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カテゴリ:観照
=== 2023.5.21 ===
南の空 9時35分頃に撮りました。日曜日、朝から晴れています。 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 南から西方向の空はほぼ快晴ですが、 東方向の稜線上空には雲がたなびいています。 13時35分頃に眺めると東方向の空は青空が少し広がっていますが、雲がそのまま張り出しています。 南の空 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 雲が少し広がってきています。 16時40分頃に南の空を眺めると、雲は浮かんでいますが、青空の色がよりはっきりと見えます。 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 雲は変化しています。 東方向の空は雲がかなり去り行き、青空が広がっていました。 === 2023.5.22 === 南の空 8時35分頃に空を眺めると、朝から少しくもりぎみです。 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 青空が見えてはいますが・・・・、スッキリという感じではありません。 東方向の稜線上は、ご覧の通り。 東方向の空 16時35分頃に撮りました。空模様はあまり変化が見られない状態です。 南の空 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 濃い灰色の雲が張り出してきています。 この後、夕刻から雨になりました。 さて、前回のつづきとしての雲がたりをいたします。 西行法師の『山家集』(日本古典文学大系29、岩波書店)を参照して続けます。 全三冊のうちの「上 夏」からです。「夏」の部には、2首だけ詠まれています。 雨中郭公 五月雨(さみだれ)の晴間も見えぬ雲路より山ほとゝぎす鳴きてすぐなり 198 [付記] 雲路より:空に すぐ:通り過ぎる 雲雀(ひばり)あがる大野の茅原(ちはら)夏くれば涼む木陰をたづねてぞ行 238 [付記] 茅原:ちがやの生えた原 ご覧の通り、「雲路」「雲雀」という語彙に「雲」が入っている形です。 「上 秋」には、次のとおり、けっこう「雲」を詠み込んだ歌が収録されていました。 天の原月たけのぼる雲路をばわきても風の吹きはらはなん 307 [付記] たけ⇒たく(闌く):十分にになる。盛りとなる。 わきても:中でも殊に。とりわけ。 吹きはらはなん:吹き払ってほしい いかばかり嬉しからまし秋の夜の月すむ空に雲なかりせば 310 明くるまで宵より空に雲なくてまたこそかゝる月見ざりつれ 315 [付記] またこそかゝる月見ざりつれ:このように終夜雲もなくて 皎々たる月はいまだかつてみたことがないよ。 海邊月 清見潟(きよみがた)月澄む空のうき雲は富士の高嶺の煙成(なり)けり 319 [付記] 清見潟:静岡県興津の海。 池に澄む月にかゝれる浮雲は払ひ残せる水錆(みさび)なりけり 322 [付記] 水錆:水面に浮かぶサビのようなもの。 月前遠望 隈(くま)もなき月の光にさそはれて幾雲居までゆく心そも 327 [付記] 隈:くもり。かげり。 幾雲意まで:はるかな空の彼方まで。 秋はたゞ今宵ひと夜の名なりけりおなじ雲ゐに月は澄めども 334 くもれる十五夜を 月見れば影なく雲につゝまれて今宵ならずば闇に見えまし 336 [付記] 今宵ならずば:満月の今宵でなかったら。 闇にみえまし:すっかりまっくらに見えることだろう。 待ち出でて隈なきよひの月みれば雲ぞ心にまづかゝりける 338 [付記] 雲ぞ心にまづかゝりける:やがて雲が出て来はしないかと、 先に立って気になるのであった。 秋風や天つ雲ゐをはらふらん更けゆくまゝに月のさやけき 339 [付記] まゝに:につれて。と共に。 さやけし:明るくてすがすがしい。 なかなかに時々雲のかゝるこそ月をもてなすかざり成けり 361 [付記] なかなかに:かえって 月をもてなす飾り:月に趣を添える飾り 雲はるゝ嵐のおとは松にあれや月もみどりの色に映えつゝ 362 隈もなき月のおもてにとぶ雁の影を雲かとまがへつる哉 366 雲も見ゆ風も更(ふ)くれば荒らくなるのどかなりつる月の光を 368 [付記] 更くれば:夜が更けてくると うき雲の月の面(おもて)にかゝれども疾(はや)く過ぐるは嬉しかりけり 371 [付記」 うき雲:「浮雲」に「憂き雲」がかけられている。 過ぎやらで月近くゆくうき雲のたゞよふ見るは侘(わび)しかりけり 372 [付記] 過ぎやらで:通り過ぎてしまわずに。 厭(いと)へどもさすがに雲のうち散りて月のあたりを離れざりけり 373 [付記] 厭ふ:いやだと思う。 さすがに:にもかかわらずやはり。 雲はらふ嵐に月のみがゝれて光えて澄む秋の空かな 374 [付記] 光えて澄む:月の光がますますかがやきを加えて明るく澄み切る。 九月十三夜 雲きえし秋のなかばの空よりも月は今宵ぞ名におへりける 380 [付記] 雲きえし:一片の雲も名残りなく消え去ってよく晴れた。 秋の半ばの空:仲秋、八月十五夜の空。 今宵:九月十三夜。 名におへりける:有名になっている。 月照瀧 雲きゆる那智の高嶺に月たけて光をぬける瀧のしら絲 382 [付記] 那智:和歌山県那智山 月たけて:月が天心に高くのぼって。 光をぬける瀧のしら糸:月光を宿した水玉を白糸に貫く様に、 滝水が筋をなして流れ落ちている。 久待月 出でながら雲に隠るゝ月かげを重ねて待つや二村の山 383 [付記] 「二村山は三河なり。尾張丹後にもあり。山の名賞玩なり」 (山河集抄) 雲間待月 秋の夜のいざよふ山の端(は)のみかは雲の絶間(たえま)も待たれやはせぬ 384 [付記] いさよふ:(後世は「いざよふ」)進もうとしても進めず、 止まろうとしても止まれずに、ためらう。 やはせぬ:・・・シナイノカネ。・・・スレバヨイノニ。・・・シロヨ。 朝聞雁 よこ雲の風にわかるゝしのゝめに山とび越ゆる初雁のこえ 420 [付記] よこ雲の風にわかるゝ:横に長くたなびいてる雲が風に吹かれ 山の端から離れる。 しののめ:明け方。夜明けのほのかに明るくなるころ。 雁聲遠近 しら雲を翅にかけてゆく雁の門田の面(おも)の友慕ふなり 422 [付記] しら雲を翅にかけてゆく雁:白雲に羽を交えるほど空高く飛ぶ雁。 門田の面の友:門前の田のほとりにいる雁 この「秋の部」には、24首が収録されています。 雲路、雲、うき雲(浮雲)、雲居(雲ゐ)、よこ雲、しら雲と、語彙の使い方もバリエーションがみられます。 さて、雲の変化に戻ります。 === 2023.5.23 === 南の空 昨夕からの雨は深夜にも降ったようです。ベランダの物干し竿には雨滴が連なっています。8時45分頃に外を眺めると、雨は止んでいました。濡れたサンダルを拭って、三方向の空を撮りました。 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 灰色雲が張り出しているものの、ちょっと青空を垣間見せる切れ目があります。 東方向の空 東方向の空 15時10分頃に撮った空。灰色の雲は流れ去り、稜線上空には青空の下に白雲が浮かんでいます。 南の空 東方向の空よりも濃い青空が見え、ちぎれ雲が浮かんでいます。 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 17時15分頃に撮った南の空です。青空のトーンがまた変化しています。 南西方向の空 西方向の空 頭上の空 雲の変化がおもしろい。まさに、雲変化の一日でした。 日が長くなってきました。 夕刻迫る頃に、東の稜線上空は快晴状態です。 稜線上空でそう頻繁には見られない空景色です。やはり蒼空は気持ちがいいですね。 つづく こちらもご覧いただけるとうれしいです。 ベランダから見た雲の変化と雲がたり 掲載記事一覧表 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.05.28 15:46:12
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