フェリーニの「道」を、冷静になって見てみると
大好きなフェリーニの映画作品「道」。ラ・ストラーダ。初めて見たのは、煎餅の出る早稲田のミニシアターだったか。その後、名画座やテレビ、ビデオと何回も見ている。いつもはストーリーにひきこまれて感動して終わるのだが、なぜか今回は冷静に、というか、いくぶん斜に構えて見てしまった。まず、ザンパノのしていることは人身売買だ。カネで娘をさらっていく。母も母で、札束を手にしながら「行かないで」と言ったりする。ワザとらしいったらない。粗野な男ザンパノは、ジェルソミーナに対して日常的に暴力をふるう。ドメスティック・バイオレンスそのものだ。修道院で盗みも働く。そして暴行殺人(過失致死?)と死体遺棄。悲しいラストシーンでは、さすがにグッとくるものがあったが。同じ作品でも、見る側の気分次第でさまざまな受け取り方があるもんですね。また時間をおいて見てみようっと。その前に「女の都」と「8 1/2」も見てしまうんだろうけどね。【送料無料】IVCベストセレクション::道 【淀川長治解説映像付き】価格:1,701円(税込、送料別)