カテゴリ:人生論
欲望の暴走を食い止めるには、悟性を訓練するしかありません。頭でわかっていても、手が、体が言うことを聞かない。痴漢や万引きの言い訳は大部分がこれです。悟性の訓練が偏っているのです。悟性は、家族制度の中で繰り返し訓練されます。家族は、大きく分けて、四つの機能を果たしていると西部邁は言っています。一つは、言葉を覚えるという機能。二つ目は未来へ向けた決断と説得という機能。第三は因果律や役割分担という合理性を訓練する機能。最後は葛藤を調整して、家族を再統合する機能です。良いことをすればほめられ、悪いことをすれば怒られることで喜怒哀楽の情が育てられ、欲望となり、また躾として欲望の抑制が図られます。人類は、洞窟にすんでいる時代から、そして赤ん坊の時から際限なく悟性を訓練し、この下で分類、蓄積された知識を元に新たな知識の創造と意思の強化を図ります。欲望を達成したいという強固な意志と、それを無理なく実行するという知的行為はこのように悟性から生まれるのです。
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