amazing baby

間欠的に土砂降りの雨が降るという予報どおり、
昨夜から、時折激しい雨音が聞こえる。

目の不自由な方のため
新聞のコラムや本などをテープに吹き込む
音訳ボランティアに参加している母にとって、
夜中の雨は迷惑。
人々が寝静まった時間帯に音訳を行うため、
あまりに激しく雨が降ると、
マイクが雨音まで拾ってしまうので仕事にならないからだ。

それでも午前３時までは
仲間が吹き込んだテープの校正と
新たな吹き込み作業に勤しんだらしい。

夕べ母が吹き込んだテープの校正を頼まれる。

原稿を片手に、テープを聴いていく。
下読みをしてから吹き込んでいるので、読み違えはない。
が、イントネーションやアクセントの違う箇所があり、
そうした部分は丸で囲んでいく。
時折「噛んでいる」箇所もあって、笑ってしまう。

ひととおり終わったところで、
今度は母が仲間のテープを校正。

聞きながらなにやら母はぶつぶつ文句を言う。

外出の準備をしながら、私も
聞こえてくるテープの声に耳を傾ける。
ああ、なるほど、こりゃ関西弁の「ホットケーキ」だ。

一応標準語を基準に読んでいるはずだから、
それを基準に文句を言ってるのか……。

生まれも育ちも関西だと、こういうとき苦労しそうだなあ。

ある程度までテープを聴いていくと、
基本は標準語に準拠しつつも、つい関西弁が出てしまう
ということらしい。
イントネーションがおかしい箇所をチェック、
まとめて「チェック箇所は標準語に」と指摘しておけば
と提案してみる。

東京生まれの東京育ちは、
地方出身者のイントネーションなどに容赦がないからね。
娘なんて、母たちの吹き込んだテープに
いつも文句を言うんだよ。

関東人には関東人特有の癖があるっていうのにね。
ふふふっ。

ようやく空が晴れてきたようなので、
息抜きに外出することにする。
要は、母と子でお買い物。

大阪駅周辺は再開発の真っ最中。
阪急デパートの建て換え第一期がそろそろ完成で、
お次は阪神デパートも建て換えるらしいよ。
そのおかげ？でかなり気合の入ったバーゲンセールが
長々と続いていることを知る。

知ったからって、別に財布の紐が緩むわけじゃないけど。

母と娘とで、一緒に売り場を冷やかすのが
楽しいのだ。
たくさんお勧めして、楽しんでいただく。
人様の売り上げに貢献するつもりはないけど、
そういうやりとりを楽しみたくて、
母と娘とで出掛けるのだ。

あくまで親孝行のつもり。(苦笑）

神戸へも足を伸ばす予定だったのに、すっかりくたびれて
結局芦屋で降りてしまった。

私がくたびれたことにしておいたけど、本当は違う。

だんだん無理が出来なくなってきているなあ。
もっと母のこと、いたわらないとね。

気持ちは年老いてないけど、からだは正直だからして。

ようやく自分のやりたいことに集中できるようになった母。
少しでも長く、楽しんでもらいたいと思うのだ。