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遊心六中記

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2023.01.24
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カテゴリ:観照
=== 2023.1.14 ===

10時45分頃に撮った南の空です。
南西方向の空 
         この日は雨でした。

=== 2023.1.15 ===
 
          9時過ぎに撮った南の空です。
南西方向の空 
 西方向の空 
 東方向の空
どの方向も、空一面にどんよりした雲がかかっています。

 
14時過ぎの南の空ですが、変わらずグレーの雲が空を覆っています。
南西方向の空 
 西方向の空  
    
    遠くの西の空には、少し青空が見えました。
     夾雑物が多いのでズームアップして空の一部を切り取ったかたちですが・・・・・。
 東方向の空
朝に見られた一部の白雲はもう消えていました。

この日はたしか一日曇り空でした。曇り空の雲の姿もやはり変化しつづけています。

さて、雲がたりです。
『新古今和歌集』から抽出した「雲」を詠み込んだ歌の数が多いので、通読してほぼ歌意が読み取れそうな歌ははぶきます。語彙がわかりづらいものや、工夫のある歌、興味深い歌などに焦点をあてて、私の覚書を兼ねてご紹介していきたいと思います。二書を参照資料としつつ、理解できた範囲で歌意をまとめていきたい所存です。おつきあいください。(理解不足が多々あるかもしれません。ご寛恕ください)

 霞立つすゑのまつやまほのぼのと波にはなるるよこぐもの空  藤原家隆朝臣 37

この歌、『古今和歌集』(以下、古今)の第1093首(以下、数字のみ)の「君をおきてあだし心を我がもたば末の松山波を越えなむ」を本歌とするそうです。「すゑ(末)の松山」は陸前国宮城郡の枕詞。
(末の松山にはほのぼのと霞が立ち、波間を見るとほのぼのと横雲が波から離れようとしているよ。)

 春の夜の夢のうき橋とだえして峯にわかるるよこぐもの空  藤原定家朝臣 38

「風吹けば峰に別るる白雲の絶えてつれなき君が心か」(古今・601・壬生忠岑)を本歌とし、夢の浮橋は源氏物語の巻名からの連想によるものとか。夢を浮橋に喩えているそうです。「とだえして」はと切れての意味なので、「わかるる」とは縁語。
(春の夜の夢が途切れてしまった。目を覚まして山を眺めると、横雲が峰を離れて動き出そうとしている。)

 葛城や高間のさくら咲きにけり立田のおくにかかるしら雲  寂蓮法師 87

「桜花咲きにけらしなあしびきの山のかひより見ゆる白雲」(古今・59・紀貫之)を本歌とするとか。
(葛城連山の高間山に桜の花が咲いたようだ。立田山の奥にかかる白雲も桜の花なのかな)

 白雲のたつたの山の八重ざくらいづれを花とわきて折らまし  道命法師 90

「雪ふれば木ごとに花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきてをらまし」(古今・337・紀友則)を本歌とするとか。「わきて」は区別しての意。
(白雲がかかる立田山の八重桜、白雲と桜を区別して折ることができたのであろうか)

 白雲の春はかさねてたつた山をぐらのみねに花にほふらし  藤原定家朝臣 91

「白雲の立田の山の滝の上のをぐらの嶺に咲きををる桜の花は山高み・・・」(万葉・1747・高橋虫麻呂)が本歌だとか。
(春は他の季節とは違い、白雲と桜の雲が重なって山にかかっているよ。立田山の小倉の峰に花が咲き匂っていることだろうな)

 岩根ふみかさなる山を分けすてて花もいくへのあとのしら雲  藤原雅経 93

「石根(いわね)踏み隔(へな)れる山はあらねどもあはぬ日まねみ恋ひわたるかも」(万葉・2422)が本歌だとか。「分けすてて」は踏み分けてすすむの意。
(岩を踏み、幾重にも重なる山を踏み分けてきた。来し方をふりかえれば、花と白雲が幾重にも重なって見えることよ)

 さくら花夢かうつつか白雲のたえてつねなきみねの春かぜ  藤原家隆朝臣 139

この歌は本歌が「世の中は夢かうつつかうつつとも夢ともしらず有りて無ければ」(古今・942・よみ人知らず)と「風吹けば峰に別るる白雲のたえてつれなき君が心か」(古今・601・壬生忠岑)の2つだとか。「た(絶)えて」は消えたという意。
(桜花と見たのは夢なのかうつつなのか。白雲が消えて今はなく峰には無常な春風が吹いている) 

 花さそふなごりを雲に吹きとめてしばしはにほへ春の山風  藤原雅経 145

「花さそうふなごり」は花を散らした後の残りの風の意。「雲に吹きとめて」は雲に吹きとどめての意。
(桜の花を散らした後の残りの風をしばらくは雲に吹きとどめ、花の香を匂わせておくれ。春の山風よ)

巻第一、巻第二の18首から8首をとりあげました。桜の咲いた状態を花雲に見立て、白雲と重ねて詠む歌の技巧がかなり使われていることを知りました。

雲の変化に戻ります。

=== 2023.1.16 ===
 
9時50分頃に撮った南の空です。
南西方向の空 
 西方向の空 
 東方向の空
この日もまた、曇り空で一日が始まりました。
南から西にかけての空と比べると、東方向の空にはグレーを基調にしながらも白雲が稜線の上に漂っています。

もう少し、新古今を続けます。巻第三です。

 卯の花のむらむら咲ける垣根をば雲間の月のかげかとぞ見る  白河院御歌 180

この歌は、堀川百首にある「卯の花のしららに咲ける夕ぐれは賤しが垣根ぞ月夜なりける」が本歌だとか。卯の花はウツギの花で初夏に白い花が咲くそうです。それで「しららに」と詠まれているのでしょう。それに対して、「むらむら咲ける」は群をなしてところどころに咲いているの意。
(卯の花が垣根のあちこちに群がって咲いている。雲の間から洩れる月の光かと思ってしままうよ)

 ひとこゑはおもひぞあへぬ郭公たそがれどきの雲のまよひに 八條院高倉 208

「ひとこゑは」は一声だけではの意。「おもひぞあへぬ」は、はっきり郭公だと思うことができないの意。「雲のまよひに」は雲にまぎれての意。
(一声だけでははっきり郭公だと思えない。たそがれどきの雲にまぎれて姿も見えないし.....)

 聲はして雲路にむせぶほととぎす涙やそそぐ宵のむらさめ  式子内親王 215

「声はして涙は見えぬ郭公わが衣手のひづをからなむ」(古今・149・よみ人しらず)が本歌。「ひづ」はひどく濡れる意。「雲路にむせぶ」は郭公が悲しげに鳴きながら雲の道を通るの意。「むらさめ(村雨)」は古語辞典によれば、「時々思い出したようにぱらぱら降り過ぎ、やんだかと思うとまた一しきり降る雨。秋から冬へかけてよく降る」
(悲しげに鳴き雲路を行く声が聞こえた。今、鳴いた郭公の涙なのだろうか、日が沈んだ今、村雨が降り出したわ・・・・)

 いかばかり田子の裳裾もそぼつらむ雲間も見えぬ頃の五月雨  伊勢大輔 227

「いかばかり」はどんなにかの意。「田子」は農夫の意。「そぼつ」はひどく濡れるの意。
五月雨のもとでの田植の時季を詠んだ歌。
(どれほどひどく、田植えをする農夫たちは濡れていることでしょう。雲の切れ間も見えず五月雨の降るなかで)

 雲まよふ夕べに秋をこめながら風もほに出でぬ萩のうへかな  前大僧正慈円 278

「雲まよふ」は雲が乱れ動くの意。「秋をこめながら」は秋らしい景色をこめつつの意。「風もほに出でぬ」は風もまだ秋風らしい様子をみせないの意。「ほに出でぬ」は「萩」にもかかります。
(雲が乱れ動く夕空に秋の気配を感じるが、風にはまだ秋風らしさがなく、まだ穂を出していない萩の上を吹きすぎていくよ)

抽出した15首のうち、5首を拾い、歌意を私流にまとめてみました。

さて、雲の変化に戻ります。
16日には、14時50分ごろにもう一度空を眺めました。

南の空には青空が見え、軽やかな感じの白雲が漂っています。
 南東方向の空

東の方向の空もまた青空に。稜線の上に白雲がたなびいています。
稜線のすぐ上空は雲が厚く、さらにその上には青空を挟んでやわらかい雲がたなびいていました。
         
       西方向の空は雲が少なく、青空です。

やはり、グレーの雲より白雲の方が、気分は晴れやかになりますね。

つづく

参照資料
*『新訂 新古今和歌集』 佐左木信綱校訂 岩波文庫
*『新古今和歌集』 日本古典文学大系28  岩波書店
*『新古今和歌集』 上・下 久保田淳訳註 角川ソフィア文庫
*『古今和歌集』 窪田章一郎校注 角川ソフィア文庫
*『新訂 新訓万葉集』 上・下 佐佐木信綱編 岩波文庫

補遺
ウツギ​   :「みんなの趣味の園芸」
空木 (うつぎ)​ :「季節の花 300」
ハギ(萩)​ :「みんなの趣味の園芸」
萩市の公園で ハギの花が見頃​  :「NHK」
萩 (はぎ)​   :「季節の花 300」

  ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

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Last updated  2023.01.24 17:19:31
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