カテゴリ:千の朝
シンプルな「もの」をつくるのは簡単ではない。 単に機能や要素の少ないものをつくれば、 プリミティブで幼稚なものになってしまいかねない。 それが怖いから(つまり市場に受け入れられない、 売れないだろうという恐怖に駆られて)、あれもこれもと 言い訳のように付け加えて複雑になる。 携帯電話など典型的だ。 切り捨てるためは、 自分のビジョンが明確になっていることが絶対の条件である。 そうでなければ、ぎりぎりまで何を削ぎ取っていいのか、 何が本質なのかがわからない。 自分のコアとなる価値が見えていないと、 見当違いのものを犠牲にして切り捨ててしまう場合すらある。 日本でシンプルな携帯電話が売れないのは、 残すべき強いコアがないからだと思う。 したがって、今まである機能だけを残し、 他の部分を切り捨てても、おもしろいものになるわけがない。 シンプルで使いやすい「もの」をつくるには、 強力なコアになる部分があって初めて、 他を「切り捨てる」価値が出てくるのだ。 「伝統の逆襲」 奥山 清行 祥伝社 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年05月21日 05時10分05秒
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