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テーマ:お勧めの本(7363)
カテゴリ:読書備忘録
帯の「とり憑かれたいお化けNo.1」というコピーと振袖を着た女の子の表紙に惹かれて買いました。
えっ!?この座敷わらしみたいな女の子の表紙、怖いですかね? アタクシは可愛いと思ったのですが・・・ 『押入れのちよ』 萩原浩 失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。 ちよ(=幽霊)がいちいち可愛らしいです 少女と言っても、明治生まれなのでしゃべり方は婆様のようです。難しい漢字は読めないけれど人相が読める。 カルピスとビーフジャーキーとおむすびをお供えしておくと、押入れの中から現れます。 ちよがどんな経緯でこのボロアパートにやってきたのかは後半になると分かるのですが、その存在が無邪気で可愛らしいだけに切なさが倍増。 実際ちよが可愛いらしいかどうかは微妙で、「下ぶくれの丸い顔。切れ長の細い目。色白で鼻も口もちいさいから、まるで饅頭に切れ目をふたつ入れたようだった。」と表現されている・・・まるでアタクシのようだ 好きな場面。 ・・・いつまでもここに居られても困るし」 ようやくこちらを向いたちよの眉と唇は、への字になっていた。 「いや、居てもいいんだけど。やっぱり、ちょっと不気味だしさ」 「あたしが不器量だから?」 「そういう問題じゃなくて」 「ごくつぶしだから?」 「いや、ちよは穀潰しなんかじゃない。不器量でもない。よく見れば愛嬌のある顔だ」 なぐさめたつもりだったのに、なにを勘違いしたのか、乱れた裾を引っぱって、短い足を隠し、警戒する目を向けてきた。 「誤解するな!」 --------------------------------------------------- 「くいずみりおん」の「はいなるあんさー」 みの(もんた)さんもちよの手にかかると「活動弁士」ってことになるのね~ 他の短編はけっこうブラックだったり、おどろおどろしかったりしました。 同じ作者の小説で 『愛しの座敷わらし』 というのがあったので、読んでみようと思います。 座敷わらしっぽいだとか、猫娘に似ているだとか「日本の妖怪」系に例えられることの多いアタクシとしては読まずにはいられません。 ちよみたいなのが出てくるといいなぁ・・・ ちなみにハリーポッターの友達(女子じゃない方)の顔を和顔にするとサッカー日本代表の中村俊輔になると思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/07/22 11:22:21 AM
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