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鉄道ジャーナリスト加藤好啓のblog 国会審議集

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2020.01.14
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テーマ:鉄道(22164)
カテゴリ:桜木町事故

​​​久々に国会審議議事録の桜木町事故をアップしたいと思います。

今回の審問の内容は、運転士がDコックの存在を知っていたかと言う点、そしてもう一つは、車掌がスイッチを扱ったが、開かなかったが、これは運転士が操作したからという証言に対しての反論と言いますか、運転士自身も操作をしたと言う証言をしております。
なお、度々引用していますが、当時の国鉄線の記事でも運転士自身がドアスイッチの操作を試みたが操作誤りか、何らかの理由でドアが開かなかった。
また、車掌が乗務していた後方の車両には電源が流れていなかったとも書かれています。

資料がなかなか少ない中ではございますが、できるだけ他の資料も探して見つかり次第追記させて行くこととしたいのでどうかよろしくお願いいたします。

​運転士はDコックの存在は知っていたのか?​

○鍛冶委員 それからスイッチの故障でドアがあかぬということは、今まででもちよいちよいありましたろう。
○中村証人 結局ヒューズなんか飛べばドアが全然あかない。
○鍛冶委員 そういうときは、どうしてあけておりましたか。
久々に桜木町事故の記事を更新させていただこうと思います。
ここで、運転士は故障の際の措置は訓練しているが、外から開ける訓練はしていないと証言しています。
また、Dコックの存在は知っているが、直接運転士が使うことはない、検査係が使うものであると証言しています。

○中村証人 そういうときは、やはり電気的の関係でありますから、ヒユーズを交換するなり不良箇所を発見するなり……。
○鍛冶委員 中であかぬときには外からあけるという訓練はやつたことはないですか。
○中村証人 ありません。
○鍛冶委員 実際もあけたことはないかね。
○中村証人 実際も現在までずつとありません。みな中であけておりました。
○鍛冶委員 そうすると外であけられる。Cコツクを引いてやるということを知つておつたかね。
○中村証人 それは知つております。
○鍛冶委員 それじやどういうときに使うのか。
○中村証人 結局Dコツクであります。そのDコツクというのは、自分としても、Dコツクというものはある、このコツクは検査か、中のエアを払つて掃除するときとか、そういうときにしか使わない、そういうような記憶であります。ただまああるという程度であります。
○鍛冶委員 それを切ればあくものだということは知つていましたか。
○中村証人 知つておりました。
○鍛冶委員 あけてみたことがありますか。
○中村証人 ありません。結局あけてみたいというより、ちよつと中間位置ぐらいにとつておれば、車掌がドアを扱つてもドアが全部あかないのであります。

ここで、実際に火の回りが早くて手の施しようがなかったとも言われており、運転士も本人も証言しているように、こうしたコックがあるという存在を聞いた程度ですから、仕方が無いと言えばそれまでと言えるかもしれません。

運転士もドアスイッチの操作を試みたと証言
更に質問は続き、車掌側でドアを開放できなかったのは、パンタグラフを下げた後であろうと証言しています、また運転士本人も切換スイッチを扱って操作したと証言しています。

○中村証人 車掌がドアをあけようとした、それであかないというのは、おそらく自分の考えとしては、パンタグラフを下げたあとだろうと思います。
○鍛冶委員 何かあなたが切りかえスイッチを切つていたためと言つておるが、そういうことは。
○中村証人 いやそういうことはありません。切りかえスイッチですが、切りかえスイッチというものは、車掌の方にもありますし、また自分の運転手の方にもあります。そのドアをあけるには、切りかえスイッチというのは、後と中と前と三つありますが、その後位置にしてドアをあける。車掌の方ではスイッチが後位置になつております。車掌の方から、電源があればあくわけであります。運転士の方でもドアをあけようと思えば、切りかえスイッチを後位置にして車掌スイッチを扱えば、運転士の方からでもあくわけであります。
○鍛冶委員 それじやもつと順序を追つて聞きます。あなたは切りかえスイッチを切らなかつたか。
○中村証人 自分としては、車掌スイッチをあけて、切りかえスイッチを後にしてやつたか、それはどつちが先にやつたか、はつきり記憶に残つておりませんけれども、自分としてはやりました。
○鍛冶委員 切つたことは切つたのだね。
○中村証人 はい。

これに関しては、再び国鉄線昭和26年6月号を参照しますと、運転士がドアを開けようとドアスイッチを扱った形跡があるということが書かれています。

 > 運転士も一度はやってみた形跡はあるのだが、慌てていたために切換操作を忘れたのか、あるいはその他の理由によるのか、運転室の方からドアを開けることはできなかった。

余談ですが、モハ63形に使われていたパンタグラフとは


バネ上昇式空気下降式と呼ばれる方式で、下降させる場合は下げシリンダに空気を送り下降させる。

大集電容量の電気機関車の場合は、空気上昇式自重下降式が採用されました。(戦時中のEF13は電車と同じPS13が使用されました。)
画像等は、東洋電機技報第108号2001-9 から引用

なお、モハ63形に設置されていたパンタグラフは、PS13形と呼ばれるパンタグラフで戦時中に製造されたパンタグラフでしたが、比較的長く利用され、戦後製造された旧型国電はもとより、初期の101系(モハ90)にも採用されていました。
なお、当時の電車で使用していたパンタグラフは、バネ上昇式空気下降式と呼ばれるもので、逆に電気機関車の場合は空気上昇式が採用されていました。
電気機関車の場合長期留置などで圧搾空気が少なくなるとパンタグラフを上昇できなくなるので、押し上げる光景などが見られたものです

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国家異議記事録本文は、以下の通り
**********************桜木町事故国会審問の議事録***********************

○中村証人 そういうときは、やはり電気的の関係でありますから、ヒユーズを交換するなり不良箇所を発見するなり……。
○鍛冶委員 中であかぬときには外からあけるという訓練はやつたことはないですか。
○中村証人 ありません。
○鍛冶委員 実際もあけたことはないかね。
○中村証人 実際も現在までずつとありません。みな中であけておりました。
○鍛冶委員 そうすると外であけられる。Cコツクを引いてやるということを知つておつたかね。
○中村証人 それは知つております。
○鍛冶委員 それじやどういうときに使うのか。
○中村証人 結局Dコツクであります。そのDコツクというのは、自分としても、Dコツクというものはある、このコツクは検査か、中のエアを払つて掃除するときとか、そういうときにしか使わない、そういうような記憶であります。ただまああるという程度であります。
○鍛冶委員 それを切ればあくものだということは知つていましたか。
○中村証人 知つておりました。
○鍛冶委員 あけてみたことがありますか。
○中村証人 ありません。結局あけてみたいというより、ちよつと中間位置ぐらいにとつておれば、車掌がドアを扱つてもドアが全部あかないのであります。
○鍛冶委員 それからさつきの話でよくわからなかつたのですが、車掌がドアのスイッチを扱つたがあかなかつたと言つておるそうだが、パンタグラフを下げておつたがためにあかなかつたのですか。どういうのです。もつとよく聞きたいのです。先ほどの説明ではよくわからないのです。
○中村証人 車掌がドアをあけようとした、それであかないというのは、おそらく自分の考えとしては、パンタグラフを下げたあとだろうと思います。
○鍛冶委員 何かあなたが切りかえスイッチを切つていたためと言つておるが、そういうことは。
○中村証人 いやそういうことはありません。切りかえスイッチですが、切りかえスイッチというものは、車掌の方にもありますし、また自分の運転手の方にもあります。そのドアをあけるには、切りかえスイッチというのは、後と中と前と三つありますが、その後位置にしてドアをあける。車掌の方ではスイッチが後位置になつております。車掌の方から、電源があればあくわけであります。運転士の方でもドアをあけようと思えば、切りかえスイッチを後位置にして車掌スイッチを扱えば、運転士の方からでもあくわけであります。
○鍛冶委員 それじやもつと順序を追つて聞きます。あなたは切りかえスイッチを切らなかつたか。
○中村証人 自分としては、車掌スイッチをあけて、切りかえスイッチを後にしてやつたか、それはどつちが先にやつたか、はつきり記憶に残つておりませんけれども、自分としてはやりました。
○鍛冶委員 切つたことは切つたのだね。
○中村証人 はい。​​​






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最終更新日  2022.10.04 00:20:52
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