カテゴリ:税金
今月7月6日に生命保険金を遺族が年金として分割で受け取る場合に、相続税と所得税の両方が課されることが所得税法で禁じられた二重課税に当たるとの最高裁判決がありました。
これについては、すでに7月7日にこのブログで書いてますが、また追加で少し書いてみようと思います。 FP税理士としては、非常に興味深い問題なので、今後も追っていきたいです。 社団法人 生命保険協会が、この二重課税問題で、公表している文章は次のようなものです。 『「遺族が年金形式で受け取る生命保険金に対する所得税の課税の取消しについて」 平成22年7月9日 平成22年7月6日、最高裁判決において、年金の各支給額のうち相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象とならないものというべきであると判示され、遺族が年金形式で受け取る生命保険金に対する所得税の課税が取り消されました。 この判決を踏まえ、課税取扱が変更されれば、生命保険会社で取り扱っている同種の商品に加入し、年金をお受け取りになっているお客さまについて、税金が還付される可能性があると考えられます。(ただし、課税取扱が変更されるまでは、現行と同様の取扱になることをお含みおきください。) 生命保険協会といたしましては、今後、税務当局宛に課税取扱について確認し、お客さまの立場に立って適切な対応を検討してまいります。 以 上』(ここまで、引用) http://www.seiho.or.jp/data/other/taxation/index.html 保険会社でも、この文章の最後の「生命保険協会」を「当社」と変えてホームページに載せているところがありました。 (なぜか、判決に触れていない保険会社もあります。) 今回の判決を受けて、どのような手続きで税務署が税金の還付をするか決まっていないので、しばらくは現行どおりの取り扱いで、適切に対応するとしか言えないのでしょう。 個人的な感想としてはいろいろあります。 ファイナンシャルプランナー(FP)としては、次のように思います。 保険金の受取方法を、一括での受けとりと年金型と選べる保険もあります。 遺族の方は、ちゃんと年金型で受け取るメリットやデメリットの説明を受け理解して年金型での受取を選ばれたのかな?という疑問があります。 生命保険の外交の方や保険会社の担当者の方からの説明が、よくわからないままなんとなく年金型で受け取っていた方があれば、今回の判決以前の問題としてお気の毒に思います。 税理士としての思いも、いろいろあります。 どのような計算方法で、二重課税部分を区分するのか。 何年前までさかのぼるのか。 どのような書類が必要か。 具体的な還付の手続きは。 還付の請求ができる期限は。 大きな疑問ですが、 今後、年金受給権と支払保険料の差額を亡くなった方の所得とみなし、所得税の対象とするようなことはないのか。 二重課税になっているパターンは他にもあるのでは。 などなどいろいろと疑問があります。 更生の請求や申告の手続き方法など、明らかになってくれば、またここで書いていこうと思います。 これから実際の現場で準備・対応される税務署の方も、心身ともにたいへんでしょうね。 ご自愛ください。 ーーーーーーーーーーーーーーー ファイナンシャルプランナー&税理士のHP 今一実税理士事務所 FP税理士会員システム(社長・会社向け) ーーーーーーーーーーーーーーーー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年07月30日 14時08分20秒
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