テーマ:Jazz(1968)
カテゴリ:★★★★☆
エリック・アレキサンダーは聴きたいが"One For All"は苦手なのである。あまりにもキメ過ぎていて本音が出ていないというか、もっとのんびりとテナー・サックスを聴かせてくれたっていいじゃないか・・・と思うのである。そこでこの作品の登場という訳だ。
このCD、9曲のうち6曲はエリック・アレキサンダーのワンホーン・カルテットなのだ。しかも、ピアノがシダー・ウォルトンというのが良い。エリックは胸を借りる気持ちでセッションに臨んだのだろうか、シダー・ウォルトンってこんなに優しいピアノ弾きだったっけ・・・と驚くくらいアレキサンダーを優しくサポートしている。3曲についてはスティーヴ・デイヴィスとジム・ロトンディが加わってセクセテット演奏となるが、全曲カルテットにして欲しかった。 1曲目の"Man with A Horn"からいきなりアレキサンダーのバラードで始まる。最初からバラードで始まるとは大した自信だ。2曲目"Unsung Hero"はアレキサンダー作のモーダルな曲。3曲目は"A Time For Love"。出だしのルバートのトロトロ感が良い。4曲目"GCCJ"はセクセテット演奏。この曲はアレキサンダーのオリジナルで、ジョージ・コールマンとクリフォード・ジョーダンのイニシャルを曲名にしたものらしい。ライナーにもジョージ・コールマンに対するアレキサンダーへの賛辞が書かれていたが、言われてみれば確かにジョージ・コールマンの影も見えるような気がする。5曲目"Midnight Waltz"はウォルトンの曲。セクステット演奏のテーマはどことなくジャズメッセンジャーズのような感じである。6曲目はカルテットに戻って"My Shining Hour"。このようなテンポの速いスタンダードをストレートに吹きこなすあたりがアレキサンダーの凄いところだと思う。7曲目は"Stars Fell On Alabama"。どことなく間の抜けたこの曲もアレキサンダーは魅力的なバラードに大バケさせている。この曲を聴いてお腹一杯となり、後の2曲は正直どうでもよくなってしまった。一応書いておくと、8曲目はセクステットでスティーヴ・デイヴィス作の"I Found You"。9曲目がカルテットに戻りウォルトンの曲"Fiesta Espanola"を演奏して終わる。 このCD、録音が良くないのか高域に伸びが無く、ハンク・モブレーのモノラル録音のような音になってしまっている。狙って作った音かどうかは疑問。 猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5) Eric Alexander / Man With A Horn (Milestone) 国内盤ジャケット写真はこんな感じでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月19日 17時39分10秒
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