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カテゴリ:子どものミカタ
「見て判らんやつは、聞いても判らん」
これは、小学生の頃、クラスメートに言われた言葉。 他にもある。 「いくら成績がよくても、 性格が悪くてはねえ」 「努力しているやつは、(自分の指の第一関節を指差して) ここのしわのより方が違う。 (私の指を見て)まだまだ努力が足らんなあ」 極め付けは、両親が離婚することになって 姓が変わるのだと告げたあとの友人の言葉。 片手を指し示して広げてみせる。 これまでの姓名が五文字、 これから変わる姓も五文字。 なんども指をなぞらえながら、 現在の姓名と、新しい姓をつぶやく。 「な、これ、判るやろ?」 ごめん、私、判らないわ、と言えない辛さ。 彼は一生懸命に、両親の離婚を拒んでいた。 ちゃんと気持ちは伝わって来たけれど、言えなかった。 君は、本当は嫌なんだよね。 判りたくもないんだよね。 後日、母にこのことを話すと、いきなり泣き出した。 親に言われて悔しかったこと、 親が言ってくれて溜飲が下がったことを、 日頃から目障りな相手に 敢えて言ってみる。 だって、言わずにいられない。 他に聞いてくれる相手もいないし、 こういう言い方をすれば、 「相手も困惑して追い詰めることができるかもしれない」 「私は違うけれど、あんたはもしかして(性格悪いんじゃない?)」 と、伝えられる。 ごめんよ。 当時、私は何となく優等生で、 先生がたの覚えも愛でたかったし、 しゃくに触る存在だったんだろう。 言われてみて、半分は判るけれど、 もう半分は釈然としない。 そんな言葉を、敢えてぶつけてくれたんだよね、私に。 言われた瞬時にそのことを理解出来たこともあれば、 随分経ってから腑に落ちたこともあった。 どっちにしたって、 親に言われて、悔しかったり 情けなかったりしたんだよね。 今、言えることは、 「黙って聞き流すふりをして、 ごめん」 ちゃんと理解していたよ。 嫌がらせとか、虐められたなんて、思ってない。 もしかしたら、言われた言葉に衝撃を受けて 泣いたほうがよかった? でも……。 一番哀しくて、泣きたくなって、 どうしようもなくて、 本当に困惑してしまったのは、 片手を広げて、現在の姓名とこれからの姓を 何度も指でなぞってみせた 男の子のこと。 親御さんたちの謎かけを理解しようと 彼なりに一生懸命に考えていたのに。 彼の信頼に、私は応えられなかった。 というよりは、度胸がなかったのかな。 子どもにしてみれば、 おとなのごちゃごちゃした関係は、 理解のらち外! お願いだから、おとなのごちゃごちゃに 子どもを巻き込まないでね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.22 02:32:20
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