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カテゴリ:Tomoest
あまりにも予想に反して長くなったので2度目のupです。
日記で10000文字超えるなんて…。 オマケにこんな時間だし…。今日はいったい何をやっているんだか…。 本当に自分にごめんなさいです。 それではまた…。 <連休特別企画 ~今日は2本立て~> 特別企画というよりも日記をお休みしていたから少しでも話を進めたいなと思っただけです。 書ける時に書いておかないと、いつまでたっても終わりません、あれみたいに(汗)。 それにしても…調子に乗って書きすぎたかなと反省。 10000文字を超えたのでupできませんでした(泣)。 『Tomoest』 その5 「ふ~ん、駆けつけ3杯!? その2リットル樽で?」 理紗は私の足元のコンビニ袋を指して言った。 「ええっ!! ええっ!! これで? えーっとさすがの私にもこれは…。」 いったい何考えているんだろ。理紗ったら暑さのせいでおかしくなった? 「あ~、巴。そこノリツッコミするとこやでぇ。ほんま、わかってないなぁ。こう言われたらとりあえず栓抜いて飲むまねでもせーな。」 「あっそうか。」 やっぱりこういう関西人のテンポには馴染めない。油断しているとすぐこれだ。 っていうか、ここボケるとこなの? 気が動転して言われるまま、2リットルのビールの樽缶をあける。 「ちゃうちゃう、こういう時はお互いの前に3本置くねん。」 すかさず理紗の鋭いツッコミが入る。 「でも理紗。3本置いたらって言っても全部で4本しか買ってないよ。私はこの2倍ぐらいでも持てないこともないけど、理紗が普通の女の子はこんなに持ち歩かないって言うから…。」 片方のコンビニ袋に2リットルのビール樽缶が2つとおつまみ少々。ってことは5キロ弱くらいかな。倍にしても10キロぐらい。それが両手で20キロ。 それぐらいなら私にとって何でもない重さだけどね。 腕力だけは剣道をやってたおかげでかなり自身があったりする私。 今日だってコンビニの店員さんが心配そうに何度も大丈夫ですかとかお持ちしましょうかとか声をかけてくれたけど、正直あんまり心配そうな顔されるほうが恥ずかしかったりするんだわ。 「だ・か・ら、ここでボケるんやんか! あ~ん、もうウチは情けないでぇ。こんな女に育てた覚えはない。」 片手で顔面を押さえていかにも…って顔をされた。 「育てられた覚えはないけど…。」 どうせ私はお笑いの才能はないですよーだ。 「しゃーない。ウチが見本見せたる。駆けつけ3杯って言われたら、よっしゃー駆けつけ3杯やなぁ。じゃあこれを3本ずつ用意してっと、1・2・3とアレ?4本しかないなぁ。ほな、このしょうゆの瓶とサラダオイルで勘弁してもらおうか~って飲めるか~!」 「ハハハ…。」 思わず笑ってしまった。 「もう!なんかすべった感じぃ。巴のせいやな。もっとドッカンドッカン笑うとこやのに。もうええから早く! おつまみぃ!」 本当、理紗ったら勝手なんだから。 ぬるくなると困るのでテーブルの上のビール樽缶を冷蔵庫にしまう。 それにしても…、冷蔵庫に大小さまざまなビールが並ぶ独身女っていかがなもんでしょ? 以前にビール専用って理紗に張り紙されたけど、あながち間違いでもないのよね。 冷え切った缶ビールをもう1本取り出して(これは私のだ)、肩身の狭そうな豆腐に視線を向ける。 「はいはい、おつまみだよね。とりあえず冷奴でいい?」 昨日買ったから賞味期限には程遠い。ただし木綿豆腐…。 まぁいっか。ばれないように盛り付ければ大丈夫よね。 ちらっと理紗の方を見るとさっき私が取り上げたはずのビールの蓋を開けている。 テーブルに置いたのをすかさず取ったのだろう。 「くぅー!! この1杯のために生きてるんやなぁって感じやな。巴、漬け物とかない?」 この人は時々本当に同じ女なのかと思うときがある。今がその時なんだわ。 「さっき買い物した中に白菜の浅漬けがあるけど。冷蔵庫にキムチが残ってたかな?」 この前、家で豚キムチしたのいつだっけ? 最近よね。あれ!? 食べちゃったかな? 「なかったら鶴橋行ってキムチ買ってきてなぁ。」 あのねー! ここから地下鉄に乗って30分以上かけてキムチを買いに行けるわけないでしょ! と思ったけど声に出さないでおくことにした。いけない、つい真面目に相手してしまう。 負けてばかりいるもんですか。ここでのせられると面倒だわ。 「それ無理! っていうか理紗も手伝ってよ!」 「手伝いたいのはやまやまなんやけど、どうしてもこのビールが飲んで欲しいって言うてるから。ちょっと待ってぇな。それにテーブルの上の雛ちゃんかて、相手して欲しそうやんか。」 その雛苺は喋んないんだけどね…。 仕方ない…。恨めしそうに理紗を見て溜息ひとつ。 でも今がチャンスかも! すばやく一口サイズに豆腐を切って皿に盛りつける。この大きさならばれないでしょ。 そうだレタスなんかも一緒に盛り付けてお豆腐サラダにしてしまうっていうのはどう? 我ながらいいアイデアだわ。 野菜室からレタス、レタス…と、無い…。あっちのコンビニ袋だったかな? うーん、やっぱり止めよう。私だってまだ1杯しか飲んでないんだからね。 手のこんだものは後にしたほうがいいか。とりあえずシンプル冷奴よね。 おっと、おろししょうがのチューブも出さなきゃね。 「はい、シンプル冷奴。お待ちどうさま。」 皿にお豆腐を盛りつけただけなんだけど涼しげでいいかもしれない。 これも立派なお料理だ。 「ありがとう巴。でもネギは? かつお節は?」 理紗はそう言ってテーブルの上のしょうゆさしを持ち、さーっとまわしかけた。 「もう! 贅沢言わないで! だからシンプル冷奴だって。理紗、これでも美味しいよ!」 そう言って箸を渡す。 「わかった。贅沢言わへんけど、巴の趣味には文句言うでぇ。」 いつも感心させられることだけど理沙はかなり箸の使い方がうまい。 何の苦も無く軽くお豆腐を箸でつかんで自分の取り皿に運んだ。 親の躾の賜物だと言っていたけど、箸使いが綺麗な女性って素敵よね。 私も見習わなくっちゃね。 でも趣味ってどういう意味? 「何? 趣味がどうかしたの?」 「冷奴に木綿豆腐はどうかと思うんやけど。」 「ばれた!?」 「見たらすぐわかるって! ほんましゃーないな。そんなことやってたら嫁の貰い手ないでぇ。もう私がやったるから、あんたは飲んどき。」 理紗は残りのビールを飲み干して立ち上がった。 …つづく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/07/16 08:32:11 PM
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