テーマ:たわごと(26878)
カテゴリ:たわごと
がんばっているんだけどな いつまでもこんな調子だ じっと手を見る 一度でも俺に頭を下げさせた やつら全員 死にますように 枡野浩一 「石川くん」 もともと、何年も前にインターネットで連載されていた、石川啄木の短歌の現代語版 &生活についてのエッセーが単行本化されたのち、文庫化された。 だからもしかしたら、以前すごくよく知られていた、という事かもしれないけど、 私は初めて目にして楽しく読んでいる。 石川啄木が怠け者だったとか鬼畜だったとか、思い切った物言いも愉快な感じがするけど、 何と言っても、短歌の現代語版というのがおもしろいと思う。 文字数やリズムの制限があるから、どこかにアクロバティックな変換が必要で、 これがなんだか興味深い。 たぶん、やる人によってずいぶん感じが違うものになるんじゃないかなあと思う。 上の2つは両方とも、どこかで目にした感じのする短歌、 「はたらけど はたらけど猶わがくらし楽にならざり ぢっと手を見る」 「一度でも我に頭を下げさせし 人みな死ねと いのりてしこと」。 ほんとうは縦書きだったりして、もっと難しい漢字が使われていたりして、 でも、話し言葉っぽい流れで読むと、なんだか、「詩」だよなあという感じがして面白い。 >短歌なのに「当時の普通の言葉」がつかわれていたり、詩みたいに「三行書き」になっていたり したことで、「すごく実験的な作風として人々を驚かせた」ときの空気感が伝わってくる気がする。 読んでいるうちに、「短歌を現代語訳」っていうのをやってみたくなって、 でも私が知っているのは高校で覚えた百人一首ぐらいで、 気にいっていたものを思い出しては、失礼な遊びに思わず没頭してしまう。 あてずっぽう 折ってみようか白菊が 霜とおんなじ色で見えない (心あてに 折らば折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花) 寂しくて部屋を出たけど結局は どこも同じだ 秋の夕暮れ (さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくもおなじ 秋の夕ぐれ) うまくはいかないけど、これ、楽しいです。 (↑秋の夕ぐれ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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