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遊心六中記

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2022.03.07
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カテゴリ:観照 & 探訪
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JR京都線の山崎駅で降り、改札を出て左方向に歩むと、
                
この「大山崎山荘」の案内板が設置されています。ここが、山崎駅と大山崎山荘間のシャトルバス発着所になっています。高齢者優先の無料送迎バスが運行されています。傍にバスの運行時刻表が掲示してあります。往路はタイミングが合いましたので便乗しました。

          

琅玕洞(ろうかんどう)」と刻された石額を埋め込んだ小さなトンネル大山崎山荘の入口です。
 トンネルを抜けて振り返った景色

先日、藤田令伊著『企画展がなくても楽しめるすごい美術館』(ベスト新書)を読みました。日本に1000を越える美術館があるそうですが、その中から著者が90に絞り込み紹介しているヴィジュアル新書です。「第4章 建築や庭が見事な美術館」に12館の紹介があり、そこに「アサヒビール大山崎山荘美術館」が取り上げられていました。
かなり以前に一度この美術館での企画展を見にきた記憶があるのですが、建物や庭については、掲載写真で何となく・・・・という程度でした。そこで改めて訪ねてみようと動機づけられました。ホームページにアクセスして、「みうらじゅんマイ遺品展」の終了間近と知ったことは前回ふれました。
そこで、これを機会にこの山荘美術館と庭そのものを意識的に眺めてきました
美術館の建物と庭を探訪するという側面で、少し整理して覚書を兼ねてご紹介します。
  入口からも坂道が続きます。
 
トンネルから少し先に、「施設案内」が設置されています。これはその部分図。
大山崎山荘の全体図として利用させていただきます。色丸3つは私の追記です。
 
坂道の途中、庭にこの石の道標が立ててあります。「右 天王山」、「左」は判読できませんでした。
  
坂道の左側の斜面に、ここは山荘の敷地内と思いますが建物が見えます。
 
坂道の左側に朝鮮形の石灯籠が置かれています。(資料1)
  
左側の先には、左の家屋が見えます。坂道の右側斜面には「美術館」への案内標識があり、坂道沿いに進むよう誘導しています。
 振り返えった景色
 
南方向を見下ろせる展望が開け、淀川の流れの対岸にビルが遠望できます。
大山崎は、天王山と男山に挟まれた狭い平地で、木津川、宇治川、桂川が合流し淀川となる地点。交通の要衝地です。
羽柴秀吉と明智光秀が、天下分け目の天王山、山崎の戦いを行い、雌雄を決した史上有名なところです。
 
ここは天王山の一角、南麓です。中腹とまでは言えませんがかなりの高みです。
 
緩やかな円弧を描く坂道の先に、「レストハウス」があります。
1階は無料休憩所として開放されています。ここに無料のコインロッカーが設置されています。
(大きな荷物は美術館内には持ち込み禁止です。)
 
これは、チューダーゴシック様式で建てられた旧車庫だそうです。
 
レストハウスを通り過ぎてから眺めた南側方向の景色です。上ってきた坂道の右側には弧状に生垣が続き、その東側に芝生の広場があります。
 ゆったりとした道幅の緩やかな坂道を上ります。車で山荘入口まで行くことを前提にした坂道の広さです。
 
坂道の右側に庭園への道が東方向に延びています。
    
      先の方に見える物体を、デジカメのズーム機能で撮ってみました。
      後ほど、庭を巡ったときに触れたいと思います。

 
先に見えるのは「流水門」
     
ここには「かつては車のタイヤについた泥を落とすため、水が流れていました」とのこと。
山荘への中門という感じですね。このあたり、カエデの木がたくさん植えられているそうです。
晩秋の景色がよさそう。

 
              
                       流水門を入った右側の景色
 
道の左側に目を転じますと、生い茂る樹木の先に、宝積寺の三重塔の姿が見えます。
門内は大山崎山荘の入口までのアプローチであり、前庭です。
 
まず、目に飛び込んでくるのがこの「橡の木(とちのき)茶屋」(非公開)です。
立礼式の茶室だそうです。
 
この建物、平屋建てに見えますが、斜面に建てられた二階建てです。傍に石段道があり、1階を見ながら、庭園に下っていく小径につながります。
 
茶室ですので、傍にこのが設けてあります。
      
茶室のすぐ傍に、庭の中央に大きなアラカシの木が植えられています。この木の反対側に周り、そこから茶室を眺めた景色です。
 
蹲の先には斜面の際に生垣が境界となっています。その先に見えるのは、「地中の宝石箱」(地中館)へのウィングです。本館から南方向へ2階の高さに相当する通路が延びているのです。この通路から、地中に埋め込まれた構造の円柱形ギャラリー「地中の宝石箱」に降りて行くことになります。安藤忠雄氏の設計です。
「地中の宝石箱」には、クロード・モネの<睡蓮>連作が常設展示されています。

今回、この展示室に入ったときには、モネの睡蓮3点の他にセザンヌの絵、小品2点が展示されていました。(本館の鑑賞者が多いわりには、ここに来る人は少なかった。私がしばらく眺めている間の来訪者は数名だけ。逆に良かった!)

さて、流水門の所に戻って、この前庭の反対側を眺めて行きましょう。
 
先にご紹介した施設案内図に、「みうらじゅんマイ遺品展」で入手した順路図を少し画像処理してみた建物のレイアウト図を追加します。両図に青丸を付けたあたりに、上記の茶室があります。
つまり、前庭の反対側というのは、この図で言えば青丸の左斜め上一帯ということになります。
 
ぼんやりと三重塔の姿を見た続きには、小川に架かる土橋の向こうに建仁寺垣と枝折戸が見えます。
残念ながら、枝折戸には通り抜け禁止の掲示が見えます。
 
             
樹木の向こう側に、庭があるのでしょうね。
細い竹に囲まれるようにして、濡鷺形の石灯籠が垣間見えます。(資料1)
 
                 
小川というより、谷川と呼ぶ方がふさわしいのかもしれません。
天王山の自然の谷川の流れを庭に取り込んだのか、庭に谷川風に小川を設けたのか、定かではありませんが・・・・。
 
さらに先にはこんな景色がつづきます。
 
樹間越しに眺めると、少し高い位置に建物が見えます。
 
この門の姿と風情から考えると茶室だと想像しました。
当日購入した『アサヒビール大山崎山荘美術館 ガイドブック』を参照すると、「彩月庵」と称する茶室のようです。
「山荘から山手側、睡蓮池そばの木立の中に位置しています。当時は、池の敷石を渡り茶室に入りました。持仏堂としても使われていました。」(資料2)とのこと。(登録有形文化財)

この門の近くまで行くと、右側(東)に、大山崎山荘の本館が見えます。
 
この大山崎山荘は、関西の実業家・加賀正太郎(1888-1954)の別荘として、大正から昭和にかけて、すべて本人の設計により建設されたそうです。
加賀正太郎は、日本山岳会に入会するなど登山を趣味とし、スイスの名峰ユングフラウに日本人として初めて登頂した人だとか。
大学卒業後、家業を再開。証券仲買業、山林経営など多くの事業に取り組んでいます。大日本果汁(ニッカウヰスキー株式会社の前身)設立において出資もしています。亡くなる直前に、深い親交があった朝日麦酒(現アサヒビール株式会社)社長の山本為三郎にニッカウヰスキーの株式を譲渡したそうです。この山荘が加賀家の手を離れ、幾度かの転売をへて、老朽化が進んだことから、取り壊しと大規模マンション建設計画が持ち上がったと言います。それに対し地元の有志の方を中心に保存運動が起こりました。
「京都府や大山崎町から養成を受けたアサヒビール株式会社が、行政と連携をとりながら、山荘を復元し美術館として公開することになります。現在のアサヒビール大山崎山荘美術館は、1996年(平成8年)に開館しました。」(資料2)
加賀正太郎と山本為三郎の親交と株式譲渡がこの美術館誕生の淵源になるようです。
大山崎山荘美術館の内部は撮影禁止でした。次回はこの山荘の外観を眺めていきます。

つづく

参照資料
* 当日入手したリーフレットと館内順路案内図
1)『和の庭図案集』 design book  建築資料研究社
2)『アサヒビール大山崎山荘美術館 ガイドブック』アサヒビール大山崎山荘美術館

補遺
朝鮮燈籠​ :「京都府造園協同組合」
高麗型朝鮮灯籠​  :「マイベストプロ」(神戸新聞社)
濡鷺型灯籠​ :「いずみストーンワールド」
中庭の濡鷺型燈籠​  :「奈良の宿 料理旅館大正楼」
立礼式 (読み)りゅうれいしき​ :「コトバンク」
立礼のお点前【裏千家 茶道】​ YouTube
加賀正太郎​ :ウィキペディア
HISTORY ​  :「アサヒビール大山崎山荘美術館」
山本爲三郎コレクション​ :「アサヒビール大山崎山荘美術館」
山本為三郎​ :ウィキペディア

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Last updated  2022.03.10 21:42:16
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