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2024.03.27
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読レポ第2027

カール・ロジャーズ

~カウセリングの原点~

著:諸富祥彦
発行:㈱KADOKWA

第5章 ロジャーズのカウセリング/心理療法
 一致2/3

 また「必要十分条件」の論文の4年後に書かれ、「オン・ピカミング・ア・パーソン」第18章に収録されたある論文(Rogers,1961c)では、こう説明されている。

 一致とは、体験していることと意識していることが正確に合致していることを示すために用いられる用語である。さらにそれを、体験と意識及びコミュニケーションが合致している、という意味に広げていいかもしれない。おそらくその最もシンプルな例は、幼児にみることができるだろう。幼児が生理的かつ内臓感覚的なレベルで空腹を体験する時には、その意識は体験に合致しており、さらにそのコミュニケーションも体験と一致しているその子は空腹で満たされていない。そのことはどのレベルにおいても真実である。この子はこの瞬間、空腹であるという現実の中に統合され、統一されている。この子がおなかいっぱいで満たされている時も、この子は内臓感覚的なレベルでも意識的なレベルでも、またコミュニケーションのレベルでも、同様に統一された一致の状態にある。ほとんどの人が幼児に反応する一つの理由は、おそらく幼児が純粋で統合されており一致しているからである。

 「一致」の説明をすると、なんだか難しい、高級なことのように受け取られる方が少なくない。しかし、幼児でもおもなっているとわかれば、そんな難しいことではないとわかるだろう。「一致」とは、「リアルであるころ(bejng real ビイジグ ウェール=本物である)」(Rogers & Russell,2002)と、さらっと説明されることもある。

 「一致」とは、何と何の一致か。「意識」と、私たちの内側で進行している「内臓感覚的体験」との「一致」である

 内側で進行している「内臓感覚的体験」に意識が向けられており、それに気づいている。そして必要であれば、それを伝えることもできる。コミュニケーションすることもできる。これが、「一致」である。

と著者は述べています。

 確かに「一致」とは、幼児で考えると、幼児が生理的かつ内臓感覚的なレベルで空腹を体験する時にその意識は体験に合致しており、さらにそのコミュニケーションも体験と一致している、例を想像すれば、「一致」が理解しやすい。
 人の「一致」とは、「意識」と、私たちの内側で進行している「内臓感覚的体験」との「一致」であり、内側で進行している「内臓感覚的体験」に意識が向けられており、それに気づいていて、クライアントが気づいていたときは、時には伝えることも必要だと私は思う





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Last updated  2024.03.27 08:43:53
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