amazing baby

マンション管理組合の新年会。
こういうことは夫の担当なのだが、
何となく今年はついて行ってみることにした。

ともかく時間厳守ということらしいので、
焦って会場に向かう。

地元商店街の割烹料理の店。

実は行ったことがない。
並びには
TVチャンピオンにもなったことのある寿司屋があり、
こちらは行きつけに近いくらいなんだけれど……。

理事長以下、役員のみなさまと
管理会社の担当社員、管理人さんご夫妻、
清掃担当の方々が既にご着席。

片隅に女性専用の席があるのだけれど、
夫婦同伴の場合は、普通の席に夫婦で着席。

かつて役員だったときに、一度だけ
会議に出席したことがあるだけで、
まずもってご近所付き合いには苦手意識が先に立ち、
敬遠して来た。

もしかすると、これで地元デビューか？

向かい側には、同じフロアのＳさん、Ｍさん。
夫とＳさんとはすっかり顔なじみ。

しかも、Ｓさんは
私の実家の隣の市で幼少時代を過ごしたらしく、
話題に共通点があるとのこと。

ふーん。

宴も終盤近くなって、
いきなり私に振られた話題が
「M上春樹をご存知ですか？
　僕は、彼のお父さんの教え子なんですよ」

ぎょええーっ！
実は私、彼の中学の後輩に当たるんですよ。

かつての恩師が亡くなったとき、
葬儀に列席して、ご子息とも雑談を交わしたとか。
さらに、村上春樹のかつての住まいが、
実家のご町内だったことまで教えられる。

ひょええーっ！
そこまでは知らなかった……。

おまけに、例の元海岸線を走る
旧防潮堤の話にまで及んで、
夫が隣で苦笑い。

あまりにローカルな話題に、
Ｍさんはついて行けない。

理事長夫人にご挨拶を交わし、
「（町会の）婦人部に遊びにいらっしゃい」
と言っていただき、
本当の地域デビューに王手をかける。

帰り道、
「あんなこと言っていいのか？」
と夫に訊かれるも、
これから先は地域にも貢献しなきゃ
と思っていると応える。

ふうう。
まさに“ご町内”のうわさ話で終始した新年会。

これだから地域人材って侮れないのよね。
怖いわ。（苦笑）