amazing baby

小学2年生のときに、弁論大会のようなものに出場、
壇上で話すうちに次に話すべきことを忘れて
数分間絶句した経験を持つ私。

別にそれがトラウマになった訳ではなくて、
人前でまとまった話をするのが大の苦手。

何と言っても、私の周囲には
話のプロがたくさんいて、
テレビでも何でも平気でしゃべっちゃうんだから、

別に私はそんなこと出来なくてもいいや、黒子だし

という具合に、お任せ出来る人材に恵まれてきた
ということもあるだろう。

で逃げ続けてたんだけど、
逃げ切れない義理ってなものもない訳じゃなく、
とうとう人前で話すことになってしまったのだった。

ともかく20分話せということで、
話し始めたのはいいけど、話すそばから
頭の中は真っ白になって、
なんども絶句しそうになる。

超真面目の聴衆のみなさまは、にこりともしないし、さ。

いやいや、恐らく、こちらの顔が引きつってるから、
誰も笑えないんだろうと思う。

もう、気分は、玉砕！ってな感じ。

なんとか終えることが出来て、
ほかの方々のお話に耳を傾けてたら、
さらに発言を求められ、
「申し訳ないのですが、話すべきことを忘れてしまったので、
　順番をあとにしていただけますか？」
とあり得ないリクエストまでしてしまう。

えっと、これはシンポジウムで、
数名のパネラーが、それぞれの立場で
順繰りに状況説明や意見表明のような話をして、

その後に課題などが明確にされて、
それを受けてさらにコメントを回す

というオーソドックスな流れ。

パネラーが順番をあとにしてくれなんて言う
シンポジウムなんて、
未だかつて見たことなかったわ。

ううっ、やっちまったぜ＞ぢぶん。（泣）

終わったあとで、フロアにいらした顔見知りの
偉い先生にご挨拶。

「いやあ、僕もドキドキしちゃったよ」と言われてしまう。

やっぱり……。（うなだれ～）

家に帰って、夫に
かくかくしかじかで玉砕した気分だ
と報告すると、

「おおお、それはお疲れだったね。
　僕も、いきなり20分も一方的に講義なんて
　できないよ。
　教えるのは得意だけど、さ。
　そりゃあ、大変だったねえ」

と、慰めてくれた。

玉砕＝大失敗したのも久しぶりだけど、
こうやって夫が心から労い、慰めてくれたのも
ほんと、久しぶりだわ。

体当たりで玉砕したからなあ。
いやあ、意外とすっきりした気分ですわよ。

これ、今度なんかのネタにしてみよう。

そう考えると、何となく立ち直れそうな気がしてくる。
転んでもただじゃ起きないくらいには、
図太くなってきたのかしら？

いやいや、それだけおばさんに近くなってきたってことか？