カテゴリ:雑感
このごろ、老子の『道徳経』にはまっています。とっても面白いので、みなさんもぜひ読んでみてください。日本では加島祥造の『タオ 老子』が出ているのですが、少し引用させていただきます。」
「大國者不過欲并畜人、小國者不過欲人事人、夫皆得其欲」(第六十一章) 「強大な覇権国家の君主は自分の言いなりに搾取できる家畜のような人間の数を増やしたいから、他国を侵略するのだ。弱小国家の君主は、せめて我が身、我が国を尊重してくれるならばと、超大国に屈従して、身売りの算段をしているだけだ。結局、戦争とか平和というものは君主たちの意地の張り合いだけで、民衆のことなんか何も思ってやしないんだから、まあ勝手にしたらよかろう。」 「以道佐人主、不以兵強於天下、其事好還、師之所處、荊棘生之」(第三十章) 「道義によって君主を補佐するならば、軍事力の強大さによって、天下の人々を従わせようとはしないことだ。そうすれば天下の人々はきっと道義をもって応じてくれよう。軍事的な圧力をかけると周囲に茨が生えたように反抗する勢力も起きてくるようになり、戦争は結局、進めば進むほど自分も傷ついていく、茨の道だということがわかるようになる。」 まさに、今日の世界を予言したようなものだと思いませんか。 もう少し引用します。 「善戰者不怒、善勝敵者弗與、善用人者爲之下、是謂不爭之徳、是謂用人、是謂配天、古之極也」(第七十章) 「戦争がうまい将軍は感情に左右されない。兵法がうまくて、いつも最善の勝利を確実にできる将軍は、戦争そのものをしない。人を使うことに巧みな人は、何ごとも謙遜してへりくだった姿勢をとる。これが何事も争わない《不争之徳》というものであり、人々の力を用いるコツであり、天道に配慮した方策で、聖人君子の政治理念である。」 いかがですか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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