東京で一番美味しいベトナム料理屋 / えべっさんの思い出
夕方、表参道で友人と待ち合わせて、神宮前の器の店「大文字」に行く。新春らしい華やかなディスプレイ。梅模様のお皿や鉢、鬼やおたふくの箸おき。器で季節を楽しむ、和食器ならではである。じっくりじっくり見て、八角形の白地に青で花模様の入った少し深さのある器を2客と琵琶の箸おきを購入。それから、蒲田へむかう。なぜに蒲田?それは東京で一番美味しいベトナム料理屋に行くため。東京で一番美味しい、というのは、意見が分かれるところかもしれないけど、ベスト3に入るんじゃないかな。ごちゃごちゃしたちょっと怪しげな界隈のビルの2階。ベトナムから逃れてきたママと子供達が切り盛りするお店だ。最近は人気があって、なかなか予約が取れない。この日はこちらのお料理教室に通う友人が去年のうちに予約を取ってくれた。私も行くのは久しぶり。いただいたのは、魚の春巻き、牛肉とレモングラスのサラダ、山芋のスープ、ベトナム風水餃子、牛スネ肉の煮込みシチュー風、スペアリブと焼肉のせごはん。バインセオの生地を甘く焼いたクレープのようなものもいただいた。山芋のスープは想像と違っていて、なかなか面白い組み合わせ。つぶした山芋、海老、肉団子が入っており、ニンニクが効いている。水餃子は、中華の餃子と全く違って、ぷるんぷるんの皮でお肉などを巻いてあり、たくさんの生野菜と一緒に食べる。ソーセージものってるの。飲み物は、もちろん、333(バーバーバー)!オットには豚のベトナムサンドイッチをお土産に。美味しかった!::::::::::えべっさん。日記をリンクさせていただいている涼花さんが地元のえべっさんのことを書いていらした。懐かしいなあ。えべっさん。正しくは戎さん、夷さん。七福神のえびす様ですね。東京だとあまり聞かないのだけど…。商売繁盛だから酉の市みたいな位置づけかなあ。1月の9、10、11日がえべっさんの日。兵庫県の西宮戎が総本山で、大阪は今宮戎神社。西宮は一番を競って走る福男が名物。今年はくじでスタート場所をきめられてしまったってニュースになってたなあ。大阪は「福娘」。ご祈祷済の笹を配るのが福娘で、関西ではこれに選ばれるといい縁談が来るとも言われている。まあ、一種のミスコンですね。学生時代、友人に誘われてえべっさんでバイトをしていた。もちろん、福娘ではありませんのよ。福娘の配る笹につける「縁起物」を売るバイト。大福帳みたいなのや、鈴などを販売する。私がやっていたのは、境内のなかのお店。境内外のお店とは「ご祈祷済」ってことで差別化してるらしい。そろいの黄色い半纏を羽織って、「こうてってー(買っていって)」と大声を張り上げるのだ。縁起物でこうてってもないと思うのだけど、大阪らしくてまあよろし。その縁起物がたしかひとつ1,000円!高いっ!3年やったけど、最後の年は1,500円位してたかなあ。いっぱいつけるほど、福が来ると言われてる。3日間朝8時から夜中の2時まで、どう考えても労働基準法違反の長時間バイト。寒いし、大声張り上げるし、縁起物を笹につける時に手に切り傷はできるし、とすごく大変なんだけど、バイト代もいいこともあって3年間やらせてもらった。なにより面白いしね!やってくる人を観察するのも面白いのだ。午前中はお年寄りや、会社関係の人。スーツ姿の人が多い。夕方からは家族連れや、会社帰りの人。深夜は、水商売関係の人。「ねえちゃん、全部つけてくれ」とかいう強面のオジサマもいたりして。ああ、「商売繁盛で笹持ってこい!年の初めのえべっさん」のテーマソングがよみがえってくるわ…。