|
テーマ:REDSTONE(3541)
カテゴリ:獣之笛お茶の間劇場
人は、おれ様を盗掘王と呼ぶ。 なに?墓泥棒だろうって?冗談言っちゃイケナイ。 モノの値打ちもわからんやつらからお宝を守ってやってるのさ。 俺達は人間が栄光の展示場とか呼んでいる地下墓地を寝ぐらにして自由気ままに暮らしてきた。 ところがある日、そこへ突然まえぶれもなく8人の暴徒が乱入してきた。 やつらは強い火力と不思議な魔法のような術で俺達を襲う。 どうやらあの女、ロイエムのさしがねらしいが、受けて立つしかあるまい。 しかし、こいつらの強さは半端じゃなかった。 いかん明らかに劣勢だ!非戦闘員は待避しろ。 ば、ばか、釣られて持ち場を離れるな!カギを守れ!がら空きじゃないか! エルフばかり相手にするな、後ろから剣で狙われてるぞ! そこの軟弱そうな長髪の男をやれ! 「だめです、いくら攻撃してもダメージがすぐ回復されてます」 いきなりでっかい火の玉が落ちてきやがる、あんな至近距離でヤツラは平気なのか。 「やつらは非情です、だれも生かしておかないつもり…ぎゃああ」 お、おい!どうした、やられたのか? 「おさらばでございます盗掘王さま…」 「南門は突破されてしまいました。守り切れず申し訳ありません」 くっ、ついにここまで来やがったか。 守護鎧!大刀を叩き付けるだけの一本調子じゃダメだ。かわされるぞ。 「あああ、振り上げたスキに横腹に一撃を受けちまった。は、腹が凍った。動けません」 くっ!ほれみろ言わんこっちゃない。 「小道のカギを奪われました。ヤツラが侵入します。お逃げください」 逃げろったってどこに…、いや大丈夫だここに来る前には東の門番がいる。 おい門番、ヤツラをそこで食い止めろ…って言い終わる前にやられやがった。 なんてやつらだ、俺達ををまたたく間に殲滅していく。 おれ様も覚悟を決めるしかないようだな。 甘く見るなよ、ピンクのかわいい服を着てても身のこなしは人一倍…ナマクラな攻撃なんてかわしきってやる。 げっ!光の輪が飛んできた。あ、足が重い。 なんだこのチビは、人を指さすなっ! む、なんだ?!うっ腕が上がらん。刀が重い。攻撃出来ない。 あ、火の玉が、、、熱い熱い、消してくれ、うぁっ今度は水の塊か、火は消えたがダメージが…もう限界だ…。 くそぉ、これで勝ったと思うなよ、外にはまだ俺の手下がいるぞ。弔い合戦だ頼むぞ。。。 うん?静かになったな、みんなやられちまったのか…。 いや、かすかに声が聞こえる。 おつおめあり?ポタあり? なんの暗号だ?そうか、やつらの言葉か。どこの国の言葉だ。。。 あぁ…意識が遠のいていく、おれ様もこれまでか…。 ・ ・ ・ ・ ・ ハイ!みんな~、もういいよ~、お客は帰ったから。 お疲れさまでした~♪ 「ロイエムさん、今の客、ムチャクチャだよ。調子に乗ってかかってくるから衣装やぶけちまったぜ」 後で修繕に回しといて。だいぶ傷んできてるし、そろそろ新調したほうがいいかねぇ。 「俺の衣装も新調してくれよ。このピンク、ピエロの衣装の使い回しじゃないか」 考えとくよ。ところで盗掘王あんたさぁ、やられる時のセリフもう少し考えたら? ぜんぜん親玉っぽくないよ。 「なぁにサービスさ、ぶざまにやられてやったほうが優越感がくすぐられるだろ?」 あ、小道のカギ守ってるあんた。暗闇とか異常攻撃は、お客にBISが居る時は使っちゃダメって言ったでしょ。ちゃんと守ってよね。 「いや、テイマがペットけしかけてきたんでつい…すみません」 相手がペットだから気づかれてないだろうけど、すぐバグだとかなんとかクレームくるんだからね、気をつけてよ。 ただでさえ、展示場はつまずきやすいだの走りにくいだの言われてるんだからさぁ。 真剣にやらないと、お客をカニとか小墓に取られちまうよ。 あ、いけない時間だ、次のお客が来る。 早くみんな定位置に戻って!! あれ?東門はどこ行った?トイレ?まったく、、、急ぐように言ってよね。 みんな~、次のステージで今日は最後だから気合い入れてね~。 ロイエムがパンパンと高く手を叩き、MOBたちは持ち場に散って行く。 こうして展示場では、競合する秘密ダンジョンの多い中、一人でも多くのお客を獲得すべく、日夜経営努力が続けられている。 この後もさらに深夜営業の展示場アトラクションは続くのであった。<了> ***************************** クリア後もう一回入ると、さっきと同じこと繰り返してるんで…。 プレイヤーが帰った後の展示場秘密内の光景をなんとな~く想像してみました<(_ _)> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[獣之笛お茶の間劇場] カテゴリの最新記事
|