ある小学校の先生からお聞きしたお話しです。

その先生が、担任をしていらっしゃる五年生の子どもたちに、
「人の命は何故尊いのか」という質問をしました。

「世界にたった一つしかないから」、
「お金で買うことができないから」、
「他のものと交換できないから」等々、
色々多くの意見が出されました。

以前流行ったスマップの歌う「世界にたった一つの花」の影響からか、
その多くの意見は、オンリーワンの素晴らしさを表現したものでした。

しかし、その中でひとりだけ違った種類の答えが寄せられたのに、
先生は気付きました。

「私の体の中には、たくさんの命が生きています。
ご飯を食べたり、鳥の唐揚げや野菜の煮っころがしを食べたり、
色々な命を戴いて生きているからです。
そんな多くの命のためにも、私たちは精一杯生き、
人の命を大切にしなければいけないと思います。」

この子どもの観察力・豊かな感受性も凄いけれど、
それをきちんと把握して、私にご紹介してくださった先生もスゴイ！　
と、感心してしまいました。

私たちは、ひとりひとりがきらりと光る個性を持って、
尊重されて生きることも大切なことだけれど、
「生かされている」ということに気付き、
その命の大切さに思いを抱き、
感謝して、一生懸命に生きるという姿勢もまた、
大事なことだと思いました。