漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　知　　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　足　　貴




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　LIKE・A・BALIJIN









　　　　　　　　　　　　　　　LIKE・A・BALIJIN　付録　・　篆刻　　人貴知足











この後に続くLIKE・A・BALIJIN の　墨将磨子　の前説としてこの項を置く。


　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　天は満つるを忌み　人は足るを知るを貴ぶ　


の下の文言がこの



　　　　自刻の篆刻　




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人貴知足　　


である。

世におるのは大きく長い夢を見ているようなものであるから、
何故その生きるという因果に執着して苦しむのでしょう。

人には人の愁いあり愁いを消さんと杯を挙げるも愁いは更に愁いとなる。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　挙杯消愁愁更愁

家庭には各家庭の苦しみや、
まして世に係わらんとすればトゲあるあざみの哀しみ有りとはこれ現世のことわりである。

お金が無い。
夫婦仲が悪い。
ちょっとしたワガママとボタンの掛け違いが縺れてほどけない。
親離れ子放なし。
仕事がうまく立ち行かない。
どうすることもできない。

どうする事も出来ないのはなるようにしかならない。

てわ、
何故一歩下がって朝ごはんが食べれる事に感謝出来ないのだろう。



　　　　　　　　　　　　　　　　茶碗１杯のご飯
　　　　　　　　　　　　　　　　茶碗１杯のご飯を僕が食べると
　　　　　　　　　　　　　　　　どこかで誰かが茶碗１杯のご飯を食べる事が出来ない。

何故半歩下がって、
奥様が茶碗１杯の朝ごはんと味噌汁を出してくれる事に、
感謝の言葉を掛けてあげるのを忘れている。


　　　　　　　　　　　　　　全ての命と作って下さったあなたに感謝していただきます。

声に出して言おう。
僕は朝昼夜必ず声に出して感謝する。
奥様ははいはいと受け流す。

これでいいのだ。

墨将磨子　はどこまでもどこまでも感謝が無く、
不満を不満が増幅させ金儲けと贅沢で、
侘しく穴の開いた心の隙間を埋めようともがき苦しむ。

人貴知足　は全ての命と作って下さったあなたに感謝していただきますである。












社団法人に本漫画家協会会員

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　玉地俊雄