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カテゴリ:心理学 メンタル 悩み、読書
読レポ第2023 カール・ロジャーズ ~カウセリングの原点~ 著:諸富祥彦 第5章 ロジャーズのカウセリング/心理療法 では、共感的理解とは、具体的にはどうすることなのか。クライアントの言わんとしていることの意味(エッセンス)を、クライアントのこころの「内側」に立って、クライアント自身になりきったかのうような姿勢で、パッとつかんで、的確に伝え返していく。その理解が正しいかどうかをクライアント自身に確かめてもらい、微妙なニュアンスに至るまでぴったりくる表現を探していく。クライアントからしてみれば、カウンセラーは、自分の言わんとしていることの意味(エッセンス)のみをつかんで(余計なところは捨象して)映し出してくれる「優れものの鏡」である。「自分がほんとうに言いたいことのエッセンスを自分以上にわかってくれて、表現してくれる存在」である。 違う言い方をしてみよう。共感的理解とは、クライアントの私的な世界を、その微妙なニュアンスに至るまで、あたかもその人自身になりきったかのような姿勢で感じ取り、そこで感じ捕ったことをていねいに相手に「伝え返していく」(リフレクション)ことである。ここで重要なのは、「あたかも」という性質を見失わないようにすることである。これを見失ってしまうと、クライアントとの間に必要な心理的距離を失い、相手を受け止められなくなってしまう。 実践的には、クライアントがまさに言わんとしているその「感じ」の「エッセンス」を、「あなたのおっしゃていることは……ということでしょうか」と、クライアントの感じているまさにその次元に踏みとどまりながら、ていねいに、ていねいに、クライアント自身の側に身を置きつつ、「確かめつつ、確かめつつ、暗闇の中をともに歩んでいくような姿勢」のことである。 このような共感的理解では、クライアントに、こちらはこのように理解していますがそれでよろしいでしょうか、それはあなたの感じている意味合いとニュアンスが異なっていたら微修正してもらいながら、よりぴったりしっくる理解に少しずつ接近していく。そのな営みである。 ロジャーズも1970年代半ば、ロジャーズが70歳を超えた頃、「現実点の定義」とした上で、「現在、私は満足できる共感の定義を試みたいと思います。今でもそれを「共感という状態」(state)と定義しません。それはプロセス(process)であって状態ではないと思うからです」(Rogers,1975)と述べている。と著者は述べています。 確かに共感的理解には、カウンセラーが「自分(クライアント)がほんとうに言いたいことのエッセンスを自分以上にわかってくれて、表現してくれる存在」であることの姿勢が大事で、クライアントの表現したことを、丁寧に確かめて、微調整・修正していきクライアントの「優れた鏡」になることが共感的理解になっていく。カウンセラーは、自分の感情や考えなどを横に置くことで、クライアントへの共感的理解に近づくと私は思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.03.23 19:43:11
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