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カテゴリ:日々雑感
子母澤寛(しもざわかん)著の『父子鷹』を読了↓
![]() 勝海舟のお父さん、小吉さんにまつわる小説です。 『てやんでぇ~、こちとら江戸っ子でいっ!』的な会話が続き ![]() おもわず、読み手も江戸市井に引き込まれたような感覚に陥ります。 1956年の著作だそうですが、まったく古臭さを感じません。 先日読んだ井伊直弼の小説から、このところ幕末ものが続いています。 徳川幕府の衰退が加速する幕末に、旗本御家人として生きた小吉さん。 同じ旗本でも、賄賂が横行して役職は買うものだ、という 当時の腐った風潮に我慢がならない話が満載。 お父さんやお兄さんが小吉の就職のため、あちこちにお金をばらまくのですが 最後の詰めのところで、『てやんでぇ、金で役職を買うたぁ~何事だぁ~』と 小吉がケツまくっちゃう(お下品な言葉で失礼)もんだから 結局、就職口は見つからず・・・。生活保護(扶持米のこと)で食べている状態。 いつの時代も本音で生きるのは骨が折れる、ということでしょうか。 でも、腕っ節はめっぽう強いもんだから、喧嘩の仲裁なんかに重宝がられ・・・ そんな町人や商人との本音の付き合いの中に人間として生きる魅力を感じつつ、 やっぱり、『天下の御家人』というプライドも捨てきれず・・・ そのあたりのバランスのとり方が絶妙で、抱腹絶倒です♪♪ 『人の幸せは身分にあらず、その人の生き方にあり』みたいな教訓が満載、かな。 息子の勝麟太郎の話は、非常に優秀な息子、という扱いだけで あまり具体的なエピソードは書かれていません。 連作の『勝海舟』にそのあたりは譲っているのか・・・。 来年のNHK大河に勝海舟は欠かせない人物なので、 引き続き、子母澤さんの『勝海舟』を読む予定。 余談ですが、子母澤さんは新撰組の小説を書いた先駆者のような人で その後の司馬遼太郎などの小説家に多大な影響を与えたとか。 司馬遼太郎の『燃えよ剣』名作ですよね~♪土方さんすてき ![]() ☆☆☆~☆ アトリエ3C+U建築設計事務所 代表 岡部 千里 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.25 16:03:07
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