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テーマ:ブラジルで観た映画(104)
カテゴリ:映画
BON VOYAGE
監督:ジャン=ポール・ラプノー 出演:、ジェラール・ドパルデュー、ヴィルジニー・ルドワイヤン 製作:2003年、フランス <内容> 1940年6月14日パリ陥落、ナチスドイツ占領下のフランス。政治家、ジャーナリスト、有名人、上流社会の人々とその取り巻きたちは戦火を逃れ、ボルドーにあるスプレンディッド・ホテルに集まっていた。人気女優、ヴィヴィアンヌも、彼女の愛人である政治家のボーフォールと共にこのホテルに身を寄せていた。そこでヴィヴィアンヌの殺人の罪を被り、囚われの身となっていた青年、オジェと劇的な再会をして…。 イザベル・アジャーニ、ドパルデューという大御所、今人気の若手ヴィルジニー・ルドワイヤン、イヴァン・アタル(シャルロット・ゲンズブールのダンナということ以外知らないのだが)、グレゴリ・デランジェール(←この人どこかで見たことあるけど思い出せない・・・)などなど有名どころを一挙に登場させた大作。 さすがに、それぞれが存在感をしっかと発揮して、見ごたえのある作品にまとまっていました。 話はイサベルアジャーニ演ずるヴィヴィアンヌを核に廻っていきます。 類なき美貌の人気女優ヴィヴィアンヌの地位と名誉、金欲への固執によって、男性達が翻弄されていきます。 そして、また彼女自身をも不幸の底に引きずりこんでいる・・・哀れなファム・ファタールでもあります。 可愛らしく、その美貌で男性達を虜にし、無意識に利用し、心が離れていきそうになれば、これまた無意識の演技でとりなそうとする、天然の女優。 そんな彼女が世渡り上手かといえば、表面的には地位やコネのある男性をひきつけているようでも、彼女自身いつも何かに怯え、びくびくし、決して幸せとはいえないのです。 好きな男性からの愛を確信していても、名誉や金を手放す事ができない、愛より金の女・・・。 これからも、きっと彼女を愛する男性が数えきれないほど現れるだろうけど、きっと幸せになることができそうにない女性だともいえるでしょう。 そんな彼女をめぐって、複数の男性が翻弄されます。 ストーカーのごとくつきまとっていたアルベル、 大臣のボーフォール(G.ドパルデュー) 新聞レポーターのアレックス(ピーター・コヨーテ) そして、主人公のオジェ(グレゴリ・デランジェール) 嘘と演技でトラブルを乗り越えようとするヴィヴィアンヌを愛しつつ、彼女が自分達を愛すことはないだろうと見切ることのできたボーフォールとオジェは彼女の元を去って行きます。 それで、何かを感じ取ったヴィヴィアンヌ、自分を変えようと思うのですが、やっぱり都合のいいほうに流されてしまい、結局はそのままの生き方を貫いていくのでしょう。そう、人間そう簡単に変われるものではありませんから。 俳優達の個性とテンポのよい展開で、二時間があっという間でした。 特にイサベルアジャーニの美貌と天然?とも感じられる演技(やっぱり演技かな?)が光っていましたが、シャルロットの夫、イヴァン・アタルがなかなか良かったのは意外でした。 オジェが刑務所で知り合ったごろつきのラウール役がぴったりとはまっていました。ワルで軽率なのだけれども、困った人を見ると放っておけないお人よしを好演していて、シリアスになりすぎなところをピリッと笑いのスパイスを効かせていて、小気味よいテンポが心地よかったです。 ただ、ヴィルジニー・ルドワイヤン演ずるカミーユがオジェに惹かれる描写が少なかったため、なんとなくしっくり来ないラストになってしまったのは残念!あと、パターンもちょっとありきたりだったかなと。 ま、それを差し引いても、充分に楽しめる映画でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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