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2023.03.14
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読レポ第893号

改訂版アサーション・トレニンーグ

さわやかな〈自己表現〉のために

著:平木典子

発行:㈱日本・精神技術研究所

第3章考え方をアサーティブする。

2,非合理的思い込みとは(3/7)

b、人は完全を期すべきで、失敗をしてはならい

 これは、問題2と7に関わる思い込みです。そして、この思い込みは、人間の「失敗恐怖」から生じます。つまり、失敗をして𠮟られたとか、失敗したので少し遠回りをしたといった体験があって、それがいかにも重大事件のように思い込んだ結果つくられたものです。よく考えてみると、そのことが文字道り致命的ということはほとんどないはずです。にも関わらず、この考え方をしている人は、いつもものごとはきちんとしていなければならず、人は常に、最大限を発揮し、適切に行動し、良い成績を上げなければ認めてもらえないと思っています。したがって、失敗した自分、失敗した相手を責めます。責められるのは嫌なので、ますます完全癖になっていくのです。

 もちろん、人の命に関わるようになることに関しては失敗はできませんが、それ以外のことも同じように考えてしまうのです。テニスをするには上手でなければなければならないから、上手にできそうにないので止める、つまり楽しみのテニスはできなくなります。職場では成績を上げ、上司に認められなくてはならないから、夜遅くまでがんばるだけだと自分のアイデアや工夫で楽しむ働きはできなくなります。人への配慮は行きとどいていなければならないとなると、ちょっと不注意や見逃しをいちいち気にすることになります。そして、そのことで相手には気もつかないことであったり、たとえ気づいても取るに足らないことであったりするのですが、一人で重大事件のように悩むのです。実際、配慮はありがたいものですが、それがありすぎると、相手の依存性を高め、相手の自立を妨げます。適切で、有能であることにこだわっていると、自分がたんに失敗を怖れているだけではなくなり、相手にまで悪影響を与えることになります。完璧に練られていない意見は言ってはならないことになり、ディスカッションを妨げたり、不完全なことにはいちいち言いわけをして時間を取ったり、批判や悪影響を怖れて分かりにくい言い方をして迷惑をかけたりします。

 青々とした芝生を見て「綺麗だね」といい気持ちになる人と、「あそこに一本雑草がある」というひとでは、どちらが幸せだと思いますか。

 失敗を少なくし、なるべくよい成績を出そうとすることは望ましいことです。しかし、常にそうならなければならないことはなく、自分のできることをする、それを自分のしたことと評価していいのです。完璧だけが人の評価を決めるわけではなく、やりたいことをやり、できたことを喜ぶ心をもちたいものです。

 この思い込みは「失敗し、そのことに責任を取る権利」とも深い関係がありますが、この思い込みをもっている人は、もう一度「アサーション権」のところを読み返してみましょう。

と著者は述べています。

 確かに「人は完全を期すべきで、失敗をしてはならない」との思いが強くでて、例で言っている「テニスをするには上手でなければなければならないから、上手にできそうにないので止める、つまり楽しみのテニスはできなくなります」し、「職場では成績を上げ、上司に認められなくてはならないから、夜遅くまでがんばるだけだと自分のアイデアや工夫で楽しむ働きはできなくなります」といいうことになりになります。

 特に日本は仕事は、楽しみながらやると言う考えが薄いです。我慢して、やることを求められることが多いです。

 せっかくの有限の人生を楽しむことができなくなります。もったいないです。もっと、仕事も楽しみながらやると、新しい物のアイディアが生まれやすくなります。我慢して言われ事だけする仕事には、新しものは生まれないです。
 互いに人権を尊重した社会にして、新しい物のアイディアを生まないといけません。それには、お互いに人権を尊重したさわやかな自己表現をする事です。

 





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Last updated  2023.03.14 12:00:25
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