077685 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

あたふたあなくろクロニクル

あたふたあなくろクロニクル

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Calendar

Archives

2024.06
2024.05
2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09

Category

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

2012.06.07
XML
カテゴリ:雑記

四つ葉のどかな昼過ぎの小田急線。車内ものんびり、がらがら。

制服女子が二人並んで座ってました。

それぞれ膝にでっかいスポーツバッグを載せ、

一方が一方の肩に頭を載せて、

二人して正面の窓をぼんやり眺めております。

頭を載せられた方が、ちょっとけだるげに、

言いました。

 「人生って、いいことと悪いこと半々だっていうけど、そういうのって、なくない?」

え、いきなり、深いかも? 
(ところで、この体勢から推すと肩を貸してる方が答える側になりそうなものなんですが、現実は逆なのでした)。

肩を借りてる方が、前を見たまま、答えました。

「あるよ。」

ずばり確信に満ちた回答。
人生相談、終わり。

・・・とは問屋がおろさんと。質問者、今ひとつ納得せず。
「そうかなあ、でもさあ…」

何か悩みがあるんだろうが、その声に切迫感なし。あくまで長閑、なのでした。

回答者ものんびり返すのでした。「ちょっとしたいいことって、あるじゃん」。

このあとお答えは、「ちょっとしたいいこと」の総和、と、「悪いこと」とのバランスという、
なかなか高度な話へとつながるのでありました。

しかしだ。残念ながら電車の音にまぎれてその先ほとんど聞き取れず、
女子二人がのどかなまま到達したであろう結論は知れず。

それでもなんか、「青春」の薫る女子二人だったのでありました。

目

その数日後。ラッシュ時間ではないがまだ朝、という曖昧な時間帯。
こないだと同じ小田急線、少し混み合う車内。

あの女子らが長じ、月日は流れて… 数年、ではおそらく/とうてい足りないが、
数十年、と言ったら睨まれそうな、でも正直なところ十数年ではない、という、
つまりあの子たちの母親では通らないがおばあさんと言ったら怒られそうな(どんどん地雷に近づきそうな)おばさまたちが3人、元気に乗り込んできた。

それぞれ背中にリュック。足もとはそのま山行けそうな、いわゆるウォーキングシューズ。

女子たちはスポーツバッグを抱えていたが、
おばさまたちは何の重荷も… いや、とんでもございません。女子高生ひとりの頭など問題にならないほどの重ーいものが、そのたくましい・・・いや細い肩にかかっているのでありましょう。

「単身赴任なんてするもんじゃない」

ほら、いきなり重いではないか。ツマ自ら断言。
単身赴任したのはご本人じゃなくてご主人かと思われるが、一人称。夫婦は一心同体でございますゆえ。

そして、ヤワな女子とは違うのだ、助言など求めん。相談要らぬ、結論は出ている。

いったいご主人単身赴任中に何があったのか!

・・・と一瞬思うが、何もない… らしい。

いやあったのかもしれないが、とりあえずそんなん問題ではないのである。
懸案事項は、単身赴任の解任後、なのだった。

ダンナ帰って来たわけだ。

気ままに暮らしていた我が家に、よそでこれまた気ままに暮らしていた我が夫が。
どういった意味合いにおいて羽を伸ばしていたにせよ、どちらも(一応)一人暮らし。

「一人ならテレビつけてもラジオ聞いてても気兼ねしなくてすむし、寝返り打っても自由でしょ」 

そういう生活にお互い慣れてしまった二人。今さら昔に戻れない~ 訳であります。
つまり―― 

 ウザい! 
 
……ということである。

「それで別々よ。だけど夫婦でそれもおかしいじゃないってことで、またいったん一緒の部屋に寝て、それでまた別れて、って」

それが現実というものである。

女子たちと違った意味で、これもまあ、長閑と言えば長閑な話でございます。

離婚問題に発展するような家庭内別居ではない。あくまで、

 邪魔。

それだけです。

そこに夢見がちな女子高生の曖昧さはないのであった。

あくまで、きっぱり、具体的。

淡い夢などもはや要らないのである。夜は実際に夢見るくらい熟睡したいんであって、
夢を描くあまり寝つけぬ夜は健康に悪いだけなのだ。

女子たちの形而上的悩みは、おばさまの形而下的問題に吹き飛ばされる。

女子らに「青いパパイヤの香り」が匂ったとするならば、

おばさまたちは熟したマンゴー・・・

・・・あるいは熟したドリアンだったりして・・・ 

こうして女は成長する。

(…ほんとかい…?)

 

 

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.07.01 21:34:17
[雑記] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.