クリック募金から思ったこと
クリック募金って、すばらしいアイデアですね。中国では、まだこういうのはないと思いますが、詳しく調べたことがないので、よくわかりません。しかし、中国では、募金コーナーを設けている新聞があります。それから、テレビでも、よく援助を必要とする方たちの話を取り上げ、募金を呼びかけたりしています。国の社会福祉制度がまだ行き届いていないだけに、援助がなければ、どうにもならない方たちがたくさんいます。それで、記者たちがそういう方たちの実情をよく調べた上で、記事として載せ、広く援助を呼びかけるのです。一旦、マスコミに取り上げられれば、必ず普通の人々からの援助が得られ、問題解決につながると言っていいでしょう。同情心があり、善意がある人がたくさんいる証拠でもあります。日本に10年もいると、自分の国のことながら、もう中国中、拝金主義者ばかりで、誰も彼も、他人のことなど、かまっていられなくて、自分ばかり得しようと考えていると思っていました。ですから、2001年に、10年ぶりに中国へ帰ったときに、テレビでも新聞でも募金の呼びかけをしていて、そして、一人また一人と、救われていくのを見て、正直言って、驚きました。本当に、送金する人がいるんだ、と思いました。しかも、匿名で送金する人もいるから、中国人もまだ互助精神を忘れていないではないかと思い、感動した覚えがあります。大学でも、何かがあるとすぐに、募金が始まります。たとえば、病気治療に必要なだけのお金がない学生がいるとか、あるいは、洪水が起きた地域のためとか、サーズの時もありましたね。年に2,3回から、4,5回はあります。金額がほぼ決まっているから、寄付しやすいです。地域や団地でもあります。ちゃんと仕事を持っている人間なら、寄付した経験がない人のほうが少ないのではないかなと思います。日本の自殺者の中には、経済的な事情が原因だという人が絶対多数のようですね。しかし、一方、自分の困難をさらけ出し、直接援助を受けるのが恥ずかしいと思う人も多いでしょうね。クリック募金があるなら、そういう形での、個人に対する援助も可能ではないかなと思いますが、どうでしょうね。マスコミも、興味本位で猟奇的でどうでもいいようなニュースばかり流すのではなく、もっと困っている人間を、その自尊心を傷つけることなく、助けてあげられるように、マスコミの計り知れない影響力を発揮したらよいのではないかな。困っている人間の中には、自分に落ち度があった人もいるかもしれませんけれども、だからと言って、見殺しにするのもどうかな。ま、それは、日本のことなので、わたしがどうこう言う問題ではありませんが。