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[武術/格闘技/身体操法] カテゴリの記事

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• ナンバ歩き、ナンバ走り！

  甲野善紀　２００４　いわゆる“ナンバ歩き・ナンバ走り”について　ナンバの発見とその後の経過　RIPPU BEST MOOK「ナンバ歩き」で驚異のカラダ革命,６－１１．今では保健体育の教科書にまで載ろうとしているナンバ歩法・走法であるが、初めてマスコミで取り上げられた当時は、その有効性などに関して否定的な反応ばかりであった。甲野がナンバという言葉とその身体の使い方を耳にしたのは、今から３０年ほど前のことで、その当初は走るのに不向きな動きであると思われていたのであるが、甲野は自らの研究により、実はそうではないことを発見する。このナンバ歩法・走法が広く世間に知られるようになった最初のきっかけは、それまで無名の桐朋高校バスケットボール部が、インターハイ出場を成し遂げたことである。次には、巨人軍の桑田真澄投手が、やはり甲野のナンバ的指導により防御率のタイトルを獲得した。そして２００３年に、世界選手権大会陸上競技の２００メートルで、末続慎吾選手が銅メダルを獲得したとき、その走行に「ナンバを意識した」と述べたことで、爆発的に知名度を高めた。ただし甲野は、末続選手に対しては直接的な指導を行なってはいない。甲野の考えている短距離走に関する提案も、末続選手の走法とは全く違うという。甲野が考える走法とは、人間が何かに躓いて転びそうになる、その不安定さを最大に生かせるように、身体全体、特に体幹部を巧妙に使って前方へ進むというものであるという。甲野は、いつの日か、そうした武術の動きとも濃い関係にある身体操法を積極的に取り入れ、体現してくれる人との出会いを待ちたいと述べている。

  Sep 2, 2005

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• K-1 か、PRIDE か！

  K-1もしくはPRIDEへの参戦を目指して、木村智明君（６/２３、７/１４、７/２８の日記をご参照下さい）のトレーニングは続いている。今日も１日のトレーニングの締め括りとして、これから夜のロードワークに出る。毎日この時間、かなりの距離を走っている。「なぜ、夜のロードワークなのさ？」と聞くばう犬に答えて、「昼間の空気は汚れているから、イヤなんです」と木村君。ときには、夜中の２時頃から走り始めることもある。次の日は、朝早くからバイトに行かなければならない。「あんまり無理するなよ！」と声をかけるばう犬であった。ちょうど２週間くらい前であろうか、木村君は夏風邪で体調を崩したが、持ち前の根性でトレーニングは続けていた（おい、あんまり無理するなよ！）。トレーニングの甲斐あって、体はいっそう絞り込まれ、現在７２キロ。ミドル級の体重（契約体重によって異なるが、いちおう６９キロ）まで、あと２、３キロ落とせばよいだけである。今年の春には１００キロ近くあった体重を、トレーニングと、バランスを考えた食事（柳谷英明君ありがとう！）によって、体を作りながらここまで落としてきた。見るからに精悍である。さて、目指すは、大晦日と来春の試合である。K-1にするかPRIDEにするか、まだ確定していないが、「どちらにしても、良い試合で勝ちます！」と、常に、誰に対しても、うるさいくらいに（笑）勝利宣言の木村君なのである。

  Aug 11, 2005

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• K-1かPRIDEか

  今日、木村智明君（６月２３日、７月１４日の日記参照）と今後のスケジュールについて話し合った。彼は今、大晦日（おおみそか）の試合に向けてトレーニング中である。身体がだいぶ出来てきて、動きの俊敏さが増している。彼は今、K-1に参戦しようか、PRIDEに参戦しようかと迷っている。まあ、よい。エントリーするのは１０月になるので、それまでに決めればよい。今日、当日のセコンドを依頼されて、それを受けることにした。トレーナーとしても、なかなかやりがいがある。今日はまた、ブログのために少しインタビューをさせてもらった。時間をかなりさかのぼって（約１０年前のこと）、空手家時代のことを聞いた。彼が空手をやっていたのは、実際には１年ほどである。その後すぐに、アマチュアのキックボクシングに転向したからである。彼はその１年間で、練武会の大会に１０回出場し、５回の優勝を得た。しかも、彼がまだ中学生の頃である。初めての優勝は、まだ白帯のときで、空手を始めて２ヶ月くらいの頃であった。そのとき、彼は周囲から天才扱いされたそうである。しかし彼は、自分を天才だとは思っていなかった。「ぼくは努力家なんです」と彼は言う。中学１年生で片足に５キロ、両足合わせて１０キロの重りを足首に巻いて、１０キロのロードワークをこなし、中学校の鉄棒で（１０キロの重りを着けたまま）１００回の懸垂をこなしていた。当時の彼の蹴り技は、今や「伝説」となっている。だが、その力は今でも衰えていない。軽くスパーリングをすると、彼の蹴りでムエタイのチャンピオンさえ、吹っ飛ばされてしまう。大晦日にどんな試合をするであろうか。楽しみである。

  Jul 28, 2005

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• K-1出場、または柔らかな手

  ＊ 上の写真は、左から宙大君、木村君、M Saito、ばう犬である。ちなみに、宙大君は来年からNHKのアナウンサーである。格闘技家、木村智明君の足のケガは完治した。すでに木村君はトレーニングを再開している。『ボディワーク入門』出版記念パーティの席で、木村君は、今年の大晦日にK-1へ参戦することを宣言した。現在、それに向けてトレーニング中である（木村君の詳しい戦歴などは、６月２３日の日記にある）。パーティ会場でのエピソードを１つ。詩人の梅野泉さんが、木村君に握手を求めた。「ビリビリくるのかしら？」とおどけながら、梅野さんは手を差し出した。木村君の手がやんわり開いて、梅野さんの手を覆った。「うわあっ」と、梅野さんの口から驚きの声が上がる。「やわらかーい」と梅野さん。ばう犬は一部始終を見ていた。固く握られた木村君の手は、とても柔らかく開き、守るように包む。ばう犬は「強者の手」を目撃した。

  Jul 14, 2005

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• 格闘技家、木村智明君のこと

  〔前回の日記で紹介した格闘技家（キックボクサー）、木村智明君に関する情報〕木村君はキックボクサーになる以前は空手家であった。中学１年生のとき、練武会の空手道大会に１年間で１０試合出場したが、そのうち５回の優勝、３回の準優勝、２回の３位入賞という快挙を遂げている。１６歳のときに、空手からキックボクシング（アマ／ライト級）に転向し、２０戦全勝という戦績をあげる。１７歳からプロとしてデビューし、１９歳で日本ランキング２位となる。ところが、１０戦８勝１敗１分という戦績を残し、キックボクシングの世界から突然に姿を消す（このあたりの事情も、いずれお話しする）。木村君に関しては、空手家時代から数々の「伝説」がある。特にそのパワーは多くのライバルを脅かした。練武会の試合は防具を付けて行なうが、彼は防具の上からのミドルキックで、相手選手をKOしたことがある。キックに転向してからは、右ストレートで対戦相手をリング外へ飛ばし、相手は客席に落ちたという。また彼は、「肘」を得意とし、流血戦も多かったそうである。今、復帰を狙ってトレーニング中であるが、身体もできはじめている。試合の日取りが決まったら、お知らせしたい。引き続き、木村君の情報をお楽しみに。

  Jun 23, 2005

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• 日本人に合った身体運用法

  武術研究家である甲野善紀氏が、その著書の中で幾度となく、身体運動において「支点をなくす」ことに関して述べている。これはつまり、身体を局所的に使うのではなく、常に全体を同時に使うということである（さらに言うと、身体全体を各部位ごとに独立させて動かしつつ、それらの動きによって全体としての働きが生まれるようにするのが、武術的な身体の運用法であるという）。もし全体が同時に動いていないのであれば、止まっているところ、すなわち「支点」がある。支点は動かず、「耐える」ところであるが、個々人の動きの癖で、支点となりやすい部位がある。そして、この部位は過使用のために疲労しやすく、故障を起こしやすくなる。SI（Structural Integration「構造的身体統合法」の略称。ロルフィング、シン・インテグレーションなどがある）では、「支点をなくす」という考え方はないが、この武術的身体運用法は、（SIで言う）身体の構造的な歪みや故障を防ぐためのヒントになるかもしれないと考えている。今、このような武術的な方法なども参考にしながら、日本人に合った（輸入ものではない）SI的身体運用法を模索している。ナンバの動きなどはかなり参考になっている。

  Jun 6, 2005

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• 『身体から革命を起こす』

  甲野善紀　田中聡　２００５　身体から革命を起こす　新潮社甲野善紀は武術を基盤とした身体技法の実践研究者であるが、彼の見出した技法に興味を持ち、その影響を受けているのは、武術を学ぼうとする人たちに限られない。なぜなら、甲野が研究を重ねてきたのは、剣術や体術に共通する身体技法の原理であると同時に、身体の使い方の原理そのものでもあるからだ。本書では、甲野に影響を受けた（武術とは）異分野の人たちの活動が詳しく紹介されている。たとえば、フルート奏者の演奏時の構え方が、甲野の武術を学ぶことで著しく変わり、それによって音の質も大きく変わった話や、介護の世界で甲野の技法を応用する（甲野自身、それを「介護流柔術」と呼んでいる）介護士の話などが詳述されている。この介護の技術については、甲野の技法の応用の中でも、今後もっとも多くの人たちから関心を持たれるだろう。面白いのは、身体技法とは無関係なカウンセリングの世界でも、甲野から影響を受けた人がいるということだ。甲野の技の展開の仕方（コマ落としのように一挙に展開する）が、カウンセリングの展開に反映されるようになったという。著者らは以上のような話を通じて、人間の身体や感覚の奥深さを伝えたかったという（田中聡が共著者であることによって、より広い観点から「甲野現象」を紹介できている）。私たちの中には、未だ知られていない可能性が眠っているに違いない。そして、それらは様々な分野に応用することができるだろう。同時に、著者らが言いたかったことがもう一つある。それは、そうした可能性を封じてしまう現代社会のあり方についてだ。以下に、著者らの言葉をそのまま引用する。「・・・どんな世界でも、教師が『正しいこと』として教えるのは、すべて過去の習慣や制度のなかでの『正しいこと』にすぎない。どれほど確からしいことも、視点を変えれば疑わしくなるものであり、その信憑性を支えているのは、なんらかの制度である。制度には、視えるものも視えないものもあるが、おおまかに言えば、固定概念と利権によって構築されている。そして、変化をきらう。したがって新しい発想を妨げる。」甲野の技の多く（「全て」と言っても過言ではないだろう）は、固定概念を越えており、いわゆる「常識」では無理だと思い込まれてきた、あるいは無理だと教えられてきたことを可能にしてしまう。それは、彼の発想が「過去の習慣や制度」に縛られず、流れの中にある（つまり、今現にある）身体そのものを通して行なわれるからだと思われる。最後に、甲野が武術の道に進んだ動機について書かれた部分を引用したい。「・・・甲野は若き日に、『人間の運命は決まっているのか、いないのか』という問題に煩悶したすえに、『運命は、決まっているが、同時にまったく自由である』という結論にたどりついた。その考えには確信があったが、これを観念的な理解に終わらせず、身体を通じて実感したいと思い、そのために武道を学びはじめた。生きるか死ぬかが一瞬の行動によって決せられる場面こそは、運命と自己決定という矛盾する二面が同時に鮮やかに顕在化する場であり、その場での振舞い方としての技を探求することが、そのことの実感を深めることになるだろうと考えたのである。・・・」

  Jun 5, 2005

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• 古武術からの発想

  甲野善紀　１９９８　古武術からの発想　ＰＨＰ研究所現代社会やその教育制度のあり方について批判的に述べるところから始まり、著者が主催する松聲館の自由な指導法が語られ、「井桁術理」を始めとする武術理論が、古（いにしえ）の達人たちの技を追求しつつ展開される。最後には、自然と人間との関わりや、人間のあり方に関して深く問うている。著者のターニングポイントに当たる時期に書かれた著作である。

  Feb 5, 2005

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• ナンバ／常歩（なみあし）

  木寺英史　２００４　本当のナンバ　常歩　スキージャーナル株式会社「なんば」は近年、スポーツ界で取り入れられるようになり、一般にも注目され始めている。「なんば」の身体操作では、同側の手足が同方向に動くとされているが、四肢の動きだけで「なんば」を理解することは難しい。著者は共同研究者とともに、「なんば」の原理を取り入れた「常歩（なみあし）」という身体操作法を提唱している。

  Feb 3, 2005

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• ナンバ＝難場（困難な場面）

  「ナンバ」の本を２冊紹介します。矢野龍彦　金田伸夫　長谷川智　古谷一郎　２００４　ナンバの身体論　身体が喜ぶ動きを探求する　光文社新書著者らは、ナンバに「難場」という字を当て、それを、困難な場面を切り抜けていくための方法論であると考える。「ナンバ歩き」や「ナンバ走り」の他、「ボックスつぶし」など、ナンバ的な身体の使い方やその訓練法が、図説入りで詳しく紹介されている。小森君美　２００４　ナンバの効用　整体動作がカラダを変える　徳間文庫ナンバを「整体動作」という著者なりのアイデアに結びつけて解説している。「整体動作」とは、身体の全ての部分が共働することによって、身体が整えられる動作を言う。姿勢や動作に対する生体力学的な解説によって読者を納得させ、斬新なアイデアも多く含まれている。

  Jan 29, 2005

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• ナンバのコーチ論／活かすも殺すもコーチング次第

  織田淳太郎氏の「コーチ論」に関する本を２冊紹介します。織田淳太郎　２００２　コーチ論　光文社新書選手を活かすも殺すも、コーチング次第である。より良いパフォーマンスへと結びつくトレーニング法を導入し、根性主義ではなく、選手の目的意識の確立に成功した指導者ほど好結果を残している。本書は、現在のスポーツ界に風穴を開けようと日々奮闘する監督やコーチ、トレーナーに取材を重ね、その最先端の理論を紹介している。織田淳太郎　２００４　ナンバのコーチング論　次元の違う「速さ」を獲得する　光文社新書本書は「いかに速く走るか」を主なテーマとしている。また、そのためのトレーニング法やエクササイズを紹介している。ナンバ的身体運用法、二軸（常歩）理論、忍術などについて考察し、アスリートたちの走りの秘密にも迫っている。本書を読むと、体育教育によって、いかに私たちが非効率的な走りを強要されてきたかがわかる。

  Jan 20, 2005

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• 金田伸夫　２００４　ナンバ健康法　三笠書房知的生きかた文庫

  本書は、「ナンバ」に基づいた、一般の人にも使える「効率のよい身体の使い方」について書かれている。「ナンバ」とは、「ねじらない」「うねらない」「ためない」「強くけらない」を基本としており、現代の運動理論とは正反対のものである。そのルーツは、古来の日本人の身体の動かし方にあるという。「ナンバ」が習得されると、（毎日使われるものだから）普段の身体の動かし方はもちろんのこと、考え方や生活方法にまで影響を受けることになり、自分の身体・心・人生と向き合う態度が養成される。

  Jan 7, 2005

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• 矢野龍彦　金田伸夫　織田順太郎　２００３　ナンバ走り　古武術の動きを実践する　光文社新書

  「踏ん張る」「うねる」「捻る」という要素を排除した「ナンバ」と呼ばれる、日本古来の身体運用法を豊富な写真を使いながら分かりやすく解説している。「ナンバ」を高校バスケに応用して成果を上げた経緯や、プロスポーツ選手の「ナンバ」的な身体運用法が紹介されている。

  Jan 2, 2005

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