移植
大学に戻り、本来希望する分野ではないチームに配属され、しかも年齢(学年)の割には後輩が配属されていないために、全ての雑用が私に廻ってくる。まあ、覚悟していたことだから、ブツブツ言いながらも仕事はこなしている・・・つもり。でも、数ヶ月に一度廻ってくるという、抄読会。何処の医局でもあると思うが、要は最新の英語論文(の要旨)をみんなに読み聞かせ、知識を深めようという物。臨床に直結するような、あるいは自分の興味の持てる分野の英文ならいくらでも(と言うわけではないが)読む気がするのだが、今は本来希望しないチーム。ただでさえ興味がない上に、更に全くと言っていいほど興味のない『移植』をテーマにして抄読会で発表しろ、と無理難題を押し付けられた。『臓器移植』腎移植は、昨年もいろいろとマスコミに取り上げられていましたね。肝臓移植は歴史が古く、うちの大学でも隣の『科』が一生懸命になっています。消化管や内分泌の移植はまだこれからかな?心臓移植や肺移植が最近は話題なんでしょうか?今所属しているのは『肺』チームなので、要求されているテーマは『肺移植』です。全く興味はごいざいません!京都大学付属病院など、すでに多くの病院が移植を看板にしています。そこに、今から名乗りを上げるつもりなんでしょうか?新しい分野を確立することが全てではないと思います。良くも悪くも、専門性が問われる時勢です。すでに移植を得意分野としている病院があるのですから、そちらに任せておくのが良いと思います。つまらない(いわゆる)『ミス』をいかに無くしていくか、ということが今の医療社会に要求されているわけですから、新分野を開拓することは非常に危険だと思います。それよりも何よりも、うちの大学、医局の特色をもっと充実、発展させることが大事だと思います。こんな事を書いていて、つくづく自分は大学という場所にそぐわない人間だと自覚させられてしまいます。