カテゴリ:認識の歩み
世界中の文化で見られる行動のほとんどと同じように、 宗教は5万年前、 アフリカから分散する前の祖先人類の間で 言語の出現に先行して存在したに違いありません。 眼に見えない霊的なものに対する関心は、 原始時代的であるだけに強いものがあります。 ことに死者の霊魂はネアンデルタール原人さえも、 すでに認めていました。 縄文時代の埋葬は、伸葬もあるにはありますが、 手足を折りまげた姿勢の、いわゆる屈葬が多かつたのです。 吉胡貝塚出土の人骨では、 百六十一例中、百四十八例が屈葬でした。 また当時は、抱石葬などもあるところから見ると、 死霊の出て来ることをおそれ、 これを鎮めようとするアニミズム的宗教意識が働いたのでしょう。 宗教儀式は通常、音楽や踊りを含みますが、 死者の霊魂の存続という宗教的真理は定まっていたのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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