!皆さんも見ましたよね。アコーディオン弾きながら走るスパイダーマンを!

65キロ 8時間19分06秒 45分05秒

分岐点からはしばらく走ることができたので、大きくタイムを落とすことはなかった。しかしこの後の計算をしておかないと、またギリギリになってしまう。あと5キロで70キロ。40分で刻んで71キロ滝見の湯到着は9時間10分頃だ。45分のリズムだとやはり滝見の湯は9時間30分となるだろう。この先にもキツい坂道があるので、なんとか9時間15分をターゲットに頑張らなくては。
次のエイドは2キロ先だ。コースは徐々に登りが始まってくる。痛みを我慢しながらもしっかりと走ってエイドを目指す。途中アートスポーツのメンバーが車で逆走していて声を掛けてもらった。なんとかエイドに到着。
かぶり水で腕を冷やす。周りを見渡すが氷はない。次の滝見の湯には救護があるだろうが、この状態で見せてドクターストップとはならないだろうかと不安になった。でも時間がないから寄っていられない可能性が高い。
ここからの3キロでエネルギー切れは禁物だ。ショッツを流し込む。8時間45分で出発する。10分掛かっても9時間15分には到着する。このくらいの貯金は欲しい。
まずは平坦なところはしっかりと走り、坂に差し掛かると積極的に歩いた。勾配の緩いところはまた走りだし、10分以内では走ることを意識した。70キロの地点計測はいつものように実際の70キロよりも後ろ。

70キロ 9時間08分13秒 49分07秒

あと5分で71キロの滝見の湯には到着できる。ゴールまではあと30キロ。この先の馬越峠の登り下りでしっかりと進めれば、85キロ以降の登りはキロ9分で計算ができると思う。滝見の湯での着替えはなしにして、なるべく早く出発しよう。

滝見の湯到着は9時間12分。やはりキロ9分で走れている。このリズムだと確認してエイドへ。ここでもかぶり水のバケツでアイシング。気温も上昇しているのでカラダもタイツを濡らして冷却する。知り合いのランナーに事情を説明したり、水分を摂って荷物のある場所へ移動。
とりあえず荷物をもらったが、紐がほどけない(笑)椅子の上に袋を乗せて硬結び部分だけほどけた。袋の隙間からサイダーのペットボトルといろはすをなんとか取り出す。それ以外は出せなかった。炭酸の抜けたサイダーを飲み干し、この後の馬越峠用にいろはすを持っていく。トイレ小だけは済ませたかったので、仮設トイレで待ち時間なく済ませる。
その後荷物を係員に預けてから、ショッツと山よりだんごを食べてからスタートする。スタート時間は9時間22分。ここでの休憩を10分で済ませて9時間30分よりも8分の貯金となった。左手に持ったいろはすは飲むというよりは冷やすため。キャップを開けていなかったので、太股で挟んで左手だけで開けようとするがなかなか開かない!なんとか開けて手と脚に掛けるが、締める時にもまた水がこぼれてしまう。無いよりはあるだけでも十分!エイド毎に入れてもらおう。
馬越峠の入口は74キロ。ここから3キロは走れる登りが続く。痛みに耐えながらも電柱走りを繰り返して前に進む。途中の私設エイドで右手を冷やして馬越峠を目指した。いつもならば15時を知らせるチャイムが峠の手前で聞こえてくるが、それを前に峠入口のエイドに到着した。

このエイドでもまずバケツに腕を突っ込みとにかく冷やす。空になったペットボトルに冷たい水を入れてもらいスタートする。馬越峠は5キロの登り。歩き続けるので、キロ11分以内の計算で考えていた。下りをキロ7分で下りれば平均で9分ペースとなる。手元の時計は10時間を迎えるところだ。
今年で5回目となる馬越峠。エネルギー補給もしっかり行いながら歩かないと、確実にハンガーノックになってしまう。下りを走れる体力まで使い切ってはいけないのだ。歩きながらペットボトルの水で手首を冷やし、ペットボトルを右脇に抱えて左手でフラスクを取り出す。とても不自由だが確実に摂取した。

75キロ 9時間58分02秒 49分49秒

滝見の湯の休憩を含めたことを忘れていたので、一瞬『あれだけ走って50分かあ。頑張って歩かないと馬越はもっと掛かるぞ。』実際には休憩を2回含めてなので悪くないタイムだ。
僕の周辺ではほとんどのランナーが歩いている。早歩きを意識して進む。たまに走るリズムで追い越していくランナーがいるが、3人程度だった。この登りで体力を失っては下りが走れなくなってしまうので、僕はとくかく歩いた。
1つ目のエイドが見えてきた。ここでは腕を冷やして、ショッツを流し込む。フラスクの中身もそろそろ底を尽きそうだ。まだ先は長いが止まっている暇はない。すぐにエイドを離れて前に進む。しかしここはまだ76キロ地点。あと3キロも続くのだ。
幾度もカーブを曲がって曲がって、視線の先の上の方にガードレールが見えてきた。この位置から見上げられるガードレールがあるということは、あそこまで登って行けばまもなく馬越峠のてっぺんが近づいているということだった。
そのガードレールまでは歩いているだけでは急な坂もあり時間は掛かるが、確実に近づいている。手元の時計は10時間42分を過ぎたところだった。てっぺんに11時間と考えるならば、間に合いそうな時間となった。見慣れた上からの景色となり緩やかな坂を曲がった先に馬越峠の頂上を迎えた。

エイドにコーラを探したが今年はなし。とりあえず椅子に座り、持っていたペットボトルで腕を冷やす。この先の計算をしなくては!体力的には痛みからくるストレスを感じているので、その積み重ねがジワジワと溜まってくる。転倒から6時間経過し、毎度のラップボタンをうめき声を上げながら押しているくらいだから、これは打撲ではなく骨までいっているなと改めて思った。ここまで勘違い(笑)していたことはいい意味で良かったと思う。相当痛かったけど。
残り僅かとなったショッツを流し込み、下りをどのくらいでいけるか立ち上がって考える。冷たい水で手首を冷やして、まずは歩いて下り始めた。80キロを目指さなくては!そこから残り時間と走りの状態を見て決めよう。
ジェットコースターのように下り始めはゆっくりだが、徐々に加速する。しかし下からの衝撃が大きく手首が痛い!また腰が引けてしまっているので、足首に掛かる負担も増えてしまう。様子を見ながら歩きも増やし80キロへ。

80キロ 10時間57分32秒 59分29秒

馬越峠のクリアに60分で対応できた。休憩を抜けばキロ11分で走れた計算だ。また11時間に対しても貯金があり、残り20キロを3時間は残せた形となる。この85キロまでの下りでは、さらに貯金が貯められるのでキロ10分までなんとか積み立てていきたい。
80キロを過ぎてからは少しスピードを落としつつも、下を向かず前を向き歩幅を小さくして走る。また脚は真下に下ろして足首への負担を減らす。そして左腕はしっかりと引き、右腕は肘だけをカラダに寄せるように意識する。これで蹴らずともカラダは前に進む。支える筋肉は太股!歩幅が小さいので衝撃も小さく済んだ。
エイドでコーラを発見しいただき、手首のバンダナを濡らす。そして再び下り始める。このペースで歩きも入るが、キロ8分は掛かっていない。車で応援してくれる知り合いのランナーの方々からはガッツポーズの拳がしっかり見てとれた。こちらも拳を作って返す。
麓が徐々にに近づいてきて、後続のランナーもどんどん追い抜いていく。ここで気にしていたのは、前回の柴又でウルトラデビューして、くびき野でも快走を見せた笑顔の素敵な吉田さん!と昨年90キロ過ぎに離れてしまったけど、最終ランナーでゴールに飛び込んできた芦澤さん!
そろそろ来るかな?と気になっていた。吉田さんはスタート前にお会いして、北相木の折り返しでは芦澤さんより、後ろだった。昨年よりも速いタイムで北相木を目指していた。下りの途中で芦澤さんの旦那さんが車で『うちの見ました?』とちょうどすれ違い、昨年よりも速かったことを伝えて別れた。昨年のガッツでゴールまで来て欲しい。
するとまもなく馬越峠の下りも終わりが近づいてきたところで『鈴木さ~ん!やっと追い付いた!』と吉田さんがダッシュでやって来た!『次の関門16時40分ですよね?間に合います?』『いやいや、それはてっぺんの制限時間ですよ!(笑)』『えっウソ!ホントに?間に合わないと思って激ダッシュで下りてきたのに~!』と。『この先もうすぐ85キロなので川に出たらあと2キロでエイドですよ!』と伝えると『は~い!』と言って走り去っていった(笑)。元気な吉田さんはこの後のエイドで会うこともなく、13時間50分で完走されていた。さすがです!

85キロ 11時間35分20秒 37分48秒

下り坂の終わりに85キロ。予定通り約7分の貯金が貯まる。87キロのエイドの出発は12時間05分と決めていたので、少しゆっくりできるかな?坂を下りるとお猿さん姿の大矢さんと合流。八峰の湯に入ると伺っていたがすっかり忘れており、後ろから下りて来たのにビックリしていた。大矢さんは川の道後半も完走しての野辺山!さすが走力が違います!少し話をして先に行ってもらう。川沿いに入ると今度は西城戸さんが追い付いてきた!転倒の事情を話ているうちに川上村のエイドに到着した。
到着は11時間56分。出発まで約9分ある。しっかりと手首を冷やして、補給をしてラスト13キロに挑もう!出発の12時間05分は3キロの平坦で90キロとなる。キロ8分で3キロ走り、12時間30分で90キロをクリアする計算だ。
まずはプールに腕を浸けて2分。次にエイドを覗くがうどんは右手が使えず断念。汁だけでもと思ったが、諦めた。すると海苔巻きを発見し、3つばかり頬張る。このところジェルだけだったからお腹に溜められて良かった。ラストの為にも食べなくては!とさらに山よりだんごを取り出して食べる。
ランナーの中に山下さんを発見しご挨拶。山下さんは川の道520キロを完走しての野辺山参加!凄いことです!転倒の事情を話、『ここまで来たら骨折しても完走!と新たな伝説残します!』と宣言して、お互いの健闘を誓った。
他にも芦澤さんの旦那さんが仲間の応援にエイドにいた。奥さんは馬越峠は5分前にクリアしてなんとか走っているらしい。間に合うといいなあ。再度プールに浸かり、12時間05分となりスタートしようとすると今度はしゃおらいさんがエイドに到着!『12時間10分までには出発しないとダメですよ!』と残して先にスタートした。
この平坦でどのくらいのペースで走れるかは90キロ以降のバロメーターだ。ここでキロ9分以上掛かっていたら、相当切り換えない限り90キロ以降の登りでは走れない。限りなく12時間30分に近くクリアしなければ、完走までの大きな壁が立ち塞がる。(キロ9分以内でアップダウンを走らなければならない)
平坦になっても走る距離はあまり伸びない。痛みを堪えて歩く時間も増えてきた。確実に90キロは近づいているが、明らかに先程よりはペースが落ちている気がする。橋を渡り左折すると登りの途中に90キロ計測ポイントのテントが見えてきた。

90キロ 12時間27分25秒 52分04秒

とりあえず12時間30分はクリア。そして9分の休憩を含めての52分のラップはキロ9分以内であることが確認できた。
さてここからは登り坂が続く。土曜日の小海線から見えたコースを野辺山まで進んでいく。小海線を潜って約1.5キロの登り。ここでは電柱走りで確実にペースを刻む。歩く時間を短くしながらキロ9分以内を目指した。95キロの地点で45分は残したい。その思いで走り続けた。下りになると呼吸も落ち着かせることができるので、エネルギーが足りなくなることも想定してゆっくりと進む。93キロのエイドに到着して、まずは冷やす。辺りは風が少し吹いていて少しずつ涼しくなってきているが、患部の痛みを少しでも和らげるにはこれが一番だった。
エイドを離れて小海線の踏み切りを渡る。僕が渡った後に踏み切りが鳴った!この時間に電車が通過するのは初めての経験だ。いつもより速いのか?ダイヤ改正?と思いながら走る。
芦澤さんの車がやって来て中には奥さんが。『関門で駄目でした。頑張ってください!』『お疲れさまでした!』そして目指すは95キロ。直線で先が見渡せるがアップダウンがあることも確認できる。ストップウォッチの経過といつもの95キロの位置を確認して近づいていくが、その付近に看板はなかった。ラップタイムは45分を過ぎてしまった。『え~!ウソだろう?どこが延びたの?』と疑問に思った。スタートゲートは少し後ろに下がっていたが、それ以外にコースの変更はなかったはず。95キロが出てきたのはそれから3分後になる。

95キロ 13時間15分44秒 48分19秒

400メートルくらいのズレがある。なんとか44分残したものの、『この距離表示が正しいのならば急がなければ!しかしペースとしては45分は掛かっていない筈だ。』と感じながらもあと4キロの看板を目指した。ここからは少しペースアップ。 意識的にしっかりと蹴りだして下り坂を下りていく。本来ならばこの下りきった地点にラスト4キロがあるが、やはりない。その先に立ち塞がる大きな登り坂を越えていく途中にようやく現れた。13時間25分くらいで通過。あと4キロを35分で走らなくてはならない。『ホントかなあ?』とまだ疑問を持ちながらも間に合わなくてはここまで痛みを我慢してきたことが水の泡になってしまう。次のラスト3キロがいつも通りに出てくればいいのだが。
登り坂が終わり、小海線の踏み切り手前を左折すると最後のエイドとなる。ここでも手首を濡らしてからスタート。例年ならばこの先にラスト3キロがあるが、ない!しばらく走ってもない!
これは表示ミスかと思ったが、先にラスト3キロが出てきたら洒落にならないので緩やかな下りを使ってしっかりと走っていく。しかしない。ということは、この直線の終わりにラスト2キロが出てくれば問題ない。前を走る大矢さんの姿が見えてきて、コーナーのところにも看板が見えてきた。あれがラスト2キロだろう。
手元の時間で13時間40分。もう大丈夫だ。やはり95キロ地点がズレていたみたい。頑張った分2キロで20分残った。集中していた分痛みを気にしなかったが、時間を確認すると痛みが走り出す!大矢さんと歩いていると、後方から先程のエイドであった山下さんがやって来た。
『これなら間に合いますね!』とゆっくりと歩きを混ぜながら進んでいく。残りのコーナーはあと3ヵ所。1つ目を曲がってしばらく進むとラスト1キロだ。大矢さんも山下さんも僕のリズムに合わせてくれる。山下さんは『鈴木さんの姿がどんどん小さくなっていくから間に合わないかと思った。』とおっしゃっていたが、走力があるのでそんな心配はしていなかった。『距離表示がおかしかったせいですよ!間に合わないと洒落にならないので!(笑)』
ラスト1キロを前に女性2人が声を掛けてくださった。『ブログ参考にしてます!』『ありがとうございます!』2人とも軽い脚取りで走っていく。踏み切りを渡り、あとは600メートル。残りはしっかり走らなくては!ゆっくりとしたペースで走るが思わず顔が歪む。ゴールを迎えてくれるランナーにハイタッチで返すこともできずに走っていった。
野辺山ゴール手前.jpg(二見さん提供)
https://www.youtube.com/watch?v=TaBgt6vxRZA&feature=youtu.be
(高嶋さん提供動画:ゴールシーン有り)
野辺山駅前を曲がり残り300メートル。昨年よりも若干遠い距離にゲートを確認して歯を食い縛って進む。高嶋さんがビデオ撮影しながら迎えてくれた。大矢さんと山下さんと一緒のゴール。右手が上がらないので、端っこにしてもらい痛みに耐えた100キロのゴールを迎えたその瞬間!僕の右側からサロマ湖でご一緒になる45さんが登場!4人が同タイムでのゴールとなった。45さんは野辺山初挑戦!完走記を読ませていただくと、後半はかなり不安な中で走られていた様子。それでも野辺山は素晴らしい!またサロマ湖で!

100キロ 13時間57分59秒 42分15秒

95キロからのラップタイムはズレていると思う。なので最後は48分くらいかな?メダルを掛けてもらいゴールして3人で記念撮影。笑っているつもりがわらえてない。ゴールでは相澤さんや理絵さんも迎えてくれた。相澤さんにはストップウォッチが止められず押してもらう始末(笑)
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痛みに耐えて良く頑張った!ゴールすると振動も伝わらないので、痛みからはやや解放されるが、果たしてこの後どうしよう。
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完走証を受け取ると野辺山の自己ベスト更新を確認。この状態で(笑)。ランナーズウエルネスの方に救護はどちら?と確認して体育館の中へ。とりあえず着替えずに向かうと、『レントゲン撮ってみないとわからないからとりあえず冷やしましょう。まずは着替えてまた戻ってきてください!』とのこと。
わかりましたと荷物を置き場で大きなバックと71キロのビニール袋を受け取り、テーブル近くを確保。右腕は肘から下が動かない。まずは汚れた服をなんとかしなくてはと、洗濯用の袋に頭のサングラスから投げ込んでいく。サングラス・塩で真っ白になったサンバイザー・いちごオレジャージ。ここまでは良かった。次に姿勢維持メッシュシャツがある。こちらはフィットしているので、左脇側から半分に織り上げて、左手を上から背中に回して掴んだ!それからなんとか引っ張り出して脱ぐことができた。
カラダを拭うことができないので、ナノタオルを濡らしてとにかく擦る!顔全体と腕、カラダの手の届く範囲だけ拭いていく。タイツはどうしよう。ジャケットを巻いて脱ぐのは困難と判断し、CEPだけを脱ぐことにトライ!これは片手では相当脱ぎ難い。なんとか力で脱いで新しい靴下に履き替える。着ることは難しくなかったので、タイツ以外は着替えることができた。途中でスポーツオキシーショットの亀渕さんの旦那さんが気付いてくれて声を掛けてくださった。転倒の事情を説明し、一旦荷物を預かってくれることに。その後救護室に向かい、三角巾で吊るして大量の氷でアイシング処置をしてもらい終了!
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亀渕さんの元へ向かい、残りの荷物を片付けたのが19時30分。家族に電話を入れる。その前に写真を送り『完走おめでとう~!どうしたの?ビニール首から巻いて?』という会話に(笑)。なんとか完走したことを伝えた。電車の時間は20時24分だったが、混雑していたら困るので早めに向かうことに。旦那さんが駅まで荷物を持ってくださいました。ありがとうございます。
野辺山駅は小淵沢経由のランナーで一杯だった。京都の宮路さんともレース中はお会いできなかったが、電車を待つ間にお話もできて良かったです。佐久平も混んでいると思いきや一緒にゴールした大矢さんと他に知り合いのランナーも含めて8人くらい。良かったこっちのルートで!
その後はスムーズに大宮まで帰ることができ、HANAのお迎えで帰路につく。しかしゴール後一切何も食べずに早4時間。『お腹すいた~!』しかし左手しか使えない。コンビニで麻婆豆腐丼を買ってもらいようやく口にすることができた。
帰宅してからもHANAの協力で要介護の扱いでお風呂で背中を流してもらったりと大迷惑を掛けた。本当にありがとう。

レースを振り返る

小江戸大江戸・富士五湖とクリアして挑んだ5回目の野辺山。やはり例年よりも脚はできていて、稲子湯までの登りは歩かずに走れた。心拍数も上がらずに逆に低いくらいだったので、体力のベースアップを感じた。
40キロまでほぼキロ7分に近いタイムだったので、その後はいつも通りにトイレ休憩としっかり補給をしながら進んでいこうと思った。
ドロップバックを71キロだけにしたことで、ウエストポーチにはたくさん詰め込んだが重さを感じることもなく、またいちごオレジャージのポケットもうまく使ってエネルギー補給ができた。

転倒の後は、痛みとの戦い。片手だけの補給にはフラスクが非常に役に立った。また山よりだんごも口で封を切ってからは取り出しやすくコンスタントな補給に繋がった。

『転倒後、止めようと思わなかったの?』の問いには、右手以外は元気だったこと。バンダナを使ってしっかりと冷やせているから問題ないだろうと。以前の武田の杜トレイルで足首を剥離骨折しながら残り3時間走るよりは、走れたので痛かったが止める気はなかった。打撲だろうと勘違いしていたことも、まあ良かったかな?(笑)
50キロで計画通り6時間前半で到着できた時点で、例年よりも時間の余裕があること。脚はしっかりしていることを確認し、ギリギリでのゴールを決めた。過去の経験があったからこそ諦めずにゴールを目指すことができたと思う。一方で、早くリタイアして病院に行った方がいいかな?とも正直考えたが、やはり完走しなくては!という気持ちの方が強かった。

後半は痛みからコンスタントな走りができなかったが、脚は残せていたので登りはキロ8~9分。下りと平坦は8分。馬越峠は11分と決めて時間を確認することができた。
もし転倒がなかったら?結果はどうなっていたのか?もう少しだけ速くゴールできたかもしれない。とりあえずラスト5キロ表示の誤りから野辺山ベスト更新となったが、いつもの時間にゴールできて良かった。

ウエアリングは暑くなることを想定していたが、3枚の重ね着はイメージ通り。前半は薄手のアームカバーもちょうど良かった。気温が夕方も下がって来なかったのと、腕が上がらない時点で着替えが不可能だった。特に姿勢維持は昔から愛用しているアシックスの肩バランスに変わるアイテムとしては重宝できそうだ。

レース全体としてやはり転倒ばかりに目がいってしまうが、2015年の3本目のウルトラを走りきることができて良かった。ゴール直後は柴又も走ろうと思っていたが、月曜日に病院でレントゲンを撮ってからは『全治5週間程度』ということで、ギブスで固まって痛みがなければ大丈夫かな?くらいで走る気でいた。正直少しくらい痛くても頑張ろうと思っていたが、周りに迷惑は掛けられないので柴又は見送り。コーチとして大会をサポートしたので、応援部隊として頑張ろうと決めた。
次のサロマ湖に向けては、レース後練習しないのはいつものスタイル。それでも右手が使えないことからバランスが悪い状態は直前まで続きそうなので、肘から上をしっかりと動かしたり、下半身の筋トレは怠らずに行っていこうと思っている。
現在野辺山から2週間経過しようというところ。まだ痛みがあるので、少しでも早くこの痛みがなくなるように、カルシウムをたくさん摂らなくちゃ!

野辺山を走られた皆さんお疲れさまでした!完走した方もできなかった方も、ぐれぐれも足元には十分ご注意ください!(笑)

たくさんの皆様にお声掛け頂きましてありがとうございます。喋るの大好きなので、今回躊躇した方は他の大会でもいいので、是非一声掛けてください!

これからもよろしくお願いします!ありがとうございました!

15野辺山ウルトラマラソン完走記~第1章~


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