悪女、魔性の女
谷崎潤一郎氏の「痴人の愛」を読みました。もはや古典と言ってもよい作品ですね。谷崎氏の「細雪」がおもしろかったので、こちらもと思いましたが、期待どおりでした。美少女ナオミを、少女の頃から自分の理想の女性に育てた主人公が、美しく成長したナオミに翻弄され、身を滅ぼしていきます。とにかく、ナオミの悪女ぶり、魔性ぶり、すごいです今まで、小説、ドラマ、映画などでいろんな悪女を見ましたが、ナオミにはかないません世の中に悪妻に困らされている男性は多いと思いますが、コレを読めば「ナオミに比べればマシマシ」と安心されることでしょう。最後に主人公が独白します・・・「これを読んで、ばかばかしいと思う人は笑ってください。教訓になると思う人は、いい見せしめにしてください。私自身はナオミに惚れているのですから、どう思われてもしかたありません。」ここまで言わせるナオミはやはり稀代の悪女でしょう