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カテゴリ:子どものミカタ
例の不機嫌な妹が、
恒例の秋の国際学会出席で出かけるらしい。 行き先は、既に本人から聞いていて、 今回はアメリカ・カリフォルニア州のサン・ディエゴ。 著名な脳科学者も参加なさるとご本人のブログで知り、 おお、じゃあ、同じ日程かと思いきや、 そうではないようだ。 「アメリカ出張の日程をファクシミリで送って来たわ」 例によって、母から電話が来る。 ぎりぎりではあるけれど、海外出張に限っては、 電話ないしはファクシミリで予定を知らせてくるあたりは、 一応親思いな娘ではある。 「で、本人からも電話が来たんだけれど、 夕べ大学に泊まってたらしいのよ」 ほお、この忙しいときに、もしや当直ですか? 「そうじゃないみたい。 でも、今日飛び立つはずなのに、まだ大学らしいの。 大丈夫なのかしらね」 私たちの頭をよぎるのは、乗り遅れる心配。 心配しても仕方がないからと、 別の話題を振る。 「どこの公園だか忘れたけど、 噴水で水遊びする子どもたちの歓声がうるさいからって、 裁判所に訴えたひとがいたのよ」 子どもの声まで騒音と見なされる時代になったのかと、 嘆く声しきりの事件の話をしてみる。 原告は事情があって家で過ごしている。 子どもの声だからと我慢していたが、 体調の悪いときには我慢出来ないほどで、 防音壁を作って欲しいと 再三行政側に訴えたものの取り上げてもらえなかった。 そこでやむなく、噴水使用を止めて欲しいと 裁判に訴えることとなった。 実際にどのくらいの騒音なのかを測定してみると、 騒音と認定出来るレベルだったらしく、 噴水使用を差し止める判決がくだされた。 この事件を母は知らなかった。 「そんなのひどいじゃない!」 いきなり母が怒り出す。 「水遊びなんて、子どもたちには 一番楽しい遊びなのに、 それが出来なくなっちゃうなんて! ただでさえ、遊び場が減っているというのに、 どうして?!」 いきさつを説明すれば、さらにエキサイト。 「行政がいけないのよ。防音壁作ればいいじゃない」 ま、そうすれば、騒音も減り、 水遊びも続けられるから、いい解決策ではあるよね。 でも、何故行政は防音壁を作ろうとしなかったんだろう……。 どのくらいの経費がかかるのかは、 恐らく簡単に調べられるはず。 何度もしつこくお怒りの言葉を繰り返す母。 話しながらも、解決策へと徐々に内容が変わって行く。 防音壁設置を行政が行っていれば、 子どもたちの遊び場が減ることはなかったらしい。 ということは……。 「利用者は不特定多数だから、 行政に防音壁を作ってもらうよう訴える裁判を 起こすのは無理なのかしら」 ま、リーダー的な存在がいれば、 そういう動きも出来るけど、さて、どうでしょうか? 母のお怒りもごもっともだけれど、 うろ覚えではあるし、 当事者ではないから、本当の理由はわからない。 電話を切ったあとで。気がついた。 もしかしたら、安全上の問題かな? 外壁に囲まれた公園は、安全とは言えない。 公園の内側が完全な死角になってしまう。 いやはや、ほんとに難しい時代になってるよ。 国土の広いアメリカやカナダでは、 広すぎるが故に公園周辺には人気がない場合が多く、 公園で遊ぶ子どもに必ず監督者=保護者の同行を求めてる。 保護者が同行出来る環境が整えられていないと、 子どもは公園で遊べない。 日本の場合は、狭いところに様々な要素がひしめき合って、 お互いが気持ちよく共存するための方策を 探って行く必要に迫られてる。 共生って簡単に言うけど、 ほんと、実現させて行くのはとても難しいなんだなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.03 12:33:45
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