ルポ 高学歴発達障害(姫野桂)
著者自身が一流大卒の発達障害者。で、似たような人々にインタビュー。なまじ学歴があると却って不利になる。高卒からはいい大学出たのに使えないバカだと思われ、障害のない知的エリートには憐れみと蔑みの目で見られることが多そうに思える。まぁ、人間の本性としてマイノリティを叩くのは陰気な愉しみの一つだろう。本書では、学生のうちは障害のデメリットがそれほど表面化しなかったが、就職で挫折という例が多い。同級生やら同僚やらに取り残される一方で、高学歴という最後のプライドにすがりつかざるを得ない惨めさ。むしろ彼らに必要なのは円滑な人間関係だろう。孤立無援になるよりは遥かにマシである。コロナ以降博愛主義に目覚めた人々に期待したい。著者にはパートナーがいるし、著作も多いので立派な勝ち組である。著者のような境涯にたどり着けるかは運なのか、自己責任なのか。言いたくなかったが、私も本書に登場する人たちと似たようなものなのである。学歴自慢など気色悪いし、今の自分を見れば学歴など何の役にも立っていないことを日々痛感している。頼みもしないのに勝手に種を付けて産みやがった両親を恨む気はないが、我が人生意味なし♪それでも生きてる限りは仕方ないから何か楽しみを探すのみ。