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カテゴリ:愛すべき仲間たち。
仕事がらみで「あなたの子育てについて教えてください」という
インタビューを行ったことは、以前書いた。 テーマがあって、そのテーマに沿った一流の方に話を聞き、 噛み砕いて記事にまとめる、普段の仕事。 糸井重里さんがおっしゃっていた“まかない話”も たくさんお聴きすることが出来て、 それが記事に厚みを与えてくれる。 その方の人となりも感じられて、 インタビューは大好きな仕事の一つだった。 でも、一般の方にじっくり腰を据えてお話を聞くのは、 「子育て」が初めてのことで、 どこまで話していただけるのか、本当は不安だった。 いざ始めてみると、予想に反して、 予定時間をオーバーするくらいに、 たくさんたくさん話してくださった。 お会いしたどの方も、本当にたくさん話してくださった。 インタビューシートに基づいて、ひたすら相手の話を聴く。 皆さん取材を受けるなんてことは初めて。 あんなことがあった、そうそう、こんなこともあって、 と、当時のことを少しずつ思い出しながら答えてくださる。 一人一人の特別な思い出。 アルバムには残らないけれど、 こころの奥に大切に仕舞われている宝物。 出来事だけじゃなく、その時々の思いも添えられる。 うん、うんとうなずく私。 話すうちに、相手の方の表情が変わってくる。 ほっとしたような、 あるいは溜まっていたものが吐き出されたような、 柔らかな表情。 みんな思いを溜め込んでるんだ。 テープを起こしながら、 この溜め込んだ思いをひたすら聴いてくれる人がいたら、 もっともっと楽な気持ちで日々を過ごせるのかもしれない と思うようになった。 ほら、キリスト教には懺悔という習慣があるでしょう? 教会の懺悔室で自分が犯した罪を語り、 神に許しを乞うというもの。 別に具体的な罪なんて犯してないけれど、 「私は教えに背いて、こんなことを思ってしまいました」 という場合も、告白する。 ただ話すだけじゃなく、 ちゃんとうなずいてくれたりするから、 いいんだよね。 言葉のキャッチボール。 「そうだね」のひとことが聴きたい。 似たような境遇で、ちょっとだけ立場が違う人。 同じような経験をしていて、 こころからの共感を持って耳を傾けてくれる人。 以前紹介した「傾聴」と似ている。 インタビューって傾聴なんだなと あのときは共通点を見いだしたようにも思ったけれど、 本当は似て非なるもの。 ただ、「子育て」のときは、 自分自身の経験も蘇り、 「そうよね」の気持ちが強かったかもしれない。 だから、たくさん話していただけたのかな。 そんなこともあって、 たまに出会った人に、こんなことを言ってみる。 「何かあったら話を聴くよ。 聴くだけしか出来ないかもしれないけれど」 こんな言い方では、誰も話しに来ないけれどね。 でも、いつでも用意だけは出来てるよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.10 11:01:25
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