Confession @ random

＜前回までのあらすじ＞
午前中にシーフード部門で戦ったＴ兄。そしてその後、他の展示を楽しんで見て周り、最後にＴ兄と同じ職場の仲間の戦いぶりを見学することに。

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午後のＴ兄の職場の仲間の応援しに会場に戻った。Ｔ兄曰く、早くも結果が出てブロンズメダルを受賞したらしい！しかし本人としては納得がいかず、ゴールドを狙っていたらしいのでやや不満が残ったみたいだが、何に対して審査員から減点をもらったのかしっかりとレビューを見たいとのことだ。こういった向上心が次へつながっていくと思う。私の中では俄然Ｔ兄の作品が最優秀賞だ！（笑）



同じ職場の仲間３人が参加するこの競技はまさに料理の鉄人さながらの競技で、「ミステリーボックス」と言って、具材が何だか競技が始まるまで分からないらしい。競技が始まった瞬間にそれぞれに配給される具材が入った箱があり、その中のものを使ってメニューを考え、一品仕上げるというものなのだ！２階のギャラリー席から見ていたので具体的に何が入っていたのかわからないが、どうやらメインで牛肉が入っていたらしい。野菜も数種入っているし、乳製品もある。初めの１０分で皆メニューを考えている。何が入っているのかそれぞれチェックしていたりメモをするものやメニューを書いている人もいる。



Ｔ兄の仕事場のヘッドシェフ、バーナードという人は「おれが一番初めに作品を仕上げる！」と皆に宣言していたらしい。そして長身（１９０センチ台！）のフランス人のシェフのレンという人はメニューを書く際、イメージとしてアーティストの様に絵を描いて料理のメニューを決めるというとても面白い人だそうな。メニュー思考の時間が過ぎると皆一斉に調理に取り掛かった。この種目はどのレストランでもトップクラスのシェフが参加しているらしく気合の入り方が並々ならぬものがある。その見分け方としてスボンの色が黒の人がトップシェフの証なんだそうな。徐々にいい香りが２階席にまで立ち込めてきた。テレビカメラも動いているので会場に設置してある巨大モニターにも、手元が映し出される。



仲間のシェフたちも何が出来るのかが食い入るように見ている。
制限時間が終わりに近づくと段々その熱気は尋常でなくなってくる。その興奮を見届けようと２階席から降りて一回のすぐ調理場近くまで行った。そうこうしているとＴ兄の上司でもあるヘッドシェフのバーナードが宣言どおりに一番に仕事をこなした！見た目は素人な私にしてみればなかなかシンプルに見える。が、宣言どおりに一番にこなしてしまうところは流石だ。
レンというもナーバスになってはいるものの何やらフランス語でぶつぶつ言いながら、お皿を、まるで絵を描くかのように仕上げていく。さすがはアーティスト、すごく綺麗！
制限時間ギリギリでお皿を仕上げてゴール！！バーナードに比べて時間は掛かったもののすごく綺麗なプレゼンテーションだ。
さすが皆卓越したセンスでもって料理を並べていく。見ていてとても面白かった。
こういった作品は食べることができず、全て廃棄処分となってしまうのだが、あとでこっそりそれぞれの作品をつまみ食いしたＴ兄の仲間の人曰く、バーナードの作品がシンプルではあったものの味は飛び抜けていたということだ！
バーナードは片付けのカートの上も区画整理されたかのような如くピシっと乗っけていたらしくさすがはトップシェフと言われる人はそういった基本的なところからして違うのだなあと思った。

その後Ｔ兄より一足早くＨ姉さんとみーくんで家に帰った。
すごかったねえと話をしてて、ついでに姉さんが夕飯をご馳走してくれるということで残ったのだ。そしたら今日の主人公のＴ兄も帰ってきた。「おつかれさま～！」と皆で声をかけるとＴ兄もなんだか照れくさそうだった。



そこはもうシェフでなくて一児のパパの顔でもあり、いつもの気さくなＴ兄だった。
Ｈ姉さんがこだわりのオリーブオイルを使ってこだわりのパスタを作ってくれた。すごくおいしい。イカと豆腐をミンチにして入れたというミンチボールとてもうまい！乳製品が食べれないみーくんのために工夫を凝らしたママの知恵だ。気分がいいのでキンキンに冷えた白ワインなども少々頂き、なんだか気分がよくなってしまった。（う～ん、お酒がおいしく感じるようになってきた今日この頃♪）
満腹でお酒も入って気分よくなり、みんなから「今日泊まっていきなよ～」とまで言われ、クッションに座ったとたん寝てしまった。横で寝ていたＴ兄も床にゴロンと寝ている。何日もあまり寝ずにいろいろとメニューを考えていただけに肩にかかった重責がとれた今、きっと心置きなく寝れているのだろう。
ああ、あまりにも心地よい気分で寝ていたのだが、さすがに翌日のために帰らなければならず、目が覚めた時私の体の上に一枚のメモが。



みーくんからの書置きだ。
ああ、きっと朝起きて遊びたいんだろうなあと、残念がるみーくんの顔を思うと、心を砕きつつも夜中にしぶしぶ帰った。

♪Hunger Strike - Temple Of The Dog