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みちゆく読書・映画日記

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2008.08.16
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カテゴリ:小説
          

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「母さん、安心して。最後に一杯しかご飯がなかったら、弟に食べさせてあげる」隣人が隣人をおとしいれる文革の時代に、出会ったふたつの家族。男は、やさしい男の子をつれ、女は、つよい男の子をつれていた。ふたつの家族はひとつになり、ふたりは兄弟になった―。
欲望の限りをつくした弟は、報われずに死んだ兄の遺灰をもって宇宙へと旅立った。拝金に染まった現代中国をブラックユーモアで描く。

ノーベル賞に最も近いと言うから、内容は固くて社会的な内容かと思いきや、ちょっと下品風味。
本当にノーベル賞に近いのか?

主人公の父親は、公衆便所で女性のお尻を覗き肥だめに落ちて死に、主人公もお尻を覗いて捕まり、しかも見た内容を吹聴して特をする所から始まります。
しかしながら、文化革命は漠然としか知らなかったので、この物語の中の惨劇、虐殺等に驚きました!
地主と言うだけで、首からプラカードをかけ、中学生にまで殴られたり蹴られたり、つばを吐きかけられ、拷問を受け殺される。髪が長いだけで町中で見つかり、バリカンで刈られ、殺されてしまったり、父親が居ないのに娘が居ることで、娼婦と見なされ首からプラカードを下げ町中にたたされる。人ではないような残酷な扱いに、読んでいて気持ちが悪くなりました。
暴力に家財没収、なんだかひどい話です。
知識人も対象だったとネットにはあったけど、小説家や詩人は別というくくりもよくわからなかったのは、少し残念。まったく中国の歴史を知らない人間から見ると、よくわからないこともありましたが、ショッキングなことには違いがなかったです。

日本に対する話も、ちょっと気になった。日本から中古で買い取ったスーツの苗字が、著名人だと喜んでいたり、反日デモの時には「おくれを取っちゃいけない」みたいな感じで参加していくさまが、流されやすい人たちに思えた。
中国人は、一人一人はそうでもないのに、集団だと怖い気がする。。
まあ、あくまでこれは小説だけど、反日デモの中国人のインタビューをかも見ての感想。

あまりに李光頭が破天荒&下品すぎて、その分兄の宋鋼が可哀想すぎた。
読後感は良くないし、中国の様子に興味がなかったら、読み切れなかったかも。

自己評価★★★☆

兄弟(上(文革篇))
著者: 余華 /泉京鹿
出版社: 文藝春秋
サイズ: 単行本
ページ数: 445p
発行年月: 2008年06月

北京五輪開幕直前に、いま中国でもっとも人気のある作家の長篇文学が刊行されます。張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『活きる』は、1994年カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を獲得し、世界的にヒットしました。原作作家である余華は、いまでは莫言(モー・イェン)と並んでノーベル文学賞の選考関係者が中国で必ず面会する作家。
本書『兄弟』は、その彼の10年ぶりの長篇小説であり、中国で100万部を突破する大ベストセラー。間違いなく彼の代表作の1つです。
血のつながらない兄弟の強い絆と運命を中心に据えて、中国の共産主義の夢と残酷さに満ちた文革時代から、金にまみれた改革開放後の現代という激動の40年を描ききった大河小説は、ブラックユーモアの利いたスピード感のある文体で読みやすい作品に仕上がっています。
要所で出てくる庶民の日本に対する複雑な思いも読みどころ。(文藝春秋)










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Last updated  2008.08.16 22:57:50
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