amazing baby

今期、TVドラマは何を見ているかと言えば、
次のようなラインナップ。

水曜日：日本テレビ「アイシテル」、
木曜日：フジテレビ「BOSS」、FOX「NUMBERS」、
土曜日：TBSテレビ「Mr.Brain」、FOX「American Idol」
日曜日：NHK「天地人」、FOX「American Idol」

FOXはCATV。
こだわってないけど、ほかにも「Dr.House」や
「リスナー」、「ゴースト」などなど適宜観ている。

でね、今日は塾帰りの娘と一緒に「BOSS」を観て、
そのあと「NUMBERS」の日だったのに、
塾に出かける娘からこう言われてしまったの。

「AO入試のエントリーシート、
　今夜添削してね」

作文ならいくらでも添削致しますが、
それはもう、先日済んでしまったじゃありませんか。
残すところは、マインドマップでもチャートでも
イラストでも、何でもOK。
それでも、志望大学のOGからの意見を
要求なさいますか。

“アフター5”の楽しみなのにぃ。

1話完結の「BOSS」開始と同時に娘が帰ってくる。
知らん顔して観てたら、
娘もちょこんと床に座って観ていた。

おいおい、エントリーシートはどうした？

父親による被虐待経験のある心理学科教授が
弟の死を受け入れられずに解離性同一障害、
いわゆる多重人格となって引き起こす連続殺人事件。

このドラマも、毎回ゲスト出演者が犯罪に深く関わる
夫に言わせれば、「配役で犯人が判ってしまう」ドラマ。

でもね、今回のゲスト俳優が現れる瞬間、
足下の映像だけで、
娘はその俳優さんが判っていたみたい。
顔が映されるなり、「きゃっ、やっぱり」だって。

なぜ判るんだ？

ドラマが終わって、一旦娘が部屋に戻る。
テレビゲームでくつろいでいた夫が
睡魔に勝てず、入浴。

私は相変わらずテレビの前にいて、
チャンネルを切り替える。

お風呂を上がった夫が食卓の前で歯を磨く。

そのつもりで「NUMBERS」の途中で
後ろを振り返ったら、
夫が座っていた場所で娘がエントリーシートに
挑戦していた。

切羽詰まったときなどに必ずしてしまう仕草など、
誰にでも必ず特異的な行動様式があり、
それをアメリカンイングリッシュでは「テル」と言う。

Tell？

勝負事では、相手の「テル」を見抜いた者が
有利。
勝ちたければ、人間観察。
それが対戦するこちらの余裕につながる。

天才数学者が数学理論を駆使して事件を解決する
というドラマなのに、やけに人間臭い展開。

ふーん。

数学の天才に、
数字じゃ理解し得ない人間という存在への理解を
促していく父親に、心の中で乾杯！

「一応書いたから、添削しといてね。
　お風呂入ってくる」

ドラマ終了と同時に、娘に耳打ちされる。

悪いけど、これじゃダメだろ。
というところであれこれ書き込み、
欄外には、文章化する前に必要な視点を
いくつか書き込んでおく。

「もう！　お母さんったら、
　（小論文の）先生張りの書き込み」

お風呂上がりの娘が文句を言う。

あのさ、これ、イラストで表現したほうがいいよ。
こういうイラストで、そこに文言を添えるの。

エントリーシートの裏面が、
なぜ原稿用紙風になっていないのかを
まず理解せよ。

あらゆる表現手段が使えるんだぞ。

このシートは言わば自己紹介。
どの程度社会現象に興味があり、
外界への興味はどの程度で、
何より、あんたどんな人？

与えられた課題に、どのような表現で応えるか。
そこで、「こいつに会いたい！」と思わせなきゃ、
負け。

AＯ入試で受かるのは、まさにAＯ入試に向いている人物。

そう、進学説明会で言われたでしょ？
これ、かなりハードル高いと思うんだけど。

あなたと私の大きな違いについて、私は熟知している。
でも、あなたはその違いを知らない。
それは仕方のないことだと思うけど、
これだけは言える。

30年以上前にもしAＯ入試があって、
どうしてもこの大学に入りたいと思っていたとしたら、

試験担当者を出し抜く方法にも、私は熟知していたと思う。

でも、実際には一般入試しかなくて、
それで合格したんだけどね。

この世の中を生き抜くには戦略が求められる。

エントリーシートを
参考意見なしに完成させてやる！くらいの気概がないと、
AＯ入試突破は難しいと思う。

人生の先輩として、あなたの両親は非常にシビアだよ。