カテゴリ:暮らしを楽しむ
10月3日の日記です。
時差ボケが完全に治っていない為なのか、いつもより早めに目覚めた長女と手をつなぎ、ホテルの周りを散歩しに出かけました。 まだ眠りから醒めていないイスタンブルの街には、小さな早起き子猫ちゃん達がたくさん歩いていました。 開店前のお店は、前日の賑やかさが嘘のように静まり返り、澄み切った早朝の空気がとっても清々しい。 履きなれた靴の紐をギュっと結ぶと、どこまでも歩いていけそうな気持ちになりました。 このホテルは2泊したのですが、食堂にそれは可愛らしい猫の親子が住んでいて、朝食の時に出会えるのが楽しみでした。 2日目ともなると、子猫達も慣れてきたのか、最初は遠巻きに見ていただけなのに、子供達の手から直接食べるようになっていました。 食後、テーブルを立とうとしたら、猫ちゃんが私達の残したチーズを食べに来ていました。 普段から動物が大好きなのだけれど、日本の我が家はマンションで飼えないせいもあり、こんな機会でもなければ触れ合えないからか、長男は大喜びで猫ちゃんを見ながら踊っていました。 飼い猫なのか野良ちゃんなのかは分からないけれど、これだけ人に懐いているのは大切にされているからなのでしょうね。 愛くるしい猫ちゃん達でした。 猫ちゃんを見ているうちに、私はある方を思っていました。 日本にいる間、トルコに憧れるあまり、トルコに関して書かれた書籍は殆ど読破し、インターネット上でもトルコについて書かれた素敵なサイトがあると、読みふけったりしていました。 その中でも私が更新の度にお邪魔している大好きなブログが madamkaseのトルコ行進曲 です。 kaseさんは猫ちゃんを愛し、トルコを愛し、どんな困難があってもおおらかに対処していらっしゃる。 優しそうに微笑む写真を拝見しているうちに、お会いしたこともないのに、まるでずっと以前から知っている方のような不思議な感覚を勝手に抱いていました。 朝食後、カハラマンマラシュへ向かう為荷物をまとめていると、夫がホテルの部屋に飛び込んできました。 「kaseさんが 来てくれているよ! 早くロビーに来て!」 まさか!! お会いしたいとは思っていたけれど、本当にお会いできるなんて! しかも朝、猫ちゃんを見ながら 「kaseさんお元気かな?」なんて思い出していたばかり。 ドキドキしながらロビーに行くと、写真のままの笑顔でkaseさんが迎えて下さいました。 感激のあまり、涙もろい私はお会いできただけでウルウル。 しかも遠路タクシーを飛ばして、わざわざ会いに来てくださったなんて。 緊張のあまり何をお話したのかすっかり忘れてしまいましたが、せっかく出して下さったチャイを、長男がソファにこぼしてしまったりで、恥ずかしさのあまり、顔から火が噴出しそうになるのをこらえるのに必死でした。それなのに、kaseさんは優しく「小さな子は、目が離せないわね。あなたも大変ね」と濡れた長男の服を拭いて下さいました。 未だにあの出来事は夢だったのでは? と思うくらいです。 お忙しいkaseさんは、次の予定が立て込んでいらっしゃる様子で、外に待たせてあったタクシーに飛び乗り、颯爽と去っていかれました。 益々ファンになってしまったのは言うまでもありません。 私の宝物の写真になりました。 荷物をまとめ、Kさんの車でアタトゥルク空港まで送って頂きました。 マラシュの空港までは約1時間のフライト。 短時間のフライトなのに、飛行機の中ではチーズと野菜を挟んだサンドイッチかサラダのサービスがありました。 私と夫はサラダ。子供達はジュースとサンドイッチを頂いてご機嫌です。 眼下に見覚えのある山並みが見えてくるとマラシュはもうすぐです。 飛行機は大きく旋回しながら滑走路に降りました。 カハラマンマラシュにはアフルダーという大きな山がある為、吹き下りる風を避ける為、滑走路に降りる際、機体の向きを変えなくてはならないのです。 空港に降り立つと、夫の弟と甥っ子が出迎えに来てくれていました。 小さな空港なので、出迎えの場所から大柄な弟が手を振っているのが良く見えます。 久しぶりに会うアムジャ(おじさん)にテレテレになりながら抱っこしてもらい、たくさんキスをしてもらった長女。 長男や次男は初めて会う従兄弟に、目をまん丸にしていました。 ラマダン中ではありましたが、旅行者の私達。 「僕は断食しているから飲めないけど、イェンゲ(奥さん 私のことです)は何か飲みたいでしょ? この近くにMADOがやっているレストランがあるから、チャイでも飲んでいこうよ。家に着いたら、みんな断食しているから何も出せないからさ」 と流暢な日本語で弟が言います。 彼もつい最近まで日本で働いていたので、滑らかな日本語を話します。 お言葉に甘えて、チャイを飲みました。 一日に2本程度しか飛行機が発着しないマラシュの空港ですが、このカフェからは、飛行機がとても近くに見えるので、地元の子供達に人気があるそうです。 弟の運転する車で30分ほど走り、義父母の待つ家に到着しました。 家の前の路地には、甥っ子や姪っ子たちが勢ぞろいして、私達の到着を待ち構えています。 次々に抱きしめられ、キスの嵐。 我が家の子供達には、驚きの連続のようでした。 階段を登り、夫の両親と久しぶりの再会。 私と同じく涙もろい義母さんは、私をギューーーっと抱きしめながら 「この子は この子は!! もう3年も待たせるなんて!!」 と言いながら泣いてしまいました。 私も大感激で、「朝からずっと待ってたの」 という遠くの村に嫁いだ妹達とも代わる代わるに抱き合って再会を喜びました。 「せっかく会えたのに、泣かないで。私も泣きたくなっちゃう」ととっても可愛い顔をしかめながら妹の一人が泣き始めると、涙の連鎖でそこの部屋にいた妹達がみんな泣いていました。 こんなに愛されているなんて、私達って何て幸せなんだろう。 トルコの人達は情に厚いのだけれど、この人達はそれに輪をかけて情熱的だ。 夫くんは待ち構えていた、男友達とさっそくお出かけ。 子供達も従兄弟達と隣の部屋で遊び、路地に出て近所の子供達ともお友達になって遊んでいた。 私は4人の妹達、義母さん、義姉さん、そして初めて会う弟の奥さん達とおしゃべりをしながらイフタル(断食明けの食事 夕食)を待ちます。 カメラチャットで毎日のように情報交換をしているのに、どれだけ話しても話題が尽きることがありませんでした。 一緒におしゃべりをしながら、イフタル用のサラダを作りました。 トルコの女性はまな板をほとんど使いません。 床に座って、小さなナイフを器用に操り、野菜を刻みます。 お義母さんが、夫と私の大好物イチリキョフテとタルハナスープを作っていてくれたので、 お手伝いできたのはサラダだけだったのですが、みんなで美味しく食べました。 私が日本で普段着ている服は、この街にいると目立ちます。 (といっても綿のシャツにチノパンというオーソドックスな格好なのですが) なので、食後は義母さんと妹達一緒に、肌を出さない服を買いに市場に行きました。 両腕は妹達が競争でつないでくれます。 私の事を少しでも離さないという感じで、とっても可愛いのです。 長袖のシャツにくるぶしまである長いスカート。 スカーフも被ると、一番喜んでくれたのは夫でした。 「ねぎゅぜる! ねかだる ぎゅぜるすん!」 (かわいいね~ なんて可愛いの) べた褒めでしたが、鏡を見たらあまりの似合わなさに倒れそうになりました(泣) さすがにスカーフはムスリムになっていない為被らず。 夫は残念そうでしたが、外に出る時は被ることで納得してもらいました。 この日は、義父母の家で泊まります。 断食をしている敬虔なイスラム教徒の両親なので、両親宅に泊まる時は私も断食をします。 サフル(断食前のお食事)の太鼓を聞き、外はまだ真っ暗な明け方、3時頃に起きて朝食。 焼きたてのエクメッキ(パン)に義父のお手製ペクメズ(ぶどうのシロップ)と蜂蜜。 自家製のオリーブ漬けが本当に美味しい。 食べ収めにと、食後にはたっぷりお砂糖を入れた甘めのチャイを飲みました。 6日目の日記はこちらからどうぞ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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