夫が日本に出張に行った時に以前りおがお世話になった言葉の学級の先生のところにお邪魔した。
りおに診断を受けさせるきっかけを作ってくださった先生で、診断が出たことを伝えて、以前からりおを知っていた先生に何かアドバイスを頂けないかと伺ったのだ。
先生は、りおは自閉傾向にはあたらないと思っておられたそうだ。
友達とうまく係われないのは言葉が遅れていたことなどからのいわば2次障害であろうと考えていたと。
と言って、先生が自閉症のことをあまりご存知なかったわけではない。
実は、と話してくださったのだが、先生には自閉症の甥御さんがいらっしゃるのだそうだ。
お兄さんが相談を持ちかけたときには3才で、一目で分かる顕著な特徴を見せていたという。
先生は職業柄もあって特殊級を強く勧めた。普通では絶対、無理だと。
しかし、お兄さんは強く反対し、ずっと普通の学校で通し、勉強面では成功する。
今も自閉傾向ははっきりわかるということなので全くその選択がよかったかどうかはわからないのだけれど、そういう経験もあって、自閉症の子の教育というのは一概にどれがいいとはいえなくなったとおっしゃっていた。
私もりおの自閉度というのは薄いような気はしている。
少なくとも家庭内でのかかわりでは何の問題もなかったし、親との接し方など姉娘よりずっと、長けたところもあった。まだ幼児といっていい頃だったけれど、姉娘が叱られた後にいい子ちゃんしてお手伝いして見せたり、「お姉ちゃん、なんであんなことするんだろうねぇ」とどう考えてもわざとらしくいって見せたこともあった。
親の会話にも聞き耳を立てていて、よく入り込んでくる。
幼い頃のりおを振り返って、明らかに自閉と結びつくのはおゆうぎができなかったこと位だ。このことは共同運動ができない、という特徴にぴったり合う。“りおの突っ立ち”と夫と呼び合っていたのだけれど、踊っている他の子供を見て、なんでそんなことしているの?みたいな顔をしていた。
友達と遊ばないと言う傾向はあったけれど、全く係われない、人を無視すると言うのではなく、おもちゃや絵本を1人で見ているほうが好きと思えた。
でも、それならどうして言語に遅れが出ているのか。
知的にもボーダーではあるけれど、りおの昔のクラスに明らかに軽度の知的障害の同級生がいたのだ。でも、そのお子さんはしゃべるのはとても達者、特殊学級に通級していると聞いてびっくりした。診断をお願いした先生も知的問題と言うよりは自分から外に向かう力が弱いのだろうとおっしゃった。
どちらの障害が大きいかによって、教え方も変えたほうがいいと思うのだけれど、なかなかむずかしいみたい。