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カテゴリ:食べ物
これまで何度かご紹介してきているフランス人の和食の食べ方。
今日もテーマはフランスにおける和食です。 最近、海外の和食認定?推奨?制度みたいな話題が出てますね。 カリフォルニアロールを作ったアメリカが怒ってるとか。 カリフォルニアロール・・・もともとお寿司こだわり派じゃない私は、こういう変わり寿司を自分で買ったりすることはありませんが(パリでも売ってます)、食べたら結構おいしいと思います。でもいわゆる伝統的なお寿司にこだわる方々には耐えられない一品なのかもしれませんね。 でもアボカドって海のマグロって言うんでしたっけ?(あれ?言わない?)わさび醤油で食べたら結構マグロみたいな味になるって聞いたことがありますが。 海外に長く暮らしていると、我々日本人でもなんちゃって和食を作っちゃうことはあります。まあ和の味を知ってる我々ですから根本から変えるってことはないにしても、材料なんかは全部を日本食材店で買い求めると非常に高く付きますし、それでも全部揃うかどうか・・・。そういうわけでこちらで普通に買える材料で代用ってことはしょっちゅう。私はアボカドをわさび醤油で食べたことはないんですが、もしそれがマグロっぽい味になるというのであれば、それは我々が日常的にやってる代用品みたいな感覚でOKのような気もしますし、批判よりむしろよく少ない材料で日本の味に近づけてくれたって歓迎してもよいのではないかとも思います。実際自分でアボカドがマグロの代わりになるって発見したら喜びやら誇らしさを感じることでしょうし。 ヌーヴェル・キュイジーヌと呼ばれるもの。 あれだって言わば伝統を逸脱して新しい材料、新しいレシピを取り入れた料理のことですよね。カリフォルニアロールだってそのヌーベル・キュイジーヌの類なんじゃないかなあと思うんですが。ただヌーヴェル・キュイジーヌと呼ばれるのには少々高級じゃないとだめなのかな?高級料亭でフランスの食材、フォアグラをうまく使った料理が出たら誉められて、スシバーでアボカドを使った寿司が出たらこれは和食じゃないと言われるのは少々おかしい気はします。 私もこの制度についてはインターネットの短いニュースしか見ていないのでどういう店が推奨の範囲でどういう店が選から漏れるのかなんてわかりませんが、もしそれが上記のごとく店のグレードも関係するならやはりちょっと違うような気がしますね。 ・・・なんて頭の中ではきれいごとですが、実際はどうなんでしょ? 実際に氾濫するなんちゃって日本食を目の当たりにすると気持ちは複雑です。 私も日本人、「工夫」はよいですが「ごまかし」は受け入れ難いわけです。 例えば中華系の人が経営しているなんちゃって日本食レストランで出てくる「SAKE」と称して出てくるアルコール。 中国語でもSAKEと発音するお酒があるのなら話は別ですが、一般的にSAKEという日本語はやはり日本酒を指すのではないかと思います。それをSAKEといいつつ中国のアルコール度数の高いお酒を出すのはやめてほしい。これは日本酒を愛する私からのお願いです。このおかげで一体どれほどのフランス人達があの中国酒=日本のお酒と勘違いしていることか。それで皆一様に「日本酒嫌い」と言うのですから勘弁してほしいですよね。 年末、日本風お米を仕入れにまたまた中華スーパーに行きました。 そのスーパーにはちょっとした日本食コーナーがあり(まあ若干韓国製品も混ざってますが、そこはご愛嬌)、そこにお米もあるのですが、年末に行ったらなんとお米売り場は空っぽ!中国のお正月はまだ先なのに、なぜに日本風お米が売り切れるのか少々疑問だったんですが、お客さんは全員が中国系ってわけでもないんですよね。新暦で大晦日にパーティーをやる人々の中でお寿司を作ろうと思った人が一際多くなったのかもしれません。もしそうだとしたらこれはうれしいことです。隣の棚に並んでいるはずのいつものお醤油も売り切れでしたから、ほんとにそうなのかも。 いつものお醤油がない・・・というのはこれまた誤算だったんですが、しかたなく別メーカーのを買おうかと思案していると、そこへ2人の若いフランス人女性が現れました。何かを探して棚を必死で見ていましたがどうも見つからないようで。そこへ私に質問が来ました。この売り場にいるとよく和食について質問を受けますので、ほーほー、また来たか。と思いつつ、どうしましたかあ?と笑顔で答えると・・・。 「甘いソースってどれですか?」 甘い・・・? すぐになんとなく甘い感じの焼き鳥のタレとかを思い出したのですが、念のために用途を聞いてみると 「MAKI用の」 これで多少キレました。 MAKIというのはもちろんお寿司でものり巻きの方です。 お寿司は甘いソースでは食べんだろ・・・。 お寿司用のお醤油を指して、こういうののことじゃないんですか?と怒りを堪えて聞くと、 「それって辛いんですよね?そうじゃなくて甘いやつです」 とはっきり言うではないですか。 そこで放っておけばよかったんですが、私も日本人のはしくれ。甘いソースは許せない。 「日本ではお寿司は塩辛いお醤油で食べるものであって、甘いソースはありえない。」と和食認定制度の認定者であるかのような口をきいてしまいました。 ところがその彼女、 「それでも私は日本食の店でそうやって甘いソースでMAKIを食べておいしかったから、あのソースがほしいの」 これにはさすがにクラッときました。 いったいどこの日本食の店が客にそんな食べ方をさせているのか・・・。 悪気はないんですが、ふと雑誌で見かけたレストランの看板の文字が目に浮かびました・・・。 まあこの店自体知ってるわけじゃないのでここだと決め付けるわけじゃないんですが、なんとなく字体が甘いソースをつかってお寿司を食べさせるイメージというか。 でもどのように食べようが、第三者がどのように思おうが、食べる本人がおいしいと思う食べ方が一番なんでしょうね、きっと。 日本人としては外国の皆さんに本当の和食を味わっていただきたいとは思いますが、好みを無視して、これが本物とばかりへたをすると押しつけることになるかもしれない・・・。うーむ、なかなか難しい問題ですね、これは。 いつも応援ありがとうございます。今日もクリックどうぞよろしくお願いします。 → 日常のパリの写真はこちらでどうぞ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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