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カテゴリ:ミュータント・ウオーズ
ミュータント・ウオーズ(超人類戦記)第6回
(1978年作品) 第一章 激 怒 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ (■30年前の小説ですので、設定がその時代です。) 一瞬、目の前の光景が一変した。 ジャングルの原色が、家々の家が消え去か、ただ深紅 一色の世界となる。 目に見えない力が人々をとらえ、一つの異 世界へと導くようだった。狂暴な精神のエネ ルギーが吹きあれ、人々を狂気へとかりたて た。 修羅の世界であった。 人々は武器を用いて、また武器を持たざる 者はおのが四肢を用いて生きとし生きける者を 殺戮しようとしていた。 老いも若きも、男も女も、カンボジア兵も、ベト十ムの村民も、 一つの意志にとりつかれていた。自分の側の 生物を屠るという強い意志であった。 竜もまたその異世界へと投げこまれていた。 彼は自らの持てる殺人技能を駆使し、骨を砕き 、肉をえぐった。手が、足が血にそまってい た。返り血が体じゅうを広がりおおいていく。 一瞬の血の生臭さが、竜をもとの世界へ立 ちもどらせた。 彼ば殺人の場にかいては、生き生きと自分を取り戻す 。殺人の場が、竜の正常世界でもあった。 竜の目の前の緋色の世界は、鮮やか原色の世界にもどりつつあった。 」まるで、何かのフィルターがぱずれたようであった。 累々元る屍体の山である。人々はまだ争い、 殺しあらている・ しかし、竜は見た。芒こ人、ジウだけが すっくと立っている。 彼女の表情は、地獄の業火に燃えているようであっ た。炎そのものだ」。 髪の毛はさかだっていた。 この殺戮世界は、彼女中心におこているのだ。 深紅の世界を勣がしているエネルギー一 は彼女の心から発している。 この世の地獄を現出させているのは、、、、彼女そのもの の存在だ。 竜は彼に襲いかかってくる人間を降りはら いながら、彼女に近ずこうとした。 より強烈なエネルギーが竜をかそう。普通 の人間なら、そのエネルギー流に押し流れて しまったろう。 しかし、竜もまた、殺人機械であった。 日本とアメリカが合作し、誕生させた 冷徹なマシーンであった。 竜は彼女にたどりつき、あらがう彼女の首 すじに手刀を加えだ。 彼女が崩れ落ち、意識がなkじゅなると同時に、吹きすさんでいた紅い狂気の嵐は凪いだ 。 累々たる死体で為った。うめき声が生暖かい風にの って聞こえてべる。 異臭がぐっと鼻をついた。 重傷の人間しかいないようだ。 狂気が人為をつき動かしていたため、重い傷をかってりたものも 他の人間を殺そうぞ死力を尽していたのだ。。 竜は彼女を両腕にいだきあげ、いまだ焼きく すぶらている家の焼けあとを後にした。 竜は、村長の家へ向かった。幸い、村長の家 は家並から離れていたため、類焼をまぬがれ ていた。 ジウの意識が正常にもどるのを待った。ジ ウが限を開いた。竜は冷徹に言った。 「ジウ、君か犯人だったんだな」 竜は一瞬、彼の任務を忘れているよう乍あ った。 「クチニンの虐殺」は君がひきかこしたん だ」 ジウは悲しそうにいった。悲鳴のようでも あった。 「ヤめて、やめて、私にはわからないの。何 にもわからないのよ」 「いや、ジウ、考えろ。そして憶いだすんだ 君が何者か、そして何を今まで行たってきた かを」 竜はジウを観察するようにながめながら続 ける。 「君はアメリカ軍によって倍養された兵器な のだ。君の心は一種のアンプとチューナーの役割をはたす。 ある一人の殺意を感じとそれを数百倍に増幅して、まわりにいる人々 に投げあたえるのだ。それゆえ人々は知らな いうちに、自分の意志でもなく、人を殺そう とし、殺してしまうのだ。恐らく米軍は君ら の存在をパラサイコマンド(超心理戦戦士) の存在を隠すために、殺そうとしたはずだ。 しかし君は生残っている」(続く) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.11.06 23:07:21
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