カテゴリ:人生論
人生は予知能力も生かして、その時点で最善と思ったものに、できるだけ努力を傾注すべきものです。何が最善かを見極めるには、以下の三点が重要です。第一に歴史を学ぶ、第二に学んだ歴史を巨視的に割り切る、第三に将来の教訓にする場合、その限界を心得る。歴史を学ぶのは、現在の自分または自分の属する社会・集団の位置というものを納得のいくように統一的に見定めたいという思いがきっかけです。したがって、何が現代のもっとも緊要な関心の中心と自分が感じているかによって、歴史のまとめ方や観点は変わってきます。「もともと、歴史というものは現在の目を通して、現在の問題に照らして過去を見るところに成り立つもの」です。私たちが知っている歴史的事実は、それを保存するに値すると考えた人たちによって意識的に選び出されたものです。選び出された事実は多数ありますが、例えば司馬遼太郎が創造するまで、昭和が魔法の森だったというファンタジー的な解釈は存在しませんでした。つまり歴史上の事実と言うのは、常に歴史家の解釈の材料であって、私が考える解釈は私が創造してよいのです。
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