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猫の慢性腎不全における食事療法の理論と実践

猫の慢性腎不全における食事療法の理論と実践

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2008年03月01日
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カテゴリ:慢性腎不全
コメントにいただいた質問ですが、長くなりそうなので今日の日記でお答えしたいと思います。

>慢性腎不全に、利尿(効果)は必要なのでしょうか?

それはケースバイケースだと思います。
私がすぐに思いつくところでは、降圧効果を期待して利尿剤を処方されることがあります。水とNaを一緒に体外に出してしまえば循環血漿量が減りますので血圧は下がります。高血圧は腎臓を直接傷める要素なので厳重なコントロールが必要です。
尿がでているのであれば(残腎機能があれば)できるだけ(薬の力を借りて)尿を出させようという考え方もあると思います。
しかしすべての腎機能が低下した患者さんに利尿剤が処方されているか、というとちょっと私にはわかりません。チャンスがあれば薬剤師さんに聞いて補足します。


>食事の工夫で、利尿作用のある食品を取り入れる方がいいのかどうか

実は何度か患者さんや患者さんのご家族、あるいは病院職員から「利尿効果のある食品」について尋ねられたことがあります。
誠実にお答えするならば「そもそも食品に利尿効果を求めるのは無理があるのではないでしょうか」です。

なにをもって「利尿効果のある食品」と一般にいわれるのでしょうか。
短時間ググッてみましたらあるわあるわ・・・。

「利尿作用により余分な塩分を排出してくれるので、腎臓や高血圧の予防に役立ちます」

有効成分:(1)カリウム (2)クエン酸 (3)タンニン (4)イソクエルシトリン (5)クルクミン (6)スコルジニン (7)カフェイン (8)サポニン (9)シトルリン
などなど。

正直言いまして(4)(5)(6)(8)(9)なんて単語自体ほぼ初耳です。(5)と(8)が聞いたことあるかもしれない・・・レベル。もちろん説明なんて無理。


さて。とりあえず筆頭に来た(1)カリウム の利尿効果についてぶった切ります。

カリウムに利尿効果は「無い」です。

「アスパラK錠」という低カリウム血症の患者さんに処方される薬があります。これはいわば「カリウムを補う」ことに特化された薬です。
アスパラK錠の「効果・効能」に「利尿効果」と載っているでしょうか?  ありません
では「副作用」には載っているでしょうか?  ありません
カリウムを補給する目的で処方される薬=アスパラK錠に「利尿効果」は期待できません

第六次改定 日本人の栄養所要量 食事摂取基準(1999)のp148からp152までカリウムについて述べられています。利尿効果については一切記述がありません
カリウムの高摂取が血圧を低下させることは多くの論文で報告されているそうですが。

ネット上で流布する(カリウムに利尿効果がある、とする)情報に関しては、どこかで勘違いが生じてしまった結果なのではないでしょうか?


腎機能が低下した猫さんにできるだけ腎臓にいいものを食べさせたい。飼い主さんならみんながそう思うことでしょう。

しかし利尿効果があると誤解されているカリウムを豊富に含む食品は、腎機能が低下している猫さんには(もちろん人間にも)むしろ禁忌です。(低カリウム血症の場合はまた別です。)

(それ以外の細かな成分については即答できないのですが、とりあえずカリウムをぶった切ったことで一段落)







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最終更新日  2008年03月01日 19時14分30秒
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